國春「おぉ、よく来てくれたよ。わざわざ遠くから」
隆聖「いえいえ、よろしくお願いいたします」
登志夫「今回は初のミッションですが、頑張ります!」
宏一「不安しかねぇよ…」
國春「では…改めて今回のミッションを話すとしよう」
心晴に支えてもらいながら、國春は起き上がり、ミッションを話した
まず、リルカという女から“蝶の虹”を取り返す事だ
“蝶の虹”が危険な力を及ぼす前に止めなければならない
そのために3つの楽器である太鼓のバチ、三味線、尺八を集める
だが、リルカ側もこの楽器を恐れているため、楽器を探して壊すに違いない
そうならないためにも、まずは楽器の回収をすることを優先された
國春「恐らくだが、奴等の手にはまだ全部渡ってないハズだ。楽器はこの福島のどこかにあるわけだし…その敵も日本人と言う訳ではないのだろう?」
宏一「確かに…1人は仮面を付けていたから分からなかったけど、炎を使った男は外国人だった」
國春「情報からだと、リルカの手下は最低でも3人だな。残りの1人は、“蝶の虹”を奪う時にリルカと共にやって来ていた男だ。今アゲハ族の力で手下の情報を調べているよ」
心晴「壊されてしまったらもう“蝶の虹”を止めることなんて出来ないわ。その楽器を集めて、タテハを助けに向かって」
登志夫「あの~、ちょっといいですか?話を進めてますが、その残りの楽器はどこにあるんです?」
國春「それなんだが…三味線の場所は分かってる」
そう言うと國春はある資料を見せる
3つの楽器と家紋が印されている資料だ
だが、尺八の家紋だけが穴が空いているため、分からない
國春「三味線は熱海にある旅館だ。同じ家紋が印されているはずだからすぐ分かる」
隆聖「え?熱海?(・・;」
宏一「熱海って…さっき福島にあるって言って無かった⁉なんで静岡⁉遠いよ!無理だって!」
國春「あー違う違う、熱海は熱海でも福島県の郡山市熱海町の事だよ」
宏一「紛らわしいわ!((((;゜Д゜)))」
隆聖「びっくりしたぁ~」
登志夫「へぇ、温泉かぁ」
國春「そこの旅館の女将とは仲が良いんだ。ちゃんと訳を言えば三味線を渡してくれるに違いない」
心晴「ついでに尺八の事も聞いてみたら?何か分かるかも知れないし」
宏一「は、はい…」
隆聖「ちょっとその資料を拝見してもいいですか?」
心晴「えぇ、いいわよ」
隆聖は資料を貰う
資料には絵と昔の人間が書いた文章が書いてあるが、よく読めない
絵は“蝶の虹”や3つの楽器の事が分かりやすく書いてあるものの、尺八の家紋から下が破れているため、何が書いてあるのか分からない
隆聖「これ…貰ってもいいですか?」
心晴「えぇ、何かの役に立つのであれば」
登志夫「すげぇ達筆だね」
宏一「楽器は書いていても封印の仕方が分からないなんて…」
國春「さて、お前達いつまでいるんだ?早めの行動がいいぞ?」
宏一「そうだね…タテハの事も考えないと!」
そう言うと宏一は出掛ける準備をした
隆聖と登志夫は既に準備をしているため、玄関先で待つ
輝子「宏一…大丈夫なの?」
宏一「あぁ、ちゃんとタテハを連れて帰ってくるから。それまで、菊乃ちゃんのことよろしくな」
輝子「え?えぇ…」
荷物をまとめた宏一は外に出る
宏一(タテハ待ってろよ、助けに行くからな…!)
登志夫「そんじゃ、行くか!」
心晴「ちょっと待って?」
グイッと心晴は3人を捕まえた
心晴「貴方達に携帯を渡しておくわ。これで連絡は取れるから。情報が分かり次第、随時連絡するわ」
宏一「あ、ありがとうございます…」
心晴「それとお駄賃ね、1人2万ずつ。さぁ行ってらっしゃい」
登志夫「わぁ~、2万なんて大金初めて持ったよ!」
隆聖「ねぇ、赤羽くん?」
登志夫「ん?登志夫でいいよ?そんで何?」
隆聖「まさかだけど君はその馬に乗って行くんじゃないよね?」
隆聖は馬を指す
登志夫はここまで乗ってきたのだ
登志夫「そりゃもちろん、うちの赤兎は家族だ。ここまでやって来たのに、行かせない訳には行かないよ」
隆聖「セキト?」
登志夫「赤い兎と書いてセキト!有名な三国志の馬から取ったんだ!(*≧∀≦*)」
宏一「白馬なのに?(・・;」
隆聖「しかも兎じゃないのに…」
心晴「そうねぇ、ここからは3人で行動しなきゃだし…家族なら大事にしないとね。馬は置いて行った方がいいわ。家で預かるから」
登志夫「あー…そうですか?じゃあお願いいたします」
宏一「よしっ、今度こそ出発だな…!」
タテハを救うため
楽器を見つけて守るため
宏一、隆聖、登志夫の3人はまず最初の目的地の熱海町まで向かった
その様子を、見られているとも知らずに…
?「…カァー…」