【デヴィッド・ボウイ】No.11 ロウ 紹介 | アート荘DayDream事務所

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立て続けにBowieの記事ですみません。

この記事では、デヴィッド・ボウイ11枚目のアルバム

【Low(邦題:ロウ)】

のアルバムの中身を紹介していきます!

 

 

 


Bowieのアルバム一覧記事はコチラ

 
 

さて、前回は5枚目のアルバム【ジギー・スターダスト】の中身紹介をしました。
 

なぜ、飛び飛びで今回は【ロウ】の紹介?

 

っていうのはですね、

 

今年は【ロウ】が発表されてから45周年でもありますし、

 

神アルバムだからですwww

 

 

Bowieファンには主に、グラムロック期ファン、ベルリン3部作ファン、レッツダンス期ファン

 

って分けられる傾向にあります。

 

もちろん90sから入ったファンも多いのですが、

 

主には前記の3つに分けられることが多いです。

 

このアルバム【ロウ】はベルリン3部作に当たり、

 

音楽業界にジギー・スターダストと並ぶくらい影響力のある傑作として紹介されることが多いです。

 

 

だからジギスタの次はこれを紹介しようって決めていました。

 

 

 

アルバムの概要

 

1977年に発表されたBowieの11枚目のアルバム。

(ウィキには10枚目ってなってますが、なぜwww 何度数えても11枚目です!!)

 

ベルリン3部作と呼ばれている作品の1発目です。

 

当時Bowieは、薬物依存脱却も兼ねてベルリンに移住しました。

 

そこで3枚のアルバムをブライアン・イーノイギー・ポップと共に作成。

 

だからベルリン3部作と呼ばれています。

 

 

ブライアン・イーノという人は、今ではアンビエントミュージックを開拓した偉大な人です。

最初はグラムロックグループ【ロキシー・ミュージック】のシンセ担当をしていたことでも知られています。

 

Bowieとはただの仕事仲間ではなく、親友という間柄です。

 

イーノはシンセ、電子音楽を駆使する人ですので、

 

このアルバム【ロウ】では、そういった音をふんだんに使っていて、

 

後のニューウェーブに大きな、とてつもなく大きな影響を与えたアルバムでもあります。

 

日本のテクノ界でもかなり重要なアルバムです。

 

坂本龍一さんが所属していたYMO平沢進さんなどにも大きな影響を与えています。

 

 

イギー・ポップという人物は、パンクミュージックのゴットファーザーと呼ばれるアメリカの偉人です。

ザ・ストゥージズ】という過激なバンド出身でも知られています。

 

この人もBowieとはただの仕事仲間ではなく、親友という間柄です。

 

イギーと言えば、過激なパフォーマンスで有名で、パンクでも有名ですが、

 

後のニューウェーブでも、パンクなニューウェーブバンドが多かったです。

 

イギーが関係しているのか、ピストルズのジョン・ライドン氏の影響があるのかはわかりませんが、

 

とにかく、繋がりはありそうですね。

 

ベルリン時代にBowieとの共作で作った【ロウ・パワー】というアルバムはイギーを復活させるヒットとなりました。

 

 

【ロウ】が傑作と言われる所以は、これらの参加アーティストの影響も強いです。

 

 

ちなみにドイツミュージックは電子音楽系に長けてます。多分、電子音楽でドイツに勝てる国はないでしょうw

 

ベルリン移住はそういうことも加味してたのかもしれませんね。

 

だとしたらイーノさんが、薬物沼にハマってたBowieとイギーの手を引いて新境地に3人で住んでみたっていう画もイメージできちゃいますw

↓こんなイメージw

 

 

では、早速楽曲の紹介に入ります。

 

※僕は普段歌詞を見ないので、歌詞無視した解説してるものもありますのでご了承ください。

基本的には歌詞よりも、音の解説に傾くと思います。

 

※注意なのですが、Bowieはカメレオンアーティストって呼ばれるぐらい、

毎度ビックリするぐらいアルバムの特徴が変わります。

前回の記事で書いた【ジギー・スターダスト】は一回忘れて聴いてくださいw

 

 

 

 

1.Speed of Life (邦題:スピード・オブ・ライフ)

 

なんてかっこいいイントロでしょうかw

電子音楽で構成されているアルバムなんだと一発で思い知らされる1曲目です。

歌はありません。

インストゥルメンタルでこのアルバムは始まります。

インストはつまらないとお思いの方、訂正してくださいw

ビリビリとしたベースやドラムに代わる打ち込みパーカッションの音はまさしくと言った所で、

80年代以降に強く影響を与えたことがよくわかります。
この曲77年の曲ですから、時代を先取っていますね(見方によっては時代を作ったとも言えますかね)。

 

 

2.Breaking Glass (邦題:壊れた鏡)

 

この初期なシンセの音がたまりません。

あとベースのビリビリ感ね。

今のテクノ系から派生したダンス系やハウス系はガチャガチャしてて好きじゃないです。

ただただ「うるせえ」ってなっちゃってついていけません。

このぐらいシンプルが僕には好ましいのであります。

ボーカルも生声であるがゆえに、

テクノロジーと自然の共存の美しさを感じ取れるんだと僕は想います。

ホントわくわくしちゃう楽曲だよなーこれ。

 

 

3.What in the World (邦題:ホワット・イン・ザ・ワールド

 

このピコピコ音を聴いてくれよ!w

ベースも相変わらずビリビリしてるし、昔のゲーム音楽みたいなこの感じ!

レトロゲーム好きな人は好きになってくれるのではないのでしょうかね。
このアルバムの中でも特に遊んでみた感がある楽曲です。

カルロス・アロマーのギターも光っておりますね(・∀・)

薬物なんかよりも楽しいことを見つけたBowieさんなのであった。

Bowieをこんな楽しい世界に引き込んでくれてありがとうブライアン・イーノ。

 

 

4.Sound and Vision (邦題:サウンド・アンド・ヴィジョン)

 

この曲からの3曲は、NMEが選ぶBowieの究極の名曲40選に入ってる楽曲になります。

中でもこの曲は、特別感ありますね。色んな人がカヴァーしてますし、

ベルリン滞在がいかに爽やかで新鮮で楽しかったっていうような楽曲となっております。

切れ切れな打ち込みパーカッションにビリビリ音なベース、幻想的なシンセサイザー、

Bowieのサックスに特徴的な歌声。良い意味で古臭いコーラス。

繰り返しのメロディという構成は、Bowieの楽曲に多いのですが、

どの曲も飽きることがなく、この曲も例外ではなく、

むしろ中毒になるタイプの繰り返しメロディなんですよね。

たまんないですよね~!

 

 

5.Always Crashing in the Same Car (邦題:いつも同じ車で)

 

からのこの退廃的なメロディのこの楽曲。少し退屈な変わらない毎日って感じ。

この感じたまらんですね。アメリカンロックでは出せない味だと思います。

こういうのは、ヨーロッパ的です。

どことなく、初期のロキシー・ミュージックっぽさがにじみ出ているのは、

ブライアン・イーノの影響がデカいと思います。

うん、てか、改めてこう聴いてみると、メッチャ初期のロキシーっぽいw

そこが良いんだよなあ、そこがっ!

 

 

6.Be My Wife (邦題:ビー・マイ・ワイフ)

 

いや~、公式チャンネルのものだけを貼り付けようって決めてたら、

MVの方が出てきちゃったので、こっち貼り付けますねw音源ままですし。

音の方で文章書きたかったのですが、これは映像を突っ込まざるを得ないでしょうw

サウンド&ヴィジョンですよ、ええ。Bowieは楽曲に映像付けたら魅力倍増しますよ、ええ。

あの~、まず、この時は薬物は絶っていたと思います。

ですが、バリバリ中毒者みたいな見た目wまあこれは後遺症みたいなもんってことにしておいてください。

薬物脱却の為にベルリン行ってたはずですから。

当時30歳だったはずなんですが。。。薬物は怖いですね。

楽曲に関してですが、このアルバムで一番ロックな感じだと思います。

力強い演奏でかっこいいです!

 

 

7.A New Career in a New Town(邦題:ニュー・キャリア・イン・ニュー・タウン

 

新しい仕事を新しい町で。

A面のラストがこの曲になります。

レコードのアルバムのおけるA面B面のこだわりというのは、前回の記事に書きました。
A面ラストに相応しい楽曲だと思います。インストで始まってインストで終わるというね。

そして、タイトルにも合っていますよね。

これからこの町で仕事をしていくぞ!っていうのが伝わってきます。

歌詞がなくても音だけで伝えるというのは、芸術ですよね。

絵画なんかも説明がないけど、心情が伝わってきます。

それが芸術なんだと僕は思っています。

 

 

8.Warszawa (ワルシャワの幻想)

 

B面はこんな暗い曲で始まりますw B面はアート性が高いです。

QUEENの名盤、アルバム【QUEENⅡ】では、

A面がホワイトサイドと呼ばれ、B面がブラックサイドと呼ばれています。

A面に明るくポップなものを持ってきて、B面に重々しいものを持ってくるという手法ですね。

【ロウ】における、A面B面は当時のドイツにおける二面性を表現しているんだと思います。

A面とは、全然雰囲気が変わります。同じアルバムなのにw

当時のドイツはまだベルリンの壁が存在しており、西ドイツと東ドイツで分断されていました。

当時のBowieにはとても刺激になったはずですし、転機にもなったはずです。

色んなことを想い、色んなことを学んだのでしょうね。

そんなことを徒然と想いながら聴ける楽曲です。

 

 

9.Art Decade (アートの時代)

 

アートだとか芸術だとかいっぱい書いちゃってからのこの楽曲ですがw

すみません、全然狙ってなかったですw

僕は、結構曲のタイトル覚えないタイプなんですよ。それに関してはすみません。

この曲も例外ではなく、今タイトル知ったって感じでビックリしちゃったんでw

この退廃的かつ幻想的な感じの楽曲は僕にはツボですね。

インスト曲ですが、むしろインストの方がその雰囲気が伝わってくるっていうのは実際ありますよね。

【歌詞が邪魔になる音楽】というものもあるんですよ。

【木星】というホルストのクラシック音楽があるじゃないですか?

僕はあの曲が好きで、歌なんていらないと思ってたんですよ。

だから、平原綾香さんのあの曲にはガッカリした思い出があります(^_^;)

個人的にはああいうのは勘弁してほしかったりしますね。。。

歌詞いらないのに付けちゃうのは、いくら歌唱力あっても歌詞が良くても大抵の場合は原曲壊しになります。

 

 

10.Weeping Wall (嘆きの壁)

 

ああw そうか、やっぱり当時のドイツの二面性をA面とB面に分けたんですね。

このアルバムを紹介してる他の記事とかインタビューとかでも、そう解説してるかもですね。

すみません、僕はそういうのはあまり読まないタイプなので💦

これまで音楽だけ聴いてBowieの人間性とかを感じ取ってたので。

2曲目でだいぶ確信したのですが、この楽曲のタイトルで間違いなくって今思いましたわw今てw

この曲、嘆きの壁っていう曲だったのか(曲名覚えられない人間の新たな感動)。

実はこのアルバム、1日中ループ再生してたほど聴き込んでなくてですね。

こう改めて聴き通して気付いたものが多かったりします。

それにしても暗い、暗いぞドイツ!

コーラスは入ってますが、こちらもインスト曲です。

神アルバムって呼ばれるのも納得なアルバム構成だと思います。

 

 

11.Subterraneans (サブテラニアンズ

 

ラストはこの楽曲です。

後味っ!!えっ!?後味!!

って思った方は、A面に盤をひっくり返して聴き直してくださいw

当時のドイツの現実を表しているアルバム構成になっているなと感じました。

ちなみに、B面は、A面とは逆に、歌ありで始まって歌ありで終わっていますね。他はインスト曲でした。

面白いなあと。メチャクチャこだわってますね。

神アルバムです確かに。

日本のアーティストで、アルバムにここまでこだわる人って少ないのではないでしょうか?
特にメジャーの人たちには、ほぼ居ないんじゃないでしょうかね。

インディーズには自由に作品を作れますから全然居そうですけど。

そもそも海外とは売り方が違いますからね。

 

 

 

 

~余談~

 

以上です。

 

前回も書きましたが、

 

日本と海外では、アルバムとシングルのどちらを重視するかが逆です。

 

日本では、シングル重視で、シングルをまとめたのがアルバム。

 

海外では、アルバムから単体でも売れそうなものをシングルカットして売ります。

 

今は違うかもですが。

 

だから、洋楽には名盤のアルバムが沢山存在するわけですね。

 

 

このアルバムが神アルバムと呼ばれてることには、納得しざるを得ません。

 

コンセプトアルバムではありませんが、物語がしっかりあると感じました。

 

前回紹介した【ジギー・スターダスト】はBowieがキャラクターを作ってそのキャラにまつわる物語を

 

アルバムにして世に放ちましたが、

 

このアルバムは、次回作の2作品を合わせて自分のベルリン滞在記を音楽として書いた。

 

そんな感じですね。

 

なんか本を読んだかのような感覚になります。

 

 

なんで音楽を聴いたはずなのに、本を読んだ感覚になるんだよwとw

 

改めてBowieの凄さを感じた次第です。

 

素晴らしい作品をありがとう。

 

 

 

 

~おまけ~

 

さて、今回もこのアルバムのボーナストラックを紹介します。

 

前回のジギスタでは、シングルB面で、アルバムに入ってない楽曲(EMIの再発盤でボーナス・トラックとして収録された)を紹介しましたが、

 

今回のロウでは、EMIの再発盤のボーナス・トラックとして収録された、未発表曲を紹介します。

 

シングルB面ではなく、未発表曲です。

 

 

 

12.Some Are (邦題:サム・アー)

 

 

正直、僕はボーナストラック付きの音源やベルリン3部作の海賊版を所持していませんので、

この楽曲はほぼ初聴きになります。

でも、なんとなく聴いたことがある感じなので、どっかで耳にしたんだと思います。

B面に入ってそうなノスタルジックな楽曲。

囁きボイスで歌われていますね。

なんて切ない楽曲なのでしょうか。

今、ウクライナがロシアに侵攻されてしまってますが、

それを連想してしまいました。

歌詞を調べてないのでわかりませんが、連想してしまうような楽曲なのでしょうか。。。

 

 

13.All Saints (邦題:聖者)

 

おお、これはまた。

すみません、多分僕これ初聴きですね。

今凄く新鮮な感覚で聴いてます。

インストですね。

これもまた、どっかしら初期のロキシーを彷彿させます。

ノイズミュージックぽい感じですね。

なんだろ、聖者。。。?

なぜ聖者?どういうことなんだろう。

あまり聖者って匂いのしない楽曲ですね。

う~ん、面白いなあ。

Bowieって考察させる系のアーティストでもありますから。

これは面白いですね。

皆さんはどう感じましたか?

 

 

 

 

さて、以上ですね。

 

このアルバムでは、ライブは行われていないはずですので、

 

今回はライブCDとDVDの紹介は割愛させて頂きます。

 

多分ライブは78年までお預けです。

 

僕の記憶では、78年までお預けですw

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

ベルリン滞在記三部作はまだ続きます。

 

次回作【ヒーローズ】も名盤として知られています。

 

ヒーローズの方が一般的には聴きやすいアルバムになっていますので、お楽しみに。

 

 

【ロウ】というこのアルバムは、エンタメ性よりもアート性が高い作品です。

 

 

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