♀セクメン♂ 80発目 #7 長袖⑦ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



鬼塚「……最悪だ…っ」

九十九が裏切ったことに怒りを抱え、頭をくしゃくしゃにする

赤井「…どうした?」

鬼塚「!…赤井さん…」

そこへ赤井が現れた

赤井「何かあったのか?」

鬼塚「あ…あの、赤井さん…」

赤井も自分の正体を知ってしまったのかも知れない
そう思うと怖い…
何て言われるか怖かった

赤井「もしかして……」

鬼塚「ごめんなさい!」

赤井「え?」

鬼塚「俺が…鬼塚英二の息子だなんて隠していて……!」

震えながら鬼塚は答える
その様子に赤井は

赤井「…やっぱりそうなんだ」

と答えた

鬼塚「俺は…」

赤井「全然大丈夫だよ?」

鬼塚「……え?」

赤井の言葉に顔を上げる

赤井「誰にでもあるじゃん、本名じゃなくて芸名だって」

鬼塚「え…」

赤井「鬼塚英二の息子ってことは少し驚いたけどね…」

鬼塚「す、すみません…」

赤井「大丈夫だよ、いつも通り過ごして行けばいいから。後で本名教えてね」

ポンッと肩を叩き、赤井はその場を離れた

鬼塚「赤井さん…」

ずっと芸名だったのに、自分の正体を知ってでも優しくしてくれる赤井からの励ましが嬉しかった

鬼塚「……頑張ってみようかな…?」

赤井に勇気をもらった気がした
いくら陰口を叩かれても頑張ろうと思った

そこへマネージャーが現れた

マネージャー「あ、観月さん」

鬼塚「!何ですか?」

マネージャー「次のドラマ決まりましたよ!次も主役だそうです!」

鬼塚「え?そうなんですか?」

マネージャー「次はヤンキー学園ものの“BEAST”って言うドラマです」

鬼塚「BEAST…あぁ、原作が漫画の!」

マネージャー「はい!それを伝えようと…」

鬼塚「ありがとう、頑張るよ」

また主役に抜擢された
今現在最悪な状況ではあるが、それでも頑張ろうと思った

鬼塚(陰口なんか気にしてたまるか!芸名を使ってるのは俺だけじゃ無いんだ!)

頬を両手で叩き、強く思った

鬼塚(そうと来たらもう陰口を言われないように…!)

色々考えながら事務所の階段近くまで来た

その瞬間だった

…ザパァッ!

鬼塚「!」

ジュワァァァ~~~~ッ!

鬼塚「っ…あ゛ぁぁぁあ~~~っっ‼」

突然背中に何か液体がかかった
その液体が背中にかかると、強い激痛と強い熱に襲われた

鬼塚「あ゛っ!あ゛ぁぁあっ!」

「なんだ!?」

「観月くん!大丈夫か!?」

騒ぎを駆けつけてきたスタッフが鬼塚を見つける

青木「…!観月!?」

そこへ赤井のライバル俳優の青木が駆けつけた

青木「どけ!離れて!」

青木はスタッフを鬼塚から離れさせる

青木「観月!大丈夫か!?」

鬼塚「あ…青木さ…っ」

スタッフ「あ、これって…」

青木「その液体に触らないで!観月の背中を見て…それは硫酸だ!」

「硫酸!?」

スタッフ「青木くん、分かるの?」

青木「これでも大学理系出身で…それより早く!誰か!誰か救急車を呼んでくれ!」

鬼塚「あ…あの…」

青木「観月何も話すな!今救急車を呼ぶから!」

赤井「観月くん!どうしっ…てうわっ!」

鬼塚「あ…赤井さ…」

あまりの激痛と熱により、鬼塚は意識を失った