■ The Good Fairy
ルイーザは孤児院で育ったが映画館の案内係になった。
コンラッドという富豪と知り合い、結婚を申し込まれた。しかし「結婚している」と嘘を言った。
コンラッドが「相手は誰だ?」と言うので電話帳から探して「弁護士のスプラム」と言った。
コンラッドはスプラムを自分の会社の顧問として採用した。スプラムは貰った前金で大量の買い物をした。
ルイーザもおこぼれに預かったが、コンラッドに真相がばれた。
しかしコンラッドはスプラムとの契約は解消せず、スプラムとルイーザは結婚した。
 


製作年:1935、監督:ウィリアム・ワイラー、脚本:プレストン・スタージェス、原作:フェレンツ・モルナール


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ルイーザ・ギングルブッシャー(マーガレット・サラヴァン)
 Dr.シュルツ(Beulah Bondi) 孤児院の管理者
 デトラフ(レジナルド・オーウェン) ウェイター
 コンラッド(フランク・モーガン) 経営者
 マックス・スプラム(ハーバート・マーシャル) 弁護士
 


■ あらすじ

◆ ルイーザは案内係になった

ブダペスト。ルイーザ・ギングルブッシャーは市立女子孤児院で育った。

一番年上なので下の子供の面倒をみたりしている。しかしイタズラをして叱られたりもしている。

孤児院に映画館の経営者が訪問してきた。案内係として働く子供を紹介してほしいとのこと。

管理者と経営者は簡単に話した後、子供たちがいる部屋に入ってきた。

ルイーザが天井からロープでぶら下っていてドスンと床に落ちてきたところだった。入ってきた二人を見て、みんなは慌てて直立した。

経営者はルイーザを指さした。ルイーザはみんなに見送られて孤児院を去った。

◆ ルイーザはバーティに誘われた

映画館では10人くらいの若い女性がいて、お客を案内している。まだ慣れないルイーザもなんとか仕事をこなした。

仕事が終わって町を歩いていた。ある男性がルイーザに声をかけた。悪気はなさそうであるがルイーザは断った。

でもしつこく誘ってくるので「私、結婚してるんです」と言った。そして映画館で案内した男性が歩いてきた。

ルイーザはその男性に駆け寄って腕を組み「この人が夫」と言って断った。

その男性はデトラフ。二人で喫茶店に行った。わりと話が合った。デトラフは、あるホテルで行われるパーティの招待券をプレゼントしてくれた。

◆ ルイーザはコンラッドにプロポーズされた

ルイーザは映画館からドレスを借りてパーティに出かけた。

入り口では、たくさんの立派な服装をした人々が入っていった。ルイーザの見かけが若干みすぼらしかったせいかは不明だが入り口で止められた。

しかし招待券を見せると中に入れてくれた。デトラフがいた。ルイーザは駆け寄って話しかけた。実は彼は招待客ではなく、当ホテルのボウイだった。

デトラフは「ボウイには話しかけるな」と言った後、いくつかの注意事項を述べた。ルイーザはあるテーブルについた。

ある紳士が寄ってきて話しかけた。コンラッド。立派な会社の経営者らしい。

コンラッドは熱心に話しかけた。ルイーザはこのようなところで話すのには慣れておらず、おずおずと話した。

コンラッドはしばらく話した後、なんとルイーザにプロポーズした。年はかなり離れているが、独身らしい。

困ったルイーザは同じ手を使った。「私、結婚してるんです」。するとコンラッドは「どこの誰だ?」と聞いてくる。

コンラッドが用事で席を外したすきに、ルイーザは電話帳を調べて「エイッ!」と適当に決めた。マックス・スプラムと言う弁護士。

◆ 弁護士のスポラムはコンラッドを雇った

スプラムは自宅アパートを事務所にしている。スプラムは正直を通してきた弁護士、すなわち貧乏な弁護士である。我々から見ても、いかにも儲かっていなさそうな弁護士である。

コンラッドは南アメリカの会社と取引している。それでルイーザの夫を南アメリカに追い払おうと思ったらしい。

コンラッドが来て天下り的に「自分の会社と五年間の顧問契約」と切り出した。

コンラッドの素性を疑うが、ともあれ顧問契約と一時金を貰った。

◆ ルイーザとスポラムは買い物をした

ルイーザはスプラムに会いに行った。スポラムのアパートには、机や敷物、家具などでいっぱい運び込まれていた。もちろんコンラッドから貰った金である。

ルイーザはスポラムに本当のことを言って謝ろうと思ったのだが、あまりに喜んでいるスポラムに本当のことを言えなかった。

二人は出かけてルイーザのコートとキツネの毛皮のストールを買った。

ルイーザとコンラッドは約束していたので、またホテルで会った。

そこにデトラフが現れてルイーザを非難した。

◆ ルイーザはスポラムに謝った

スポラムは、ルイーザを好きになっており、彼女と結婚するつもりである。

ここからがかなりのドタバタの展開となる。ルイーザ、デトラフ、コンラッドがスポラムの事務所に集合する。

怒号が飛び交うが、コンラッドはスポラムとの契約を維持することを約束する。

◆ ルイーザとスポラムは結婚した

スポラムとルイーザの結婚式が、ルイーザがいた孤児院で行われた。
 


■ 補足

私が持っているDVDの邦題は「お人好しの仙女」という奇妙なものである。なので邦題は勝手に変更している。

「Fairy」とは日本語言えば「妖精」。「Angel/天使」との対比で簡単に説明する。両方とも性別はない。

「Angel/天使」は神の使いであって、善の存在、天上の存在。キリスト教的な存在。

「Fairy/妖精」は人間の姿をした精霊、善悪は無関係、地上の存在、非キリスト教的な存在。
 


■ 出演作

◆ レジナルド・オーウェン
「心の旅路/Random Harvest(1947)」
「三銃士(1948)」
「嵐の三色旗(1935)」
「アンナ・カレニナ(1935)」
(1945)海賊キッド/Captain Kidd
「善意の妖精/The Good Fairy(1935)」

◆ ハーバート・マーシャル
「月光の女/The Letter(1940)」
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1952)天使の顔/Angel Face
(1947)高い壁/High Wall
「善意の妖精/The Good Fairy(1935)」