昭和59年に近代日本の出版美術専門美術館として設立した弥生美術館が、
今年6月1日に、めでたくオープンから30周年という節目の日を迎えるそうです。
おめでとうございます!
それを記念して、現在、弥生美術館では、
“さし絵のお宝大公開!展 -弥生美術館 開館30周年記念-” が開催されています。
初代館長である弁護士・鹿野琢見と交流が深かった高畠華宵の作品を筆頭に、
《君知るや南の国》 便箋表紙 ベニバラ社(昭和初期)
《(仮)ニューファッション》 (大正末~昭和初期)
蕗谷虹児、鰭崎英朋、藤田ミラノ、大伴昌司・・・etc
これまで弥生美術館でフィーチャーされた挿絵画家たちの作品も勢ぞろいしています。
まさに、弥生美術館の30年の歴史を総括するような大総集編的な展覧会です。
弥生美術館に、よく行かれている方は、
「あぁ、こんな展覧会あったなぁ。行けて良かったなぁ」
と思うことでしょうし。
弥生美術館に、あまり行かれていない方は、
「あぁ、こんな展覧会があったのかぁ。行けば良かったなぁ」
と思うことでしょう。
ちなみに、僕が、 「行けば良かったなぁ」 と思ったのは、
あの剣豪・伊藤一刀斉の末裔に生まれたという挿絵画家・伊藤彦造の展覧会でした。
自身も、剣の師範だったというだけあって、その絵に漂う緊張感は、まさに真剣勝負の如し。
剣もペンも強し…な人物です。
《南総里見発見伝》 昭和44年「少年少女世界の文学27」収録 小学館
大総集編的な展覧会とは評しましたが、
ただ過去を振り返るダイジェスト版のような展覧会ではありません。
通常の展覧会では、あまり出展される機会の少ない秘蔵作品も多数紹介されているようです。
さらに、伊藤晴雨の 《祭り》 という作品にいたっては、今回が初公開。
見逃すと、後の祭りになりそうです。
絹・彩色
また、3階の展示室では、これから弥生美術館が新たに取り組んでいきたいテーマが紹介されています。
そのテーマとは、ズバリ “手芸” 。
昔の少女たちは、雑誌で手芸を学び、当たり前に楽しんでいたようです。 (今の少女は・・・)
そんな手芸文化を伝える雑誌記事や付録の数々が紹介されていました。
くわえて、昭和30年代に 『それいゆ』 で活躍した松島啓介のハンドメイド作品の数々も展示されています。
弥生美術館のこれまでを振り返りつつ、
弥生美術館のこれからにも期待を持たせる展覧会でした。
40周年、50周年と続いていくことを願っています。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
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