法規は基本的に、計算問題、A問題、問題集の順に勉強。
条文だけでは本当に手に負えない。[△]は何度も要復習。
【問1】 [〇]
「電線路維持運用者」に関する知識問題。一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し運用する者をいい、その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし「所有者又は占有者」の承諾が得られない時はこの限りではない。また「登録調査機関」に調査業務を委託する事ができる。
「低圧屋内電路」の絶縁性能は低圧区分に応じた絶縁抵抗0.1~0.4MΩで1mA以下に抑えなければならない。(低圧電線路は最大使用電流の1/2000またはその条数倍)
【問2】 [△]
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に関する知識問題。どれもこれも難しい記述内容だが、常識的に考えてそんな馬鹿なと感じる記述が一つだけある。
【問3】 [〇]
電技解釈に基づく電磁誘導作用による人の健康被害の防止に関する知識問題。変圧器、開閉器、その他これらに類するもの又は電線路を発電所、変電所、開閉所及び「需要場所以外の場所」に施設する場合、「通常の使用状態」において電磁誘導作用を発する当該電気機械器具等のそれぞれの付近において、人によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が商用周波数において「200μT」以下になるように施設しなければならない。ただし田畑、山林その他の人の「往来が少ない場所」において人体に危害を及ぼす恐れがないように施設する場合は、この限りではない。
【問4】 [△]
電技解釈に基づく高圧及び特別高圧電路に施設する避雷器に関する知識問題。避雷器で覚えるべき数字は"受電電力500kW以上の需要家"である。また、発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では架空電線の引出口又はこれに近接する場所には避雷器を施設しなければならない。
ちなみに50kWは小出力発電設備に該当しなくなる発電出力50kW以上、5000kWは第三種電気主任技術者の監督範囲に該当しなくなる受電電圧5000kW以上である。
【問5】 [〇]
電技解釈に基づく発電機の保護装置に関する知識問題。これは条文を知らなくても電気知識の感覚的に解けたりする。発電機の異常事態は過負荷である事、水力発電と風力発電のキーワード、ガバナーや電源電圧の異常事態など。
【問6】 [〇]
電技解釈に基づく架空送電線に適用される高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する知識問題。支持物の径間は高圧・低圧保安工事共に、鉄塔400m以下、B種150m以下、A種100m以下。使用電線は直径5mm以上、引張荷重8.01kN以上の硬銅線を用いる。
"連鎖倒壊の防止"に関する記述までは問われなかったが、支持物で電線路が連続している箇所において連鎖的に倒壊する恐れがある場合は、技術上困難である場合を除き、必要に応じて16基以下ごとに支線を電線路と「平行」に両側に設け、5基以下ごとに支線を電線路と「直角」に両側に設けなければならない。(互角=5角と覚えるべし)
【問7】 [〇]
電技解釈に基づく特殊場所における施設制限に関する知識問題。しかし、条文を知らなくても文脈的に回答できたりする。
【問8】 [×]
電技解釈に基づく住宅及び住宅以外の場所の屋外電路の対地電圧の制限に関する知識問題。電気工事の実務レベルで条文を理解していないと選択肢を絞り込めないのではないかと感じさせる。解けなくても仕方ない気がする。
【問9】 [〇]
電技解釈に基づく分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する知識問題。負荷不平衡による中性点電流の増大、分散型電源の逆潮流による配電系統の電圧上昇、配電用変電所におけるバンク逆潮流の防止など。
【問10】 [〇]
図示された高圧受電設備における保護協調に関する問題。電気事故が起きた時、その直近上位の遮断器が動作するように保護継電器の整定値を決めなければならない。この視点で記述内容を読み進めていくと何の為に保護継電器を設置しているのか意味不明な記述が一つだけある。
【問11a】 [〇]
支線の引張荷重を求める計算問題。モーメントの釣合い公式Fh=Tsinθで解ける。
【問11b】 [〇]
支線の安全率を1.5とした時の支線の最小素線条数を求める計算問題。電技解釈では、支線は素線を3条以上より合わせ、素線の直径は2mm以上とされている。問題文によると素線直径2.9mm、引張荷重1.23kN/mm^2なので、素線の引張荷重を求め、安全率と最小条数を考慮すれば答えに辿り着ける。
ちなみに電技で定められる支線の引張荷重は4.31kN以上、直径は22mm以上。素線の引張荷重は0.69kN以上、直径は2mm以上も忘れないように。
【問12a】 [△]
「絶縁耐力試験」に関する計算問題。交流試験電圧は次の通り定められている。
・最大使用電圧7000V超~60000V以下 … その1.25倍を印加
・最大使用電圧7000V超~15000V以下 … その0.92倍を印加
・最大使用電圧7000V以下 … その1.5倍を印加
※直流を試験電圧とする場合、上記の2倍の電圧を印加
使用電圧は公称電圧を指しており、「公称電圧×(1.15/1.1)」で最大電圧を求めれば交流の試験電圧が求められる。問題文では直流試験電圧を問われているので、これを2倍すれば答えに辿り着ける。
【問12b】 [×]
高圧ケーブルの絶縁耐力試験の皮相電力を求める計算問題。公称電圧6600Vから最大電圧を求め、1相分の対地静電容量から対地アドミタンスを求めて3倍すれば皮相電力が求められる。アドミタンスという発想はそんなに不自然なものではなく、容量性リアクタンスは逆数の形で定義されるので、S=V^2/Xcを計算しやすいようにV^2×Ycと考えれば自然とアドミタンスの考え方に行き着く。問題文から必要な数字を読み取るのが難しいので何度も練習すべし。
【問13a】 [△]
需要率・不等率・負荷率に関する計算問題。3つの需要家の需要電力量[kWh]の合計を問われている。設備容量と需要率を掛ければ最大需要電力[kW]が得られるが、ここから電力量を求めるには負荷率を使わなければならない。負荷率は最大需要電力[kW]に対する平均需要電力量[kWh]であり、問題で問われているのは3つの需要家の平均需要電力量の合計である。地味に難しい。
【問13b】 [△]
変電所から見た「総合負荷率」を求める計算問題。総合負荷率は「平均需要電力の合計[kW]÷合成最大需要電力[kW]」で定義され、この分母は不等率の分母に等しい。最大電力の合計はaの途中計算で判明しているので不等率から合成最大需要電力を求めれば総合負荷率の分母となる。分子はaの答えを24で割った値を使えばよい。これも中々難しい。