元WBC世界ヘビー級王者デオンティ・ワイルダー(米国) 

 

その圧倒的パワーで「米国ヘビー級復権の旗手」と目されていたが、 タイソン・フューリーとの再戦に惜敗して以来、1勝4敗(3KO) 

 

アジア圏のパーカー、張にも敗れる始末。 

 

そのワイルダーが1年ぶりの復帰戦。於米国カンザス州 

 

相手は24勝(15KO)4敗 37歳のティレル・ヘンドーン (米国)

 

ワイルダー注目のウェイトは225.4Lb(102kg) 

 

近年は巨漢ヘビー級戦士と対抗するために108kgまでウェイトを上げていたことを思えば、相当軽い。 

 

やはり自身スピードを活かすための原点回帰? 

 

1R、ワイルダーは落ち着いて左を出し、バランス考えながらの試合運び。 

 

ヘンドーンは蛇ににらまれたカエルの様に手が出ない。 

 

10-9ワイルダー 

 

2R、ワイルダーワンツーを食らい即クリンチと完全に及び腰の相手を完全に見切る。 

 

ワイルダーは左フックで先制のダウン奪う。完全に技術で奪ったダウン。 

 

10-8ワイルダー 

 

 

3R、ワイルダーは動きにリズム付け倒しに出ているが、持ち前の強引な攻めは封印。 

 

相手の入る所へ右を被せる。 

 

10-9ワイルダー 

 

 

4R、右を当てる為の左。 

 

カルロス・モンソンを思わせるクラシカルスタイル。 

 

相手の左フック一発軽く貰うが、即左でペース元通り。 

 

10-9ワイルダー 

 

 

5R、この回も落ち着いて左からの右大砲スタイル。 

 

右浅く入れバランス崩させる。 

 

10-9ワイルダー 

 

 

6R、ワイルダーは左レバー好打。 

 

これはもう中量級ボクサーの技術。 

 

相手は心が折れており、スリップダウン時にも疲労困憊。 

 

ロープからコーナーに追いやられ身体丸める。 

 

ロープへ詰め右でダウンを奪うワイルダー。持ち前の殺傷本能も垣間見せる。 

 

10-8ワイルダー 

 

 

7R 完全に心折れている相手へ猛攻のワイルダー。 

 

ワイルダーパンチに食らい下向き、座り込む。ダウン宣告でも良いシーン。 

 

右をヒットしバランス崩したところでようやくストップ(7R2:16TKO) 

 

 

相手はお約束の「早過ぎアピール」だが、寒すぎる。 

二線級相手だけにワイルダーの巧さ、強さが強調されたが、巨漢ヘビー級戦線で戦えるかと言うと・・・。

 

 盛りを過ぎたワイルダー。相手パンチに耐えうるフィジカルは無い。

 

ただキャラ含めて貴重なタレント。 

 

ヘビー級強打者の歴史でも無視してはいけない選手だ。 

 

ワイルダー:44勝(43KO)4敗1分 

またも悲しいニュース。 

 

元東洋太平洋、日本ジュニアミドル級王者 カーロス・エリオット氏が逝去。 

 

まだ63歳の訃報に何とも言えない悲しみを感じている。 

 

エリオットは三沢基地の軍人として来日。 

 

マーク堀越、後のリック吉村と共に日本でプロボクサー生活を開始。 

※フラッシュ石橋が築き上げたレールだ。 

 

当時日本の日本重量級は層が薄く、総じてスピード、技術不足。 

 

そんな中黒船来襲のごとく現れたエリオットは連戦連勝。 

 

日本には相手がいないと思われたが、真夏の大阪でまさかの逆転負けで日本王座獲得ならず(VS串木野純也) 

 

ただこの一戦は日本拳闘史に残る大激戦。 

 

その後、ペース配分を学んだエリオットは再び連勝街道を進み、日本、東洋のジュニアミドル級王座獲得。 

 

但しスパー相手もままならないトレーニングで時にガス欠が顔を覗かせる。 

 

日本王者時代、幡野光夫との防衛戦(1985年11月)は幡野の猛攻にあわや陥落一歩手前まで追い込まれた。 

 

この試合後楽園ホールリングサイドで観戦したが、自分の観戦歴の中でも思い出に残る好試合だった。 

 

ただこの後も持ち前の強打で痛烈なKOシーンを演出。 

 

当時の日本拳闘界の中でも最も派手なKOシーンを見せていた。 

 

世界戦前座含めてほぼエリオットの試合を生観戦した自分は、世界戦を待望していたが、当時は米国人ボクサーであるエリオットを挑戦させるまで機運が盛り上がらなかった(世界戦にはTV局バックアップが必須)

 

しかし唐突に発表されたエリオットの世界初挑戦は、盛りを過ぎた28歳(当時は晩年)。 

 

WBA世界ジュニアミドル級王座決定戦。敵地でジルベール・デレ(仏国)との対戦。 

 

当時はデレ映像も見たことなく、期待も有ったが7R1:48痛烈なKO負けを喫した。 

 

後日動画を観たが文字通りの完敗に衝撃を受けた。 

 

デレは防御技術に優れ、パンチも有った強い選手だったが、エリオットが全盛期ならとの思いも捨てきれなかった。 

 

エリオットはこの試合でグローブを吊るした。 

 

26勝(22KO)3敗 

 

もしエリオットが米国リング主戦だったら世界挑戦迄辿り着けなかったかもしれない。 

 

その観点では重量級不毛の地での活躍はある程度予想できた。 

 

但し間違いなく世界レベルの力はエリオットに宿っていたことは間違いない。 

 

自分は先日佐々木尽を破った野暮ったノーマンの生のパンチを観たが、自分が何度も生で観たエリオットよりパワーが有るかと言うと・・・。 

 

勿論パワーだけでなく、ボクシングは総合力。 

 

エリオットには肉体的、精神的タフネスに欠け、そこがウィークポイントだった。 

 

但し米国軍人トリオ(エリオット、マーク堀越、リック吉村)の中で素質はNO.1 

 

リックは銀でしかないが、エリオットの素質は間違いなく金。 スピード、パワーは一級品だった。

 

引退後、思わぬ形でエリオットの名が世に出た。 

 

息子さんが人気グループのパフォーマーとして成功した。 

 

端正なマスクはエリオット譲りだ。 

 

これからの彼の成功を願い続けたい。 

 

カーロス・エリオット氏のご冥福をお祈り申し上げます。 

 

井上尚弥次々戦はサウジアラビア・リアドリング初登場が既定路線。 

 

その興行の全容が見えて来た。 

 

コンセプトはずばり日本対メキシコ。 

 

以前大橋ジムが日墨戦興行をうったことが有るが、今回は全て世界戦。 

 

12月27日サウジアラビア・リアド 

4団体世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 

井上尚弥(大橋)VSアラン・ピカソ(メキシコ) 

 

WBA&WBC世界フライ級タイトルマッチ 

寺地拳四朗(BMB)VSフランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)   

 

中谷潤人(M.T)VSラモン・カルデナス(米国、メキシコ) 

 

実力差は別にしてメインカードもサウジリングという背景を鑑みれば、興味深い。 

 

仮にもピカソは無敗のWBCトップコンテンダー。 

 

嬉しいのは拳四朗のリアドリング登場。 

 

ここ数戦の試合報酬は相当な額だろうが、サウジリングでは数倍? 

 

自身キャリア最高額を手にすることだろう。 

その実力にようやく評価と報酬が追い付いてきた。 

 

相手のロドリゲスは狂い咲きの如く暫定王座獲得したしぶとい選手。 

 

これも好カードだ。 

 

そして来年の日本史上最大の対決を見据えたカード。 

 

井上尚弥からダウンを奪い株を上げたカルデナスと中谷がスーパーバンタムウェイトで対戦。 

 

正に最高の場と実にマッチした相手とのプレゼン試合。 

 

当然アピールすべく完勝を狙う中谷。 

 

実に楽しみな日本のファンの為に組まれた興行だ。 

 

井上、ピカソ、拳四朗は次戦クリアが条件だが、3選手共問題なかろう。 

 

早くも年末が楽しみになって来た。