ネパールはこの30年の間も決して、
平和な国とは言えなかったと思う。
1990年代頃からネパールはそれまでの
王室やラナ一族の特権階級に
反発し、マオイストが活動を活発化
してきた。そのマオイストの
リーダーが今回の暴動の原因の汚職
政治家の一人プラチャンダだ。
プラチャンダを信じて平和で、
平等なネパールの未来のために、
命を捨てたマオイスト兵士たちが、
何万人もいると聞いている。
2008年にネパールのギャネンドラ前国王が
退位してから17年。
ネパールの一般市民の生活は、
変わらず新しく編成された新政府の
政治家たちの私腹を肥やすだけの
年月だった。
「動物農場」という本がある。
1940年代にジョージ・オーウェル
という人が書いた本。
人間に支配されていた農場の
動物たちが革命を起こし、人間からの
解放のために闘い、勝利するが、
動物たちの中から再び支配者が
うまれるという話だが、
これまでのネパールとピッタリ
きてしまう。
ネパールはまた「動物農場」に
なってしまうのか。
ネパール人と家族になった私に
とって、この問題から目が離せない。