■ One Million Years B.C.(1966)/部族を離れて放浪する二人。恐竜、部族間の抗争、火山の爆発


製作:1966年、脚本:ミッケル・ノバック他、監督:ドン・チャフィ、日本語DVDあり   予告編   予告編


■ はじめに

百万年前には、すでに恐竜はいなかったはずだが、本作では恐竜との対決が描かれる。まだ人類は言葉を持ってない(ことになっている)ので、本作にはセリフがない。叫び声とかうめき声はある。かと言ってナレーションがあるわけでもない。注、冒頭にほんのすこしだけナレーション。

しかしストーリーは分かりやすい。セリフがないので、人名や部族名は映像を見ている限りは不明。他のレヴューには部族名が書いてあるが、パンフレットに書いてあるのだろうか?人名は最後にキャスト紹介があるので、それと照らし合わせれば分かる。

本作には二つの部族(グループ)が登場する。上記のように映像からは分からないので、AグループとBグループとしておく。

ストーリーをばっさりと要約するとAグループに属するトゥマク(ジョン・リチャードソン)とBグループに属するロアナ(ラクエル・ウェルチ)がグループを離れて放浪する物語である。どうせフィクションなので、この過程で二人のキスシーンがあってもよいと思うが、残念ながら見ることはできない。

男性は髭ボウボウ髪バサバサ顔マックロの原始人らしい風貌であるが、女性はきれいにセットされたような現代風な髪型で顔も汚れていない。ブラはちゃんとしている。しかし口紅やイヤリングはしていない(笑)。

恐竜の名前は調べたが、間違っているかも?
 


■ あらすじ

◆ トゥマクとロアナが出会うまで

Aグループは狩りの時に他のメンバーが崖から落とす、穴に落ちたメンバーを助けない。また獲得した食料は奪い合いをする。そのようなレベルである。

またAグループでは、リーダー格の二人がことあるごとに勢力争いをしている。後ほどリーダーの一人がもう一人に崖から落とされる。そして後で戻ってくる。しかしケガをしており、足を引きずっている。

トゥマクは食料の奪い合いに絡んで襲われて崖から落ちた。

トゥマクは荒野をさまよった。巨大トカゲに追いかけられ、洞窟の中で類人猿を見かけ、長い首の巨大なブラキオサウルス(草食恐竜)に出会う。また焼けつくような太陽の光。

さまよって海が見えるところまで来た。トゥマクは海を見たことがなかったらしい。その美しさに感動した。しかしここで体力が尽きて倒れてしまった。

海辺では、Bグループの女性たちがモリで魚を取っていた。その中の一人ロアナが倒れているトゥマクに気がついて近寄ってきた。ロアナはその中のリーダーのようで、他の女性たちにいろいろと指示を出す。

ここで巨大カメが現れた。ロアナがホラ貝を吹いて助けを求めると、男性たちがヤリを持って助けに来た。ヤリを突いたり投げたり、石を投げたりするがカメはびくともしない。もともとカメは攻撃する意図はなかったようで、悠然と海の中に姿を消した。

◆ Bグループ離脱まで

トゥマクはBグループが住んでいる集落に連れていかれた。寝床に横たわせられて、ゆっくり休んだ。

Aグルーブのような殺伐とした雰囲気とは違っている。いろいろと共同で作業をしている。各種の道具がある。ロアナが食べ物をきちんと皿に乗せて持ってきた。食べ終わるとヤリを見せてもらった。Aグループもヤリは使うが、こちらのものは先が加工されていて鋭くとがっている。それと投げヤリとしても使用する。外に出ると畑があって作物を栽培している。みんなAグループにはなかったことである。

子供たちが木の実を取ろうとしていたので、トゥマクが木に登って枝をゆすると木の実が落ちてきた。子供たちは喜んで木の実を拾った。次に一人の子供を抱えて木の上にあげた。その子も木をゆすって木の実を落とした。池では女性たちがモリを使って魚を取っている。トゥマクは不思議そうな顔。トゥマクもモリを使ったが、失敗して水の中に倒れたので、女性たちが面白がった。

ここで突然アロサウルス(肉食恐竜)が襲ってきた。子供たちを避難させて男性たちがヤリを持って出てきた。トゥマクも一緒に戦った。やられそうになったが、トゥマクがアロサウルスをヤリで突き刺して倒した。この戦いで死亡したメンバーを穴を掘ってきちんと埋葬した。

トゥマクは、このヤリが欲しくなったようである。洞窟の中に置いてあるヤリをこっそりと取って隠した。しかし見つかって殴り合いとなった。そのようなことがあったので、トゥマクはBグループから出ていくことになった。ここでリーダーがヤリをプレゼントしてくれた。いったんは遠慮したが、ありがたくそれを受け取って旅立った。

ロアナが追いかけてきて、二人で旅をすることになった。

◆ 恐竜の決闘

Bグループを離れたので、二人は荒野をさまよった。ロアナが涙を流したので、涙と言うものを見たことがなかったトゥマクは不思議な顔をした。

洞窟に入った。類人猿が何人も来たので上に登ってやり過ごした。彼らは仲間割れをして殺し合った。

トリケラトプス(草食恐竜)とティラノサウルス(肉食恐竜)の戦いに遭遇した。二人のほんの近くで、危うくとばっちりを受けそうになるが、そばにあった穴に逃れた。ちなみにこの対決はトリケラトプスの勝利。ティラノサウルスはひっくり返ってピクピクと痙攣状態。

◆ Aグループへ

恐竜同士の戦いで、二人がちょっと離れてしまったところで、ロアナはAグループ数名に遭遇。包囲されてやられそうになった。ロアナはまたホラ貝を吹く。注、他の場面ではホラ貝を持っているようには見えないが(笑)。トゥマクが駆けつけてロアナを守って戦う。いやロアナもけっこう戦う。

補足しておけば、すでにAグループは分裂状態。襲ってきたのは先の場面で崖から落とした方のリーダーのグループ。こちらをA-Aグループとしておく。

この戦いはトゥマク+ロアナの勝利。A-Aのリーダーは負傷した。

二人は彼らとAグループの洞窟に行った。中には崖から落とされたリーダーが、まだ回復していないようで横たわったいた。こちらをA-Bグループとしておく。

中でロアナとある女性が格闘になる。みんな見ている。ロアナの勝ち。ロアナは石を渡される。処刑しろとのこと。これがAグループのルールらしい。しかしロアナは処刑しない。ロアナはグループのメンバーとして認められた。ロアナはつけていたネックレスをある女性にプレゼントする。

しかしここでAグループが分裂して、A-Bグループがでていく。二人はA-Bグループと行動を共にする。トゥマクはBグルーブで習得したいろきろなことを教える。ロアナもいろいろ教える。

A-Bグループの女性たちが池の近くでいろいろ作業している。何かを作ったり洗ったりする。これもBグループの知識。ロアナが池で泳ぐ。楽しそう。最初は不思議そうに見ていたが、みんなも泳ぐ

◆ ロアナが翼竜にさらわれる

しかしここで大大大事件。とつぜんプテラノドン(翼竜)が飛んできてロアナをさらった。トゥマクがヤリを投げたが当たらない。ロアナを足で掴んで、沖合にある島のプテラノドンの巣へ飛んで行った。巣の中では子供が口を開けている。

そこにもう一羽のプテラノドンが襲いかかった。鋭い嘴と爪で攻撃する。激しい戦い。ロアナを捕まえていたプテラノドンは、やむなくロアナを海上に落として爪も使って反撃した。この争いの結果は襲った方のプテラノドンの勝ち。そして次は、最初のプテラノドンの子供が襲われた。もし敵のプテラノドンが襲ってこなければロアナは子供の餌食。感謝。

さて我らのロアナは、なんとか岸に泳ぎ着いた。しかし怪我もしており疲労困憊。岩の陰に倒れ込んだ。

ロアナを心配して探し回っていたトゥマクは、近くまで来たが、岩の陰にいるロアナに気がつかずに立ち去ってしまった。


◆ ラスト

ロアナが傷ついてBグループの近くに戻ってきた。フラフラしながらやっと歩いている。みんなが駆け寄ってきた。みんなはロアナを連れ戻そうとするが、ロアナは別の方向に誘導しようとする。ロアナの求めに応じてみんなはヤリを持ち出して、ロアナと一緒に歩いていく。注、もうここではロアナはぴんぴんしている(笑)。

岩山の上にいたトゥマクが、ロアナ一行を発見した。二人は抱き合う。トゥマクは一緒に戦ってくれと要請し、一行はトゥマクが指差した方向に急ぐ。

A-AグループがA-Bグループを襲撃しようとしている。そこにBグループ一行が到着してA-Bグループを助ける。入り乱れて乱闘状態になる。注、先の場面ではA-Bグループが出ていったはずだが、ここでは逆にA-Bグループが元の洞窟にいる。

そしてA-Aグループのリーダーが倒れ込んだところへ、トゥマクが大きな石を頭の上に落とそうとする。まさに落とそうとした瞬間に火山が爆発する。

火山から火と岩石が吹き上げ、地滑りが発生する、地面は揺れて割れる。みんな逃げ惑う、飛んできた岩石に当たり、崩れた崖の下敷きになり、割れ目に吸い込まれる。多くの死者が出る。

最後。ここからセピアになる。生き残った両グループのメンバーは、トゥマクを新しいリーダーとして出発する。
 


■ 蛇足

ロアナと決闘したマルティーヌ・ベズウィックとトマク役のジョン・リチャードソンは、本作の共演で知り合い結婚したようである。

 

ラクエル・ウェルチ
(1966)ミクロの決死圏/Fantastic Voyage
(1970)マイラ Myra Breckinridge
(1968)バンドレロ/Bandolero
(1973)三銃士/The Three Musketeers
(1977)王子と乞食/Crossed Swords
(1968)セメントの女 Lady in Cement
(1968)百挺のライフル/100 Rifles
(1971)女ガンマン 皆殺しのメロディ/Hannie Caulder
(1972)カンサスシティの爆弾娘/Kansas City Bomber
(1976)走れ走れ救急車/MOTHER, JUGS & SPEED
(1966)恐竜百万年/One Million Years B.C.