夫の次姉から追い出されるように、日本に

帰国することになった私は、絶望的な気分で、

日本に向かう機内に乗っていた。


日本に帰った後、次に夫に会えるのはいつに

なるのか?


日本に帰った後、仕事はどうするのか?


考えれば考えるほど憂鬱になるばかりだった。


よほど私が暗い顔をしていたのだろう。

隣の日本人の中年女性がやたらと私に気をかけて、

話しかけてくれた。


「機内食きましたよ。テーブル準備する?」

「トイレに行きたい時は声かけてね。」


いよいよ、飛行機が長時間の飛行を終え

着陸態勢に入り、CAのアナウンスが流れ始めた時、

となりの中年女性が、


「1人でえらいね〜。日本は初めて?電車の

乗り方わかる?」


な、なんと、私をネパール人と間違え、親切に

してくれていたのだ。


今さら、自分が日本人であることを言い出せず、


「ダイジョブ。ヒトリデキる。」


たどたどしい日本語で返事をし、

そそくさと飛行機を降りた。


11ヶ月間、ネパールのご飯を食べ、

ネパールの水で体を洗い、ネパールの

人たちにまみれて生活することで、

私はすっかり容姿もネパール人のように

なっていたらしい。


ネパールからの帰国の際は、次姉から冷たく

あたられたり辛いことが多かったが、

この飛行機の世話好きなおばさんの

おかげで、今でもクスっと笑うことができる。










→このネパールからの帰国後に、
私は看護師の道へチャレンジすることとなる