皆さま、こんにちは！
かつては松山市と宇和島市を結ぶ主要ルートだった
予讃線の「愛ある伊予灘線」。
昭和61年に内子線を経由する短絡ルートが完成すると
優等列車はそちらに移り、
定期列車は１日９往復が運行される
普通列車だけになってしまいました。
往来する列車の数は寂し気になりましたが、
この区間の駅は個性派揃いです。
「海が見える駅」で有名な下灘駅も
ここにありますから。
個人的な「推し」は
伊予長浜（いよながはま）駅でした。
ここは軽便鉄道の駅として開業した経緯を持つ
興味深い歴史がある駅なのです。
と言っても、当時の駅はここにはなかったのですけどね。
そんな伊予長浜駅の様子を、
歴史を探りながら伺ってきました。
…その前に、伊予長浜駅の歴史をざっくりと紹介します。
伊予長浜駅は、予讃線の前身である愛媛鉄道の終点として
大正７年に開業しました。
当時の駅名は長浜町（ながはままち）駅。
愛媛鉄道は長浜町駅と伊予大洲駅（当時は大洲駅）を結ぶ軽便鉄道で、
軌間は762ミリだったそうですよ。
軽便鉄道時代の駅は現在地ではなく、
長浜港に面した位置にあったみたいです。
下は国土地理院のサイトから転載した航空写真。
黄色線は軽便鉄道時代の線路配置ですが、
現在（赤線）と違っているのがわかりますかね？
昭和10年に伊予長浜駅以東の区間が開通したことから、
現在地に駅が移転。
軌間も現在の1067ミリに改軌されました。
駅名は、愛媛鉄道が昭和８年に国有化されたのを機に
改称されたんですって。
軽便鉄道時代の長浜町駅が
長浜港に面した位置にあった理由は、
駅で荷下ろしされた木材を港より海運するから。
下は駅が移転してから14年後の
昭和22年に撮影された旧駅付近の様子ですが、
この頃はまだ旧駅のホームが
残っていたのではないでしょうかね？
線路方向に伸びる長い構造物が写ってましたよ。
昭和10年に現在地に移転した伊予長浜駅ですけど、
構内の西側で線路が分岐し、
その先に貨物ホームがありました。
場所はこの辺りです。
下は昭和50年に撮影された航空写真ですが、
貨物ホームとその奥に巨大な倉庫が見えますよね。
長浜町青果農協専用線（貨物線）とその倉庫ですが、
そもそもこの倉庫が竣工したのは
青果農協が発足した昭和41年のことです。
上の方にUPした昭和22年撮影の写真に
線路やホームが既に写ってることから、
ここは昭和10年に駅が移転した当時の
駅の構内だったのでは？
伊予長浜駅にまつわる歴史の謎は尽きません。
そんなことで、
今ある駅舎は少なくとも昭和10年以降に建てられたモノ。
竣工年が記された建物財産標は見当たりませんでしたが、
自分、見落としたかな？
現在は無人駅ですが、
かつては「みどりの窓口」も営業していたとのこと。
出札窓口は塞がれることなく残ってました。
駅が移転した後の町の様子を伝える絵が掲げられてましたが、
軽便鉄道の廃線跡らしき記載は見当たらず…残念！
待合室はこんな感じでした。
伊予長浜駅は列車の退避が可能な
相対式＆島式ホームによる複合２面３線構造です。
２本のホームは構内踏切で結ばれてました。
「愛ある伊予灘線」で島式ホームを持つ駅は
ここが唯一でしたよ。
駅舎のすぐそばで
竜宮城っぽい建物を持つ観光案内所を発見！
平成17年に合併して消滅した「長浜町」の文字と
町章が掲げられてましたが、
10年近くも放置されてるのかしら？
長浜町の観光協会は昭和33年に発足してますが、
その当時からある建物なのかが気になります。
最後はかつて専用線（貨物線）が伸びてた方角の様子で〆。
専用線の廃線跡は、現在は住宅地に変わってますので
念のために言っておきますね。
伊予長浜駅についてダラダラと書きましたが、
歴史が面白くてつい…
駅の歴史探求はやめられません！
今回の旅ではここに宿泊しました。
伊予長浜駅（平成28年10月12日）
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