今年2025年は、女性で初めて文化勲章を受賞した日本画家で、
「西の松園、東の清方」と称される上村松園(1875~1949)の生誕150年の節目の年。
それを記念して、今年は山種美術館や福田美術館等で、
上村松園にスポットを当てた展覧会が開催される予定です。
それらの中でも特に注目したいのが、
大阪中之島美術館で開催中の“生誕150年記念 上村松園”。
大阪の美術館では初となる上村松園の回顧展です。
出展作品は、100点以上!
それに加えて、貴重な下絵や素描、
筆や硯、文化勲章といった私物も出展されています。
なお、嬉しいことに、出展作品の一部は撮影可能!
前期の見どころの一つである《草紙洗小町》や、
《待月》も写真撮影可の対象となっていました。
なお、《草紙洗小町》と《待月》の他にも、
前期に観ておきたい作品はまだまだあります。
中でもイチオシは、松柏美術館が所蔵する《鼓の音》。
(注:写真撮影は不可でした)
描かれた女性の顔立ちだけでなく、
指先や生え際、所作のすべてが美しい上に、
気品のある色気のようなものがダダ洩れしていました。
また、着物や帯のグラデーションが、
あまりにも美しくて、目が吸い込まれそうになりました。
残念ながら、この圧倒的な美しさは、
HPの画像やチラシでは、全く伝わりません!
見逃し厳禁の逸品です。
なお、簪に施された蝶々もカワイイので、それも見逃し厳禁ですよ。
さてさて、小特集として「松園による多様な作画」も紹介されていましたが。
基本的には、出展作品はほぼ美人画です。
もちろん、どれも素敵だったのですが。
べっぴんさん、べっぴんさん、べっぴんさん、
べっぴんさん、べっぴんさん、べっぴんさん、べっぴんさん・・・・・
いや、いつ一つ飛ばせるんだよ!!
正直に言って、ほんの少しだけ、くどく感じてしまいました。
「美人は三日で飽きる」とは言いますが、
同じテイストの美人画をあまりにも見続けると、
多少なりとも、飽きを覚えてしまうのかもしれません。
何かもう少し、味変のようなものがあったなら・・・。
ちなみに。
出展作の中で個人的に印象に残っているのは、
光ミュージアム所蔵の《三美人図》という一枚です。
題に“三美人”とあるるものの、
パッと見は、2人しか描かれていないようです。
よーく観てみると、奥に1人いました。
前の2人、もう少し避けてやれよ!
もし、彼女らが3人組のアイドルだとしたら、
後ろの女性推しのファンが、運営を猛批判することでしょう。
なお、松園はこの構図がわりと好きだったようで。
本展では、別バージョンも出展されていました。
さらには、人数が増えて、5人のパターンも(笑)。
大阪で観ていることもあって、
ナチュラルに「もうええわ!」が飛び出しました。
さて、前期も見ごたえがありましたが、
後期のラインナップは、前期以上に豪華!
重要文化財指定の《序の舞》と《母子》が揃って出展予定です。
精神病院を取材し、正気を失った女性を描いた、
松園作品の中でも異色とされる《花がたみ》も後期に出展予定。
もう一度、後期に大阪中之島美術館を訪れるか悩ましいところです。
悩ましいといえば、ショップで販売されていた《序の舞》Tシャツも。
一見すると、ただ《序の舞》がプリントされているだけのようですが。
着物の裾や袖の一部に、
ラメラメキラキラ加工が施されていました。
(注:写真ではそれが上手く伝わらず、申し訳ありません!)
着物女子よりもギャルに受けそうな松園Tシャツ。
ネタの一つとして買うべきか、最後まで真剣に悩みました。
・・・・・結局、買いませんでした。