最近Bowie関連の記事ばかりですみません。
この記事では、デヴィッド・ボウイ12枚目のアルバム
【"Heroes"(邦題:英雄夢語り (ヒーローズ)】
のアルバムの中身を紹介していきます!
さてさて、前回は【ロウ】を紹介して、その前は【ジギー・スターダスト】を紹介しましたが、
今回はロウの次のアルバム【ヒーローズ】を紹介します。
ヒーローズも1977年発表されたアルバムで、今年は45周年になります。
前作ロウと同じ年に発表された、これまた名盤で、ファンに根強い人気があります。
ベルリン三部作の二作目になりますね。
【ロウ】は実験的な要素が強かったのですが、
こちらのアルバムは【ロウ】よりもロックで聴きやすい感じになってるという印象です。
もしかしたら、名曲【ヒーローズ】は、日本人でも耳にしたことがある人はいるかもしれません。
多分イギリス人だったら、みんな知ってるんじゃないかなと信じてますがw
ブライアン・イーノやイギー・ポップが制作に加わってることは、
前回書きましたので、割愛させていただきます。
更にこのアルバムでは、Bowieの盟友プロデューサー、トニー・ヴィスコンティも制作に加わっております。
前回書き忘れていましたが、リードギターは、ロンソン以来のBowieの右腕カルロス・アロマーでございます。
では、早速楽曲の紹介に入ります。
※僕は普段歌詞を見ないので、歌詞無視した解説してるものもありますのでご了承ください。
基本的には歌詞よりも、音の解説に傾くと思います。ご了承下さい。
1.Beauty and the Beast(邦題:美女と野獣)
1曲目からして【ロウ】との違いがわかったのではないでしょうか。
この楽曲はどちらかというと、次回作の【ロジャー】に入ってそうな楽曲ですね。
美女と野獣をこういう感じで表現してるのは面白いですね。
歌詞調べてないので曲調だけで感じたことですが。
歌の方はラップ調です。70年代後半は結構こういうことやってますね、Bowie。
取り入れるの早いです。流石です。
かつ時代を感じられるから、なんか新しいんですよねぇ~。
この時代のBowieの音の代表的な楽曲って感じで好きです。
2.Joe the Lion(邦題:ライオンのジョー)
イントロからしてたまらん!
このアルバムの中でも特にカッコイイ楽曲だと思ってます。
これまた前作よりも次作寄りですね。
多分前作はテーマをハッキリさせたくて、
そのテーマにそぐわないこのような楽曲はこっちのアルバムに入れたんだと思います。
どっかのインタビューとか誰かの考察とかで語られてるかもしれませんけど。
前作はとても興味深くて、アート性が爆発していたアルバムだったのですが、
こちらのアルバムの方が一般受けが良いっていうのは、
聴いてみておわかり頂けるかと思います。
3."Heroes"(邦題:ヒーローズ)
収録音源ままの公式MVが公式チャンネルにありましたので、こっち貼ります。
名曲として知られるこの楽曲、もしかしたらBowieを知らない人でも耳にしたことがある人がいるかもしれません。
1987年に西ベルリンでこの楽曲を歌ったことが、ある種ベルリンの壁崩壊のきっかけになったと考えられていて、
2016年にボウイの訃報が報じられた後、すぐにドイツ政府から追悼のメッセージが伝えられたことは、ニュース記事にもなりました。
ドイツ政府は「あなたは今、ヒーローズの一員になりました。壁の崩壊に力を貸してくれてありがとう」と追悼しています。
伝説を残した偉大な曲なんですよこれ。
MVについてですが、この楽曲に合わせて、マイクも渡されず大きなアクションを起こすわけでもなく、
ただ立って語るように歌うこの姿を、皆様はどう感じますでしょうか?
ニコニコでは「研ナオコwww」というコメントが流れたりしてますが、それはスルーでw(言われてみればって感じですがw)
このMVもセンスが光っていますよね。
僕はこの楽曲は、こういうMVでシッカリ表現されていると感じます。
4.Sons of the Silent Age(邦題:沈黙の時代の子供たち)
次作ロジャーズを大きく超えて、もはやヒーザン(2002)やリアリティ(2003)に収録されてても違和感なさそうなこの楽曲。
時代飛び越しすぎだな~って思えますw てかヒーローズとヒーザンってなんとなく似た印象を僕は持ってます。
ヒーローズというアルバムは、役になりきって歌うという感じではなく、
素の彼自身の歌声で歌われているって感じがして良いですよね。
柔らかいメロディーに力強い歌声で歌っています。ん~Bowieっぽい。
すごいBowieっぽい曲です。
5.Blackout(邦題:ブラックアウト)
A面ラストの曲になります。
いやwかっこいいwww
A面はほとんどこのような感じで、かっこいい楽曲が詰め込められています。
ライブでも盛り上がりそうですよね。
前作ロウよりも一般受けできそうなアルバムでしょ?
多分、Bowie知らない人にもオススメしやすいアルバムだと思います
(僕は聴きまくり過ぎてそういう感覚がわからなくなってます)。
まずは、A面ってことでね。
6.V-2 Schneider(邦題:V-2 シュナイダー)
さて、ドイツテクノテイストが入った曲きましたね~。
B面はこれから始まります。
B面は、ほとんどインストゥルメンタル曲になります。
前作でもインストは沢山入っていましたが、どうでしょう?
コチラのほうがポップではないですか?
始めにドイツテイストと書きましたが、このアルバムは全体的にそういうテイストが加わっております。
この楽曲はわかりやすいですね。なんとなくクラフトワークっぽいと言いますか。
ドイツは、テクノ系強いですので、やはりベルリン滞在期はかなり影響を受けていたと思います。
ドイツミュージック好きな方にもオススメできるアルバムかと思います。
7.Sense of Doubt(邦題:疑惑)
からの突然前作ロウっぽい楽曲きましたね!
ドイツの歴史的に技術を発展させた栄光とそれと伴った黒くて悲しい面を表現したような、
アート性高い楽曲となっております。
これをライブでやっちゃうのが良いですよね。
これもまたBowieっぽいなーって感じさせられる楽曲です。
ちょっと60年代のBowie思い出しちゃいますね。
根本はやはり同じ人間ですから、カメレオンアーティストではありますが、
一貫して変わらない部分もあるわけで。それが個性でもあります。
8.Moss Garden(邦題:モス・ガーデン)
先程の楽曲から繋がってこの楽曲になります。
だいぶ癒やされ曲になりましたw
環境音楽と言って良いかと思いますが、やはりこの楽曲には
アンビエントミュージックの創始者、ブライアン・イーノの手が加わっております。
先程の楽曲にはイーノは手を出していませんから、違いがおわかりになると思います。
この楽曲には少し日本テイストも入ってますが、何か意味があるのでしょうかね?
とにかく癒やされます。
9.Neuköln(邦題:ノイケルン)
こちらもインスト曲となっております。タイトルがドイツ語で「ノイケルン?なんじゃ?」
って思ったので、インストだし、ちゃんと意味がわからないと読み解けないと思い、
調べてみたところ、ベルリンの南東部にある行政区のようです。地区ですね。
ノイケルンという地区は、戦後はアメリカの占領地だったようで、移民が多く、多様性の場所とも言われていたようです。
それで長いこと上手くいってたようで、ヨーロッパ賞を受賞したようですが、
2006年に移民関係で重大な問題が発生して結局「多文化主義政策は失敗した」と、今ではなってるようですね。
この楽曲がどこか不安げで退廃的なのは、もしかしたらそうなる運命がBowieには見えていたのかもしれません。
当時は政策は上手くいってたはずでしたからねぇ。そういう兆候もあったのかもしれませんね。
やっぱり移民が多いと、なかなかバランスが難しくなるのかなぁと。
移民問題は今でもちょくちょく議論されている問題ですからね。
そう考えるとメチャクチャ興味深い楽曲ですね!
10.The Secret Life of Arabia(邦題:アラビアの神秘)
このアルバムラスト曲になります。ラストは歌ありです。
この、なんでしょう・・・w
不思議なのですが、この曲やけに古臭く感じるぞw
かっけえですけどね。
このアルバムで唯一時代に乗ってる楽曲と言いますか。
77年のブラックミュージックテイスト入った感じがそう思わせるのでしょうけど。
そういう楽曲もポンとラストに持ってくることで(しかもB面)、
一気に現実に戻ったかのような感覚になります。
映画の試写会を観ていて、幕が下りたあと照明が優しく付いて、まぶしいまぶしいってなってる時に
「はい、ベルリン滞在記二部はここで終わりで~す。いかがでしたでしょうか。」
と司会者が袖から出て来た時のあの現実に引き戻される感覚w
わかるかな・・・?w
そんな感じになりましたw
~余談~
さて、このアルバムはここまでですが、いかがだったでしょうかね~。
A面とB面の使い分けですが、このアルバムでも顕著に出ていたと思います。
あ、こんなに違う?ってなったと思います。
初心者さんにはA面、玄人さんにはB面って感じで、なかなか面白いアルバムだと思いますよ。
なので、Bowieをあまり知らない人に勧めるならコレ!って言えるのかもしれません。
Bowieの個性もシッカリ入ってますし、以前のBowieも以降のBowieもこのアルバム1枚で感じ取ることができますから。
名盤ですしね。
あと、そうそう、大事なこと書いてなかってんですが、
このアルバムジャケット(白黒で奇妙なポーズしてるやつね)、
撮影者は日本人の鋤田正義さんです。
他にも素敵な写真を沢山撮ったのですが、Bowieはこの写真にビビッときたようです。
結構ネタにされて、色んな人がこのポーズ真似したりします。
インパクトは強いですよね、どんな意味があるのかは、誰もわかりませんがw
ちなみにこのアルバムからシングルカットされたのは、
【ヒーローズ】と【美女と野獣】です。
~おまけ~
この流れで、恒例のボーナストラックを紹介しますね!
今回もシングルB面ではなく、未発表になります。
11.Abdulmajid(邦題:アブドゥルマジード)
ちょっとこれね、リマスタリングされていて、結構原曲と少し感じが違うのですが、勘弁してくださいね^^;
探せば原曲ありますが、広まってるのはこのリマスターバージョンなのでこっち貼りました。
ロウの未発表ナンバーと少し似た感じもしますね。
【アブドゥルマジド】っていったら、Bowieの後の奥さんイマン・アブドゥルマジドさんですよ。
どういうこと?っていうw
二人が出会ったのは90年代初頭か80年代後半ですから、たまたまなのかタイトル後付なのかっていう。
まあ、そちらの方の国ではよくある名字ですから、たまたまでも全然不思議じゃないのですが。
しかし、なんでこういう感じの楽曲なのかな?
こういう印象があったのかな。
不穏な感じだけど、どこか神秘を感じるし、不思議感もありますし素朴感もありますね。
とまあこんなところでございます。
1曲だけでした。
最後にライブCDとDVDを紹介します。
ライブが行われたのは1978年です。
次作アルバムは79年発表ですから、このタイミングで紹介するのが正解ですね。
ツアーには日本も含まれていて、来日も果たしています。
はい、音源はファンならお馴染みの【ステージ】という公式ライブアルバムですね~