Mildred Pierce

ミルドレッドは苦労してレストランチェーンを作り上げた。だが娘のヴィーダは母親を軽蔑し乱れた生活をし続けて、さらに殺人事件を起こした。


製作年:1945,監督:Michael Curtiz,脚本:Ranald MacDougall,原作:Mildred Pierce(James M. Cain)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

ミルドレッド・ピアース・ベラゴン(ジョーン・クロフォード)
アルバート・ピアース(ブルース・ベネット) ミルドレッドの元夫
ヴィーダ・ピアース(アン・ブライス) 娘
ケイ・ピアース(ジョー・アン・マーロウ) 娘
モンティ・ベラゴン(ザカリー・スコット) ミルドレッドの二番目の夫
ウォーリー・フェイ(ジャック・カーソン)
アイダ・コーウィン(イヴ・アーデン)

本作の見どころは、原題とは違って、むしろヴィーダのキャラクターである。

歌手でもあり五人の子供を産んだアン・ブライスは1928年8月16日生まれで現在(24/07/07)95歳でまだ生きている。もうすぐ96歳。ジョーン・クロフォードはもちろん大女優だが、本作ではアン・ブライスに拍手。

 

原作者のジェームズ・M・ケインは四度映画化された「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の原作者。
 


■ あらすじ

◆ 殺人事件

モンティ・ベラゴンが射殺された。

警察は容疑者としてアルバート・ピアースを逮捕した。ベラゴンの妻のミルドレッド・ピアース・ベラゴンの元夫である。

だがミルドレッドは「アルバートは犯人ではない」と主張した。

◆ ミルドレッドは夫を追い出した

四年前。アルバートは不動産屋を経営していたが倒産した。おまけに浮気をしていた。

怒った妻のミルドレッドはアルバートを家から追い出し、二人の娘ヴィーダとケイと一緒に暮らすことになった。

今までは専業主婦だったミルドレッドは仕事を探す必要に迫られた。

◆ ミルドレッドはレストラン経営を目指す

あるレストランに入ったところ、そのレストランが人手不足のように感じて、その場で自分をアピールしてウェイトレスとして働くことになった。

ミルドレッドは優秀なウェイトレスになったが、長女のヴィーダは母親の仕事を恥じた。

ミルドレッドはレストランを経営したいと思うようになった。

◆ レストランは発展した

アルバートの知り合いだったウォーリー・フェイの紹介でモンティ・ベラゴンが所有する物件を手に入れた。

開店準備を進めたが、ベラゴンと深い中になった。そのような時にケイが病気てあっけなく死亡する。

レストランは開店した。ウォーリー・フェイをパートナーに迎え、さらにウェイトレス時代の親友アイダ・コーウィンも協力した。

補足。パートナーとは会社の中で経営者に次ぐ職位。この場合はレストランだが、主に法律事務所、会計事務所などで使われる。「共同経営者」ととらえればよい。

レストランは発展し五店舗のチェーンとなった。

◆ ヴィーダは乱れた生活

ヴィーダは母親の恋人のモンティと一緒に過ごした。一生懸命に働く母親を軽蔑した。

だが実はモンティは破産状態で、モンティの生活費はミルドレッドから出ていた。

ミルドレッドはヴィーダとモンティの関係を切るためにモンティを切り捨てた。

だがヴィーダは乱れた生活を改めようとはせず、金持ちの息子と関係を持ち、さらに妊娠を偽装して示談金をせしめた。

ミルドレッドはヴィーダに注意したが居直ったため、ヴィーダを追い出した。

◆ モンティと結婚したが、

この間ウォーリーはパートナーから外れていたが、ヴィーダはウォーリーが経営する酒場で歌手として働いていた。

ミルドレッドはヴィーダを取り戻すためモンティと結婚した。モンティの屋敷を手に入れ、ヴィーダは戻ってきて、モンティはパートナーとなった。

ヴィーダは、これまで以上に派手な生活をし始めた。

◆ モンティが殺された

だがレストランの経営は傾き始めた。モンティはレストランの株を勝手に売っていた。

それを知ったミルドレッドはアルバートが残していた拳銃を持ってモンティの元に向かった。

モンティの部屋に入るとモンティとヴィーダが裸で抱き合っていた。ヴィーダは「モンティが愛しているのは私なのよ」と居直った。

ミルドレッドは拳銃を落として部屋から出た。

モンティがヴィーダに「お前と結婚する気はない」と言い放つと、ヴィーダはミルドレッドが落としていった拳銃でモンティを撃ち殺した。

ミルドレッドは銃声を聞いて戻ってきた。ヴィーダはミルドレッドに泣きついた。

◆ ヴィーダはあくまで卑怯

ミルドレッドはウォーリーの犯行に見せかけたが失敗し、警察に「自分が殺した」と告白した。

だが警察は高跳びしようとしていたヴィーダを空港で逮捕した。

ヴィーダは警察に連れてこられたが「殺したのは母親」と言い逃れした。

刑事はヴィーダを罠に掛けた。ヴィーダは刑事から「ミルドレッドがすべて話した」と聞くと、母親を罵倒した。これでかえってヴィーダの犯行が明らかになった。

ミルドレッドは迎えに来たアルバートに連れられて警察を立ち去った。
 


■ 出演作

アン・ブライス
(1951)サマルカンドのシャリマー姫/The Golden Horde
(1951)丘の上の雷鳴/Thunder on the Hill
(1951)私はあなたを忘れない/二つの世界に住む男/The House in the Square/I'll Never Forget You/Man of Two Worlds