キーンコーンカーンコーン…
休み時間のチャイムが鳴った
転校生の紫にクラスメイトは集まった
「志村さんよろしくね!」
「大阪のどこ住んでいたの?」
「やっぱ大阪人はタコ焼き食べてるの?それともお好み焼き?」
紫「え、えっと…あの…」
花(あーあ…あんなに話しかけられたら混乱するっての…)
花は机に座ったまま、紫を見ていた
花(兄が仕事で東京にって言ってたっけ?てとこは朝のスーツの人はお兄さん…なのかな?)
職員室で会ったことを思い出した
その時だった
…ザバァッ!
花「…!」
突然頭の上に何やら白い粉の様なものが被られた
それは小さくてとてもしょっぱい味がした
塩だ
鶴巻「幽霊出たからお清めしなくっちゃ♡」
鶴巻の仕業だ
鶴巻が家庭科室から塩を持ってきたのだ
花「…」
鶴巻「これで幽霊消えればいいのになぁ」
五十嵐「呪われている机とかあったら嫌だなぁ」
田町「私も呪われちゃう(笑)」
花の回りを鶴巻達が囲む
紫「…何あれ?」
その様子を紫は見てしまった
「あ、志村さん。無視した方がいいよ?」
紫「え?」
「あの工藤って子、鶴巻さんに逆らったからあーやって嫌がらせを受けてるんだ」
「目ぇつけられたらこっちも危ないよ?」
「無視しておこう」
紫「無視って…」
?「あ…」
花「…もったいない…」
鶴巻「はぁ?」
花「…塩がもったいないって…」
鶴巻「はぁ~?何?幽霊が私に文句?あー気持ち悪い!」
五十嵐「つか事件起こした分際で何その態度」
田町「いい気になってんじゃないよ?」
鶴巻「あーあ、誘拐されて本当に死んじゃえば良かったのに~」
花「…本気で言ってんの?」
鶴巻「はぁ?」
花は呆れた顔で鶴巻を見た
花(…今までこんなちんけないじめに苦しんでいた自分が馬鹿みたい。誘拐された時の恐怖に比べたら…こんなのどうってこと無いかも)
鶴巻「何?何なのその顔は?なんか文句あんの?」
花「…あるよ」
鶴巻「はぁ?何?聞こえないんだけど?」
花「あるよ!」
鶴巻「!」
花は立ち上がって鶴巻に言った
花「誘拐されたこともない人間が、簡単に死んじゃえば良かったのになんて言わないでよ!」
五十嵐「ハァ⁉何なのあんた!」
鶴巻「…おい工藤」
ガッ!と鶴巻は花の襟をつかむ
鶴巻「夏休みで何があったか知んないけど、調子乗ってんじゃないよ?」
花「調子に乗ってんのはどっち?私はもう前の私じゃ無いんだ」
鶴巻「私のこと…舐めてんのかよ!」
ブンッ!
と鶴巻は大きく手を振りだした
叩くつもりだ
花は瞬時に目を瞑る
花(ヤバイッ…!)
だがその時だった
…バシャァァッ!
鶴巻「……え?」
五十嵐「つ…鶴巻さん!」
田町「キャッ…!」
花「…ん?」
何があったか分からなく、花は目を開けた
するとそこで目にしたのは、頭から水を被った鶴巻の顔だった
紫「…止めや!」
鶴巻の後ろに花瓶を持った紫がいた
紫が花瓶の水を鶴巻にかけたのだ
「え…⁉」
「マジかよ…!」
突然のことに驚くクラスメイト達
鶴巻達も唖然とする
紫「嫌がってるのにそんなことするな!」
花「え…」
紫「行こっ!」
花「え?ちょ…!」
紫は花の腕を引っ張り、共に教室を出ていった
鶴巻「…な、何よ…!」