「間諜」は第一次大戦、他は第二次大戦。「嵐の中で輝いて」は敵側が二重スパイ。
■ (1937)間諜/Dark Journey
出演はヴィヴィアン・リー、コンラート・ファイト。
到底スパイには見えないヴィヴィアン・リーが大活躍。時代設定は第一次世界大戦。
スイス人のマドレーヌ(ヴィヴィアン)はストックホルムの店でフランスから輸入した婦人服を販売している。
しかし実はフランス軍の情報をドイツに提供しているスパイ。いやいや本当はフランス人でフランスのスパイ。
フランスに商品を買い付けにいく。そしてフランス軍の動向を探ってドイツに渡す。しかしその動向は偽情報である。
偽情報を元にドイツ軍が動くのでドイツの作戦は失敗する。叱責されて表面的には謝るが、心の内ではニコニコ。これが本当の目的。
本作はあまりスパイ映画の様相を呈しておらず、恋愛映画のようである。
マドレーヌはドイツ人のマルイッツ(コンラート)と付き合うようになった。マルイッツは病気休暇でスウェーデンに来ていることなっているが、こちらも偽でドイツ軍の諜報部の将校。
マルイッツはマドレーヌがドイツ軍のスパイであることは知っている。しかし二重スパイであることは知らない。
マドレーヌはマルイッツに次第に恋愛感情を抱く。それでフランスに戻った時に上司に「この任務を下りたい」と言う。すると最後の任務として「ドイツの第八諜報部長が誰なのかを調査する」という指示を受ける。
戻ってマドレーヌはマルイッツと会う。ある事件からマルイッツが第八諜報部長であることが分かる。さらに感情の高まりから自分が二重スパイであることを明かす。
マドレーヌの店は偽装したドイツの諜報機関に襲われて誘拐されるが、危ういところで協力しているイギリスの諜報機関から助け出される。
船に乗ってスウェーデンを出国する。しかしその船はドイツの潜水艦に襲撃されて、乗り込んできたドイツ軍にまた逮捕される。ボートで潜水艦に向かう。
しかしイギリスのQシップが現れて潜水艦を砲撃。潜水艦は沈没してマドレーヌは助けられた。注、Qシップは民間船を偽装した武装船。
■ (1945)Gメン対間諜/The House on 92nd Street
こちらは第二次大戦。場所はニューヨーク。
出演はウィリアム・アイス、ロイド・ノーラン、シグネ・ハッソ。
ビル・ディートリッヒ(ウィリアム)はドイツ系アメリカ人の学生。卒業後、ナチスの組織から接触があり高給の仕事を提案された。
FBIに報告したところ、ブリッグス捜査官(ロイド)から「二重スパイに」と提案された。ビルはこの話を引き受けた。
ハンブルグに渡りスパイとしての訓練を受けて戻ってきて、ドイツの諜報組織の元で働いた。
組織はエルザ・ゲプハルト (シグネ・ハッソ)という女性が取り仕切っていたが、その上に立つクリストファーなる人物が不明であった。
ビルは別にアパートを借りて、彼らから依頼された情報をドイツに送信した。その内容はFBIにも流された。場合によっては情報は加工された。
FBIはナチのスパイのリストを作り上げていったが、依然としてクリストファーが誰であるかを掴めなかった。
しかしビルが二重スパイであることがばれて捕らえられて自白剤を飲まされた。
ビルが捕らえられたことを察知してFBIは出動する。組織は書類を処分して逃亡しようとした。そしてエルザが消えた。
FBIの部隊が突入した。激しい銃撃戦。死体の中に男装した女性があった。エルザがクリストファーであった。
■ (1992)嵐の中で輝いて/Shining Through
ニューヨークのユダヤ人のリンダ・ヴォス(メラニー・グリフィス)は弁護士事務所に就職した。上司はエド・リーランド(マイケル・ダグラス)。
この事務所は表向きは弁護士事務所だが、ドイツに潜入したスパイの支援を行っていた。さて問題が発生した。ドイツは目標を自動的に追尾する爆弾(今日でいえばスマート爆弾)を開発・製造しているようである。その工場の場所を知る必要がある。そしてその情報を追って潜入していたスパイが惨殺された。
事態は緊急である。素人のリンダが潜入することになった。カメラの使い方だけを習得してスイス国境から侵入した。ベルリンにいる親戚のことも心配であった。
潜入後、二人の支援者と接触した。一人は魚屋。もう一人はマーグリート・フォン・エバースタイン(ジョエリー・リチャードソン)。
手筈通りにナチス幹部の集会にメイドとして潜入した。しかし料理に失敗して解雇された。
夜道をトボトボと歩いていると、集会にいた軍人が車で通りかかった。その軍人の家に雇われた。フランツ=オットー・ディートリッヒ(リーアム・ニーソン)。この時点でエドとの連絡が途切れた。
エドはパレードに参加しているディートリッヒのそばにいるリンダを確認した。
さて偶然ディートリッヒ家の地下室に、その爆弾の図面があるのを発見して写真に収めた。
魚屋に連絡を取ったが「もうここは危険だ」と断られた。次にエバースタインに連絡を取った。エバースタインの屋敷に連れてこられた。
しかし彼女は二重スパイであった。屋敷の中で格闘になり、かろうじてエバースタインを刺し殺した。しかし力が尽きて倒れた。
その時ドイツに潜入してきたエドが現れた。エドはリンダを連れてスイス国境に向かった。
■ 出演作
◆ ロイド・ノーラン
(1945)Gメン対間諜/The House on 92nd Street
(1945)ブルックリン横町/A Tree Grows in Brooklyn
(1947)湖中の女/The Lady In The Lake
(1940)私はナチと結婚した/The Man I Married/I Married a Nazi
(1941)裁判証人護送作戦/Sleepers West
◆ ヴィヴィアン・リー
(1937)間諜/Dark Journey
(1937)茶碗の中の嵐/Storm in a Teacup
(1939)風と共に去りぬ/Gone with the Win
(1940)哀愁/Waterloo Bridge
(1940)美女ありき/Lady Hamilton/That Hamilton Woman
(1948)アンナ・カレーニナ/Anna Karenina
◆ マイケル・ダグラス
(1984)ロマンシング・ストーン/Romancing the Stone
(1985)ナイルの宝石/The Jewel of the Nile
「危険な情事/Fatal Attraction(1987)」
(1989)ローズ家の戦争/The War of the Roses
(1992)嵐の中で輝いて/Shining Through
The Sentinel(陰謀の星条旗)
(1992)嵐の中で輝いて/Shining Through
(1945)Gメン対間諜/The House on 92nd Street
(1937)間諜/Dark Journey