30プリウスもすっかり10年前の車となりましたが、まだまだ稼働率は高いし、何よりうちのお客さんはみんな「まだまだ乗るぞ」と息巻いています。
まぁ長年走ってるとHV車もいろいろメンテナンスが必要になるわけでして
まず30プリウスで抑えておきたいポイントはEGRですね。
このEGRのパイプとバルブを掃除した上で、10年10万kmを超えているのならHV車と言えども5w-30を通年使用する事をオススメします。
ここで色々反論が聞こえてくるわけです。
「0w-8とか0w-16の時代にHV車に5w-30とか何言ってるの?」
とか…
ちょっとマニアな人なら
「5w-30は超低粘度オイルに比べて暖まりが悪いからエンジンに良くない」
ねんて声も聞こえてきそうです。
まぁ一部は事実です。
車両の取扱説明書には5w-30も10w-30も使用OKと記載されていますので何も心配する必要は無いのですが、確かに5w-30は超低粘度オイルに比べると若干「暖気稼働」が長い❗️
プリウス含むHV車はエンジンが冷えている時は自分で勝手に暖気してくれます。
その暖気に時間を要するって事ですね。
しかし、粗悪な0w-20を使い続けていたら結構な確率でプリウスはガラガラ音が発生します。
登り坂や加速が必要な時に聞こえるんですよね。
ちなみに、ニューテックのZZ-11(0w-20)を使っているなら全く心配は無しです。
コイツほんとにスゲーオイルです。
それはさておき…
どうせ10年10万kmを超えているのなら冷却水の交換も行います。
インバーター側は交換推奨距離までまーだまだあるので別に交換しなくてもいいのですが、でも交換すると効率が良いような気がするんですよね。
使用するクーラントはワコーズのパワークーラントHVです。
HV車は言わずもがなアルミラジエーターですし、本体もアルミが多用されており電食や汚れにとてもデリケートです。それに「電気」を扱う部分の冷却水なので、電気を通す「塩」分もご法度。
純正クーラントと高純度精製水(ほぼ工業用純水)を使うのがセオリーですが、そんなもん在庫している車屋は激レアなので実質的にどこも交換は行わないでしょう(笑)
プリウスの冷却は2系統あって、エンジン側は水道水とクーラントで交換する車屋さんが多いと思います。
最近使うようになったパワークーラントHVですが、ワコーズの担当がススメテいても話半分にしか聞いていませんでした(笑)
「パーツクリーナーとシリコーングリースとブレーキプロテクター」くらいしか注文しませんからね。
そこへガラガラ異音を出す30プリウス(20万km近い距離)が入庫して、EGRバルブを交換するもやっぱりピストンが少し首振り気味。
仕方無く5w-30を入れるのですが、インバーター側の冷却水交換推奨距離も近いし、パワークーラントHVは「速暖」らしいので仕入れ使ってみました。
コレが… 結構いい(笑)
厳密にいうと、エンジンが発する熱エネルギーは燃料と空気中の酸素を反応させて出てきた一部なので、発生する熱量(カロリー)はそれほど変化しません。
つまり、本当の意味での「速暖」はあり得ないのです。
冷やす方に関しては、発生する熱量に対してラジエーターから待機中に熱量が「奪われる」ために、エンジンから熱量を吸収してせっせとラジエーターに熱エネルギーを運搬する事で結果として「冷える」という効果が得られますが…
パワークーラントHVはビックリするくらい暖気稼働が短縮されます。
平たい話が、エンジンから熱をたくさん奪ってより早く水温センサーを暖めているって事なのですが、その熱交換のスピードが「早い❗️」
何が言いたいのかというと、「早く暖まる」と言う事と、「よく冷える」と言う特性は、実は相反する言葉のようで「やってる事は同じ」なんですね。
熱交換のスピードが早いと、早く暖まるし、よく冷えるんです。
こんなわけで、20万km目前でガラガラ音がするヤバそうなプリウスが復活を遂げ、何なら過去一調子が良い状態になったのでお客さんは大喜びでした。
5w-30の重さを全く感じないし、ガラガラ異音もなくなりました。
遊星ギアオイルもニューテックのZZ-52にGRPを入れて交換したのでめちゃくちゃスムーズです。モーターからエンジンへの切り替わりがとても滑らかで、多分同乗者は気づかないレベルです。
今まではプリウスに5w-30を渋っていましたが… パワークーラントHVと5w-30の組み合わせは、プリウス乗りにマジでオススメしたい組み合わせなので是非試してみてください。