仙塩尾根ラスト!
です。自分の備忘録として書いているふしのある本アカウント。どれだけ遅れようとも誰の迷惑にもならないのは気楽な点です。むしろ掲載することにより、ますます需要の増えるいっぽうの情報資源を浪費、公益に反している気が……。
将来のことを考えて投資の勉強を10月ごろから集中的に始めておりまして、40~50冊くらいは関連書籍を渉猟、読破しました。おかげさまで投資をやっている友人から「経験してないのに知識だけは十分ある」とまで言ってもらえる程度にはなった(いちばん火傷するタイプですね)。
ただねえ、お金を増やしたところでなにか意味があるんでしょうか。わたしは自他ともに認める超、超、超……超のn乗ケチ野郎でして、そのおかげか預金はペイオフの範囲をとっくに逸脱しているありさまです。
率直に言ってこのまま会社員としてインカムゲインを得続けるのならば、10年後くらいには老後資金まで確保、投資をせずともアーリーリタイアすら可能な塩梅なのですね。そもそも投資をしようと思ったのは結婚後の、将来の教育費やらマイホーム資金やらを考えてのことでした。
残念ながらその必要はなくなりました。たぶんこのまま一生未婚でしょうから、リスクをとらずに全世界株式か、米国株インデックス投信あたりへ適当に資金をぶち込んで、20年後くらいに(人口減少で価格が下落しているであろう)不動産をキャッシュで購入、終の棲家を確保するというのがわたしの人生プランであります。
それと並行して有望そうな小型株に博打感覚で資金をちょっとだけ入れて、大化けしたらラッキー、みたいな遊びもいいですね。株式投資は有限責任ですから、最悪でも紙クズになるだけでしょ。ジャンク株(信用取引でない現物に限る)やハイイールド債に投資するのって、競馬や宝くじを買うよりはるかにましな投資先のように思えるのですが、いかがでしょうか?
まあなんにせよお金はないよりもあったほうがいいので、投資はやろうと思います。まずは口座開設かあ、だりいな……。(ホンマにやるんやろうな)
熊野平小屋~農鳥岳方面分岐~三峰岳~野呂川越え~横川岳~独標~高望池~2,755メートルピーク(ランチ)~仙丈ヶ岳~小仙丈ヶ岳~藪沢分岐~北沢峠(バス移動)~仙流荘(タクシー移動)~鳥倉林道駐車場(車回収)
日時 2023年9月18日(日曜日)
天候 快晴 9月下旬とは思えぬ陽気
メンバー 強化人間331(単独)
装備 小屋泊装備一式(調理器具、着替え、雨具、食料、非常食、水3リットル)
距離 約17キロメートル
推定累積標高差 1,700メートル
所要時間 9時間35分(うち昼休憩35分、その他小休止含む)
備考 塩見岳以北は初ルート
1 ゴールへ向けて一直線!
9:50、ランチを摂るために2,755メートルピークでのほほんとしてました。ちょうど腰かけられる岩があって、そこに座って足をブラブラさせてましたね。
さすがにガスが出始めて絶景独り占め、というわけではなかったのですが、人通りも皆無、微風の吹く高山帯でカップラーメンをすする。俗世のしがらみが洗い流されます。10:20、出発です。
ガスの切れた瞬間を狙って撮影。正面のピークが仙丈ヶ岳です(たぶん)。こうして見ると、仙丈ヶ岳の南面は切り立っていて登攀不可能のようです。
残りの標高差は300メートルもないはずなのですが、ルートは細かくアップダウンをくり返しているせいでなかなか標高を稼げません。とはいえ中央アルプスのように、1座間の標高差が200メートルとかの無慈悲なレベルではないです。
荷物を軽量化していてさえ、この登りは堪えました。今回仙塩尾根をやろうと決心したきっかけがこの記事なのですが、この方はホンマにすごい! 御年60歳とは思えないタフさでして、登山技術、体力、おまけにユーモアまであるんですから、まったく脱帽するばかりです。ぜひこのアカウントの記事を読んでみてください。いいね、コメントともにオフになっているのも渋い。
こうしてたまに、道は尾根の直上ではなく巻いていることも。ホンマ助かる。気温はいよいよ上昇し始め、この日もカンカン照りに。水は潤沢にあるので遠慮せずガンガン飲みます。
11:10、大仙丈ヶ岳(2,975メートル)着。ゴールはもうちょいなんですけど、この山の直下、それはもうすさまじい急登でした。瀕死だったところへとどめを刺されたかっこうです。ちょ、ちょっときつすぎちゃいます?
大仙丈ヶ岳から先はけっこう足場が悪かった。こんなところでケガでもしたら泣くに泣けませんので、慎重に。
ガスが残念ですね。高峰で絶景にありつきたいのなら、やはり早朝から行動しないとあかん。もう十分序盤にありついたので、諦めもついていました。
え、あれ? もしかして着いた?
もしかしなくても着いたようでした。最後は斜度も緩く、あっけなく登頂できました。11:35、仙丈ヶ岳(3,033メートル)到着。気が抜けてその場にへたり込んでしまった。
このときの気分はいたって平常、特段感動などはなかったとメモには記載されています。ただ「ようやく終わった……」という、ある種の感慨はあったようです。しばらくは歩く気も起きませんので、どっかりと座り込んで放心状態に陥ってました。
ご覧のようにガスがかかっており、景色はイマイチ。
これから辿っていくルート。北沢峠までは距離こそありませんが、非常に億劫ですね。瞬間移動できないかしら?
この時間からも登山者はけっこう登ってきていて、ご覧のようなガス一色の景色に失望しておりました。もったいないですよね彼ら。せっかく南アルプスまで来て、拝んだ景色がこれじゃあねえ。ちゃんと早朝出発せなあかんで。
一瞬だけ晴れ間がのぞいてました。山頂で根気よくこの瞬間を待っていたとおぼしき夫婦が、「おお……!」と色めきだってましたね。
夫婦なあ……。なぜわたしのようなアラフォー世代がやたらと売れ残るのか、当事者として事情が分かった気がします。若いうちは当人同士の「好き」だけで結婚してしまいますが、歳をとると見る目が肥えてきて、少しでも有利な条件を望んでしまう。しかしこれは明らかに誤りです。
というわけでなんとか巻かずに登頂です。ゆうて2~3分登るだけですし、そんな苦労もしてへんけど。かつて「山しじみ」さんという滋賀県民のブロガーがいたんですけど、彼も鈴鹿山脈縦走をやる際、稜線をきちんと歩かねば完全縦走にはならぬ! と意気込んでおりました。更新も止まって久しいけれど、かの記録群は登山系ブログのなかでもずば抜けた面白さでありました。
山しじみさんの記事はこちら。大丈夫です、エッチなサイトとかグロ画像サイトとかに飛ばすようなトラップではありません。数ある記事のなかでも〈鈴鹿スペシャル〉とダサく銘打たれた山行記録は、もはや滋賀県民必読ですよ。アプローチの少ない滋賀県側のみにこだわった鈴鹿山脈踏破記録なんて、扱ってるのはたぶんこのサイトくらいでしょう。
さて、もう書くべきこともそうありません。12:45、藪沢分岐。さらにザクⅡ(ザクザクと読んでください。思いついた瞬間、あれ、わし天才じゃね? と自惚れました)下っていき、13:35、栄光のゴールであるジオン公国……じゃなかった、北沢峠に着きました。もうね、立ってるのが不思議なくらい疲れ果ててまして、機動力はシャア専用ザクの3倍どころか3分の1にまで低下してたのでは。
北沢峠では事前に帰りのタクシーを召喚しておかねばならなかったのですが、携帯電話の電波が入っておらず、長衛小屋の衛星電話を使おうか迷ってるあいだにバスがきちゃった。ちなみに乗車券は北沢峠でも係員の人に頼めば売ってくれるので、事前に入手しておきましょう(片道料金1,300円也)。
バスに揺られながら本を読んだり船を漕いだりしていると、いつの間にやら仙流荘に着いてました。なぜか仙流荘でも電波が入らず、これはさすがにおかしいといったん電源を切って再起動すると、どうですか! 普通に圏内じゃないですか! これはもしかすると北沢峠でもホンマは電波入ってて、再起動すればよかったのかもしれません。
さてタクシーについては事前に確認しておりまして、仙流荘~鳥倉林道駐車場の区間を走ってくれること、料金の見積もりは10,000円ちょいであることが判明しておりました。常識人たる読者からすれば当然の範囲内なんでしょうが、ものぐさなわたしとしては異例の手際のよさであります。
タクシーはシルバーウィークということもあって1時間待ちになりましたが、ここまで来たらそう急ぐ必要もありません。バス停の裏側にあるベンチに腰掛け、陽を浴びながらのんびり本を読んで時間をつぶします。
2日めも目に痛いほどの快晴、風もほとんどなく、バスを洗車しているおっさんたちが「9月下旬とは思えん暑さやなあ」としきりにぼやくほどのカンカン照り。時間はゆっくり流れ、誰に気兼ねする必要もない1時間でした。
タクシーに乗り換え、根暗なわたしは運転手さんと会話することなくひたすら読書でやりすごしました。1時間とちょっとで鳥倉林道駐車場に着いたのですが、メーターの料金を見てワタクシ、ぶったまげてしまいました。
お値段なんと18,000円也!
あ、あれ? おかしいな……(byバルキリープロファイル)。見積もりでは10,000円ちょっとやと言うてたのに、倍近くかかってるんですがそれは……。ここで見積もりとちゃうやんけ、まけろやボケカス! とやらないのが紳士ですね。涙を呑んで文句ひとつ垂れずに払いましたとも。
わたしは通関事務所の営業職ですので、見積もりを出すことがたまにあります。いつも念入りにチェックしてから顧客へ提出するけれども、一度出した見積もりは撤回しづらいもの。本事例ではわたしが現人神並みの広い心を持っていたからよいものの、クレームをつけて払おうとしない人間はいくらでもいるでしょう。
営業職のみなさん、見積もりはちゃんと出しましょう。自分への戒めとして、仙塩尾根の長い旅路を締めくくりたいと思います。ご愛読ありがとうございました。
2 温泉
ここんとこずっと一宮市の「美彩都 湯友楽」というスーパー銭湯ばかりでした。今回は車回収が17:00をすぎており、いまから一宮市まで2~3時間はかかります。そこからいつもだと3時間岩盤浴に入って水抜きと相成るのですが、さすがに2日間長距離歩いたし、水抜きはもうええやろ。
というわけで地元の温泉発掘であります。ずばり「信州まつかわ温泉 清流苑」です! 過去に一度だけ利用したことがあるのですが、とてもよかった記憶が。とはいえそこはわたしの記憶ですので怪しいものです。真相を確かめるべく、いざ出陣。
どうですか、この雰囲気! 最高じゃないですか? 内装はいかにも温泉旅館といった風情で、絨毯はふかふか、入泉料は破格の500円! 内湯、外湯ともに充実しており、サウナも完備。おまけにサウナは珍しいスチーム系で、短い時間ですさまじい発汗量を促せます。
施設名 信州まつかわ温泉 清流苑
場所 松川インターから車で10分
おすすめ度 ★★★★★
一口コメント 町営とは思えないクオリティ。南アルプスへ長野県側からアクセスする場合、中央道松川インターで降りるはずなので、利用しやすいのも吉。
3 反省
総距離 約40キロメートル
推定累積標高差 4,000メートル
必要資金 約30,000円(宿泊費11,000+バス代1,300+タクシー18,000)