あらやす日(本)誌 -51ページ目

2014年のノーベル経済学賞〜もっと金融業の研究を

今年2014年のノーベル経済学賞は、
フランスの経済学者ジャン・マルセル・ティロール氏(Jean Marcel Tirole)に決まり、
久しぶりのアメリカ人以外の授賞者となった。

今回の脱アメリカ的なノーベル経済学賞の選定は、
青色発光ダイオードによる日本人三人のノーベル物理学賞授賞と共に、
ノーベル賞の新潮流だといえるだろう。

ノーベル経済学賞を受賞したティロール氏の主要な受賞理由は、
昔の研究対象だった「公的産業の独占」の論文かもしれないが、
今、ティロール氏が研究しているのは金融業界だ。

ロイター通信(英文サイト)によると、
ティロール氏は、
ここ10年、金融業界における信用バブル(金融バブル)の研究をしており、
不完全な金融規制がサブプライム・リーマンショックを起こしたと考えている。
その意味で、
もっと多くの人が銀行等の金融業に対する研究、規制の研究をすべきだ、
と氏は言っている。

氏の指摘の通り、
サブプライム・リーマンショックの発生源は、
アメリカの自由放任的な金融業界の中で発生し、
その余波は世界の金融業界を巻き込んで連鎖的な倒産・破綻を招いた。

サブプライム・リーマンショックで、
世界は未曾有の不況になりかけたといえる。

ここ数年、世界各国は金融システムを守ろうと異次元金融緩和に走り、
日本もたまりかねて最後に金融緩和策をアベノミクスで断行したが、
今でも世界の金融システムはバランスを喪失している。

異次元金融緩和で世界が供給した莫大な通貨量は世界の大きな負担になり、
人類の生活に多大な悪影響を与えていることは確実で、
今後もそのつけが後世の人々に残るだろう。

第二のサブプライム・リーマンショックを起こさないためには、
金融業の研究は不可欠だ。

とはいえ、
金融業の規制は、
日本以外の西欧先進諸国特有の問題なのかもしれない。

日本は世界の中でもっとも金融業を規制している国で、
実際、サブプライム・リーマンショックの被害を直接大きくは受けていない。

サブプライム・リーマンショック時、
日本のいくつかの大手金融会社は破綻した海外の金融会社を救済した。

日本の厳格な金融業の経営は、
世界の模範になれる可能性があるだろう。

しかし、
護送船団方式で半公営的な日本の大手金融会社が税金を大して払っていないという現実は、
世界に公言したくない汚点だろう。

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アベノミクス論〜「木」ではなく「森」?「土」は?

日本は金融緩和をし続けたがその効果はなかった、
と経済学者・野口悠紀雄氏はアベノミクス、第一の矢を批判している。

過去の日本の脆弱な金融緩和政策だけを見て、
諸外国の異常な通貨供給量の大きさ=異常な金融緩和政策を見ていないようだ。

サブプライム&リーマンショックによる信用収縮を回避すべく、
日本以外の多くの国が異次元緩和して、
マネタリーベース(発行する通貨の量)を伸ばした。
しかし、
日本だけが財政再建=国債発行の抑制等を選択し、
諸外国は異次元金融緩和で立ち直り、
日本だけが通貨高=円高になり不況に陥った。

日本は、
円高=自国貧窮化政策=自虐的経済政策を行ったといえる。

【参考】
意図的に過剰な通貨安にする為替政策は、近隣諸国の輸出を妨害し貧窮化させて自国の輸出を促進する「近隣貧窮化政策」だと経済学上では否定的に言われている。しかし、日本はこの逆の政策、意図的に過剰な通貨高=円高にして日本以外の近隣諸国を救うという「近隣富裕化政策」を取らされいた?主体的?に取っていた。


ここ5年くらい、
ドル(アメリカ)、元(中国)、ユーロ(ドイツ・フランス)、ポンド(イギリス)ウォン(韓国)は超異次元緩和で大幅に通貨量を増加させたが、
日本の円は微増でしかなく、
アベノミクスの発動まではささやかな金融緩和をしただけだ。

たとえば、
日本が円を、
100→105→110→115と毎年のように金融緩和しても通貨を市場に流しても、
アメリカや中国などが自国通貨を、
100→150→200→250と通貨を垂れ流していたら、
日本の金融緩和の効果は相殺されてマイナスに転じてしまう。

★信用収縮しているのにマネーサプライを抑制?(2010年10月の記事)
http://ameblo.jp/ararada/archive-201010.html


サブプライム&リーマンショック後にできた、、
日本と外国の通貨発行量の圧倒的な差=マネタリーベースの差が、
円高・デフレの原因だったのではないだろうか。

日本の不景気は、
サブプライム&リーマンショックによる世界経済の停滞の中でで、
諸外国はさまざまな経済政策を打ったが、
日本は財政規律=財政再建を理由に怠り、
経済に明らかにマイマスになる消費税増税まで断行してしまった。

アベノミクスによる金融政策(第一の矢)、財政政策(第二の矢)は、
経済学のイロハと言われる経済政策であり、
ある意味で特異なものはなくそれは経済学の多くの大家が認める教科書的な政策だ。

もっとも実現が困難で、経済学上でも理論化しにくい分野は、
第三の矢、成長戦略だ。

この成長戦略には、
規制緩和に代表されるように変革しにくいその国の制度、慣習が深く関わる。

長年言われている日本の構造改革には、
日本のすべての制度を総体的に、相対・客観的に見直す主体的な意識、視点が必要であり、
この視点を持つためには従来から存在しているアメリカや中国等の外部の影響を棚上げして、
受け身的ではない、主体的な思考が必要になってくる。

アベノミクスの三本の矢、金融政策、財政政策、成長戦略をそれぞれ木と考えれば、
これらの木々に隠れたさまざまな制度、慣習は大気であり、大地、土壌にあたるだろう。

もっとも未知数で最重要な成長戦略は、
それぞれの木の立脚基盤、環境に深く関係している。

その意味で、
アベノミクスの本当の主眼は、経済政策以前の問題にあり、
新しい日本の国家ビジョンを見いだすことだったのではないか、
そう歴史的に認識されるのではないかと思う。

新たなビジョンもなく、規制緩和と称して環境を破壊しただけでは、
今ある木々も枯れてしまう。

その意味で、
環境に関わる改革は「日本の国益」を第一に考えて、
諸外国の利害は二の次にした(諸外国の利害も当然考慮して)、
大局的な考えで行う必要があるだろう。


【参考】野口悠紀雄氏のアベノミクス(金融緩和政策)批判(2013/01/26 公開)


イスラム国は海賊の陸上版〜「陸賊→盗賊」

世界の警官たるアメリカがアメリカらしく「イスラム国は悪」と言わず、
また、他の諸外国も黙認したことで、
イスラム国はイラクとシリアを荒らしまくっている。

西欧諸国やトルコ等と対立するアサド政権下のシリアにイスラム国が侵略したことで、
事態はさらに複雑な様相になってしまった。

イスラム国をたたけばアサド政権側に有利になるので、
西欧諸国や隣国トルコは介入に二の足を踏んでいるのだ。

一見、毒(シリア・アサド政権)には毒(イスラム国)をという状況下のようだが、
イスラム国から出る油は、
シリア・アサド政権下のパイプラインで世界に売られているとも言われているので、
蛇の道は蛇、類は友を呼び、同じ穴のムジナがイスラム国の周辺に集まっているようだ。

世界の利害関係をうまく利用してイスラム国を名乗る外国人の集団は、
イラク北部に加えてシリア北部を侵略して油田等を乗っ取っり、
イラクとシリアの数十万の住民は隷従するか、郷土を奪われて難民になっている。

複雑な世界情勢や利害関係にだまされずに、
この事実は正しく認識すべきだろう。

本来、現代の民主主義的な国家は、
国民から与えられた権力で国民を守り、
国民は国家権力が正しく行使されているかを監視する。

しかし、
イスラム国には守るべき「国民」は存在しない。

イスラム国は、
イスラムの戒律は厳格に守るというが、
彼らは「敵」にはイスラムの戒律は及ばないとして、
これを口実に侵略した地域の住民に危害を加えて、
油田・財宝を盗んでいる。

彼らが関心の最大の関心は油田や財宝などであり、
「イスラム教」は侵略行為をごまかす好都合な衣でしかない。

彼らは海賊船等の兵器・組織を持つ海賊のように、
高価な武器を持ち、高度な組織をもって、
高価な財宝を盗む、
海賊ならぬ「陸賊」=盗賊の集団でしかない。

イスラム国の上層部はすべて外国人で、
兵士の半数以上も外国人であり、
侵略した地域のイラク、シリアの住民の多くは奴隷的な状況にある。

イラク北部、シリアに隣接するトルコ国境には、
イスラム国に追われて数十万人の難民が押し寄せている。

イスラム国は支配した地域の油田からでる油や家財・遺跡の財宝を売って、
1日に2~3億円を利益をあげており、
この利益が彼らの募兵、侵略活動を支えている。

イスラム国は世界に向けて「イスラムの正義」のためと、
自己正当化して大義名分にしているが、
それは隠れ蓑だ。

その実態は、
単なる海賊の陸上版=陸賊、盗賊集団でしかない。

昨今、
盗賊集団のイスラム国の兵士になろうとしている日本人や斡旋者が出てきているが、
断じてこのようなドロボーの集団には加わってはいけない。


★イスラム国~急にできた不思議な「国」
http://ameblo.jp/ararada/entry-11923581635.html




青色発光ダイオード、ノーベル賞受賞〜三人三様の日本的こころ

青色発光ダイオードに関わる3人の日本人がノーベル賞を受賞した。

そもそも、
ノーベルはダイナマイトというわかりやすいものを作った。

ダイナマイトは原子力技術と同様に諸刃の刃だった。

誰もがそれとわかる発光ダイオードも当然軍事利用はしているが、
大量破壊兵器にはなりえない。

その意味で、
ノーベル財団は、
創設者のノーベルの心の原点に戻ろうとしているのかもしれない。

また、
ノーベル財団は日本人が忘れかけている、
世代を超えた連携プレーのすばらしさを評価してくれた。

今回、なによりもすばらしいのは年齢の異なる、
三世代にわたる日本人的なこだわりの継承が、
青色発光ダイオードを世界に普及させたことだ。

年齢で見ると、
一番ご年配の赤崎勇・名城大教授(京大出身。85歳)、
もっとも若手の天野浩・名古屋大学教授(54歳)、
その間に中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60歳)。

【蛇足】
赤崎勇氏は鹿児島県知覧町出身。知覧町は神風特攻隊の基地があったことで有名だ。当時、沖縄戦の次は九州本土決戦だと言われて、九州出身の多くの若者が神風特攻隊に志願して散っていった。終戦時、赤崎氏は16歳で。神風特攻を身近で見ていたかもしれれない。


3人の前にもう一人、日本人の貢献者がいる。
2000年に「「導電性高分子の発見と発展」」でノーベル賞を受賞した白川英樹氏だ。
この研究によって、
発光ダイオードに導電性高分子を使うという、
当たり前の根幹的な基礎技術の一つになった。

【蛇足】
白川英樹氏は元マラソン選手・高橋尚子さんの遠縁(白川氏の祖父と高橋尚子さんの大祖母は兄妹)にあたる。


ノーベル賞を取った三人の中で、
中村修二氏(1954年生まれ)は世代的に真ん中に位置し、
団塊の世代に近い世代だけあって、
それらしい世代意識を反映している感じがする。

自分よりも前に多くの先人がいて、
脈々と培ってきた伝統、目に見えにくい隠れた事実よりも、
「我」にこだわっているところが子供っぽくておもしろい。

「我」にこだわりながら「日本のためだ」と言って、
日本人にサラリーマンになるなという。
至極、ごもっともだと思うが…。

中村氏の「我」の強さだけが見えてしまい、
歴代のノーベル賞受賞者の中でもっとも浮いた存在に見える。

これだけ「浮く」ことができるれば、
「日本はだめ」だとは世界は思わないだろう。

中村氏にとって、
研究が社会に役立つというは当たり前のことで当然の結果だから言及しないのだろうが、
とにかく大事なのは「我」が満足できる自由な研究だという信念があるだろう。

ノーベル賞受賞者が、
受賞後の講演で「怒りが研究の原動力」だったというのは、
人間らしいともいえるが…
もう少し自分以外の何かに対して感謝の気持ちが出ないものか…。

中村氏の発言は、
現代の若者や後世の人はそれは大人の発想じゃないのでは?
と看破するだろう。

しかし、
だからといって、
多くの人、社会は「大人ではない」考えだとして完全に否定せずに、
当然大人になっても子供っぽさは大事だと考えるだろう。


企業にもこうした寛大さが必要であり、
四国・徳島の中小企業である日亜化学で、
異端児的な中村氏の研究を後押ししたもの経営者の寛容さだった。


たしかに、
この寛容さが社会から完全に喪失したら、
ノーベル賞級の研究はできないだろう。


円安で国内回帰?〜明暗の差はあるようだ

円高に耐えるべく力のある製造業などの輸出型企業は、
海外に製造拠点を移して収益を確保してきた。

これにより当然日本国内の雇用は悪化して、
非正規雇用の濫用で人心も家計も乱れ、
力のない中小企業は大きなダメージを受けた。

昨年2013年以降の円安傾向の中で、
大企業は国内に製造拠点を移す動きに出ているが、
瞬時に設備や人材を対応させることは困難だ。

また、
円高になる状況も想定しておかないといけないので、
円安下の状況に完全に対応させることもリスクがあると当然考えざるを得ない。

将来予測ができない為替変動の中で企業は、
さながらミッドウエー海戦の旧日本海軍のように陸上攻撃か、対艦攻撃かで迷い、
臨機応変な意思決定を迫られている。

トヨタなどの自動車産業は円安ですぐに利益を出せるようだが、
パナソニックは1円の円安で10億円以上も減益になるという。

トヨタとは異なり、
パナソニックは円高により対応した財務体質になっていたのだろう。

とはいえ、
パナソニックも円高による損失以上の円安効果を出せる戦略にすべく、
昨年から戦略を転換しつつある。

昨年2013年、パナソニックは、
国内販売できる中型の白物家電を製造する拠点を国内に移転しつつある。

キャノンは2015年までに国内生産比率を42%から50%まで高めてゆく目標を掲げた。

2000年時、円高になる前、
キャノンの国内生産比率は60%だった。

大企業は200兆円を超える史上空前の内部留保を持っているので、
製造拠点等の移転にかかる設備投資資金は十分まかなえるだろうが、
借金してやっとの思いで海外に拠点を移した中小企業にとって、
大企業のような戦略転換をすぐに行うのはたいへんだろう。

政治学者・坂本義和氏の知性~冷戦下の冷たい「怒り」

朝日新聞に代表される戦後日本の中道左派が信じる信仰上の教祖の一人ともいえる、
政治学者の坂本義和氏が10月2日に亡くなった。

朝日新聞は「国際政治学者の坂本義和さん死去 平和主義の可能性追求」
の記事を出して大きな敬意を払った。

かつて(2000年(平成12年)9月)、
北朝鮮の拉致問題について氏はこう語った。

「『拉致疑惑』問題は、今や日本では完全に特定の政治勢力に利用されている。先日、横田めぐみさんの両親が外務省に行って、『まず、この事件の解決が先決で、それまでは食糧支援をすべきでない』と申し入れた。
これには私は怒りを覚えた。自分の子どものことが気になるなら、食糧が不足している北朝鮮の子どもたちの苦境に心を痛め、援助を送るのが当然だ。それが人道的ということなのだ」
と発言した。


氏の抱いた「怒り」とは本当の怒りだろうか?

この冷たい怒り、冷めた知性が拉致問題の解決を遅らせ、
迷宮入りさせようとしてきたのだろう。

戦後日本のある種の知性は、
自分の子供も他者の子供も、
日本も外国(拉致国家さえも)もまったく同じ価値観で見るという、
屁理屈だったのだろう。

当時も今も、
こうした一見もっともらしい価値観、
実は無感情で冷たい信仰が蔓延し、
今でも生きながらえている。

2020年に東京五輪をむかえる東京都の硫黄島に、
いまも1万柱以上の遺骨が遺族の元に返らずに眠っているこの現実も、
この冷静で、無感情な戦後史観が支えていたのではないかと思う。

かつての戦場に無残に散っている遺骨、
遺骨のない墓地で祈りを捧げる数百万人の遺族の心を戦後の日本は無視してきた。

この遺骨なき100万を超える墓地、
この現実の向こうに、
靖国神社が存在している。

そして、
その延長線上に、
北朝鮮の拉致問題に対する坂本氏の発言があるように思える。

戦後の時代は東西の冷戦下だったが、
まさしく日本も冷たい心が正当化される時代だったといえる。

お金にかえられない心の遺産をすべて捨て去り、承継しないこと、
それは戦後日本の最大の戦争賠償だったのではないかと思う。


2012年、
坂本氏は、韓国・李明博大統領による天皇謝罪要求発言について、
「明らかに失言」であり、「日本の戦争責任を日本のふつうの国民以上に痛感している点で、私も敬愛を惜しまない現天皇について、あまりに無知であり、恥ずべきである」
と強く批判している(東京新聞:2012年9月8日)。

しかし、
朝日新聞の経営層はこの氏の思いを記事にはしなかった。
その思いを理解しようとは思わなかったのだろう。

日本の再生、戦後の自虐史観からの脱却とは、
屁理屈に対抗する屁理屈も必要だが、
素直に心の反響音を聞いて、
普通の心を取り戻すことだろう。

人間的な普通の心とは、
感性的な深みのある「喜怒哀楽」だろう。

「喜怒哀楽」を完全に消去して、
単純な論理・理屈を貼り付けたときに、
普通の心は消えてしまう。

10月の株式相場〜楽観的観測か?

9/25、日経平均株価は16,000円を超えて今年の最高値16,374円になり、
その後、下落して、過熱感を示す指標である騰落レシオ(東証一部・25日)は100を割り、
先週はスピード調整といった感じだ。

それにしても昨今の日本株の調整は短期間で大きく下げる。
日経平均先物に押されて付和雷同のような様相で情けない。

しかし、
すでに先週末の時点で、
日経平均先物(シカゴ)は急回復し、
15,960円まで戻っている。

1ドル=110円台まで円安が進行し、
多くの企業は想定為替レートを1ドル100円程度にしているので、
輸出関連企業の為替差益はかなりの数字になっていると思われる。

今月10月10日(金)から、
企業の今年の中間決算(9月時点決算)が発表されることから、
業績相場で市場を牽引してゆく可能性が高いだろう。

また、来月11月4日のアメリカの中間選挙をひかえており、
選挙の年はアメリカの株が高くなる傾向がある。

アメリカはドル高と株高が連動することが多く、
株高=ドル高の状況の中で円安傾向がしばらく定着するのではないか、
と思われる。

【追伸】大調整してしまった日本の株式市場を見て(2014/10/15)
神の手で転がされている脆弱な日本=神の手原理主義の金融宗教に染まった日本といった感じだ。
昨今の株価の激しい変動を見ていると、外国資本にバカにされているという見方も正しいだろうが、日本国内の民間資本そのものがあまりにも受け身的で、 相場をつくるという意欲に欠けていることを痛感する。
金利、為替、株価は市場における摩訶不思議な神の手で決まると思っていたら、 これからも外国資本に利用されて日本の市場は自尊心を失うばかりだろう。
今の日本の株式市場は独自の投資判断を棚上げして、欧米、中国などの外国資本の動きに受け身的に従う奴隷市場のように見える。

香港デモにマフィアが介入?~香港の雨傘革命

中国政府が香港で新たに導入した非民主的な選挙方法に反対して、
先月9月下旬から香港で大規模な反対運動(雨傘運動または雨傘革命)が行われている。

下記の映像(先月9/28)では、
香港警察が催涙弾を使用したためにその煙から逃げる人々、
両手をあげて無抵抗を示している人々が写っている。




下記は香港でのデモの様子を無人機で空撮した映像だ。




10/4、
イギリスの大手新聞社ガーディアンによると、
香港のデモを妨害するためにマフィアが介入していると言う。

下記のガーディアンのサイトに掲載されている取材映像では、
一人あたり200~300ドルで雇われたマフィア(三合会=英語名:Traiad)がいる、
と複数の香港市民が証言している。

三合会は香港を拠点にしてマカオ、台湾などに国際的に展開している中国人の暴力団組織で、
日本にも進出していると言われている。

しかし、
香港政府はマフィアとの関係を否定しているようだ。

かつて、英国人作家のマーティン・ブースによれば、1970年時点(イギリスの統治時代)で、香港警察のうち約3割の警官がマフィアの成員を兼ねているか、またはマフィアと何らかの繋がりを持つ関係者であるという証言が出ている。

今回、香港警察は親中派と思われる人々を危険視して排除しているので、
中立を守っているようだ。


●ガーディアンのサイト:香港政府はマフィアとの結託を否定
http://www.theguardian.com/world/2014/oct/04/hong-kong-protesters-cleared-monday-chief-executive

ガーディアンは、昨年2013年6月から、元CIA職員のエドワード・スノーデン氏から託されたアメリカの諜報機関(NSA)の機密資料に基づき多数の記事を掲載した。2014年4月、ガーディアンのアメリカweb部門はNSAによる極秘情報収集活動「PRISM」(プリズム)の告発報道が評価され、ピューリッツァー賞の公益部門金賞を受賞している。
スノーデン氏が最初に亡命した場所も香港で、ガーディアンに掲載された記事作成のための最初の取材も香港で行われた。


今年3月、台湾での議事堂占拠運動でも、
中国本土から送られたマフィアが作った政治結社の一団が議事堂を取り囲んだ。
このナチスの突撃隊のような集団がさらに暴力的な襲撃に出るのではないか、
というウワサを流して恐怖を煽っていた。

市民のいる香港〜市民なき中国本土とのギャップ

中国はいつまで反民主化政策を取るのか?

民主化によって今の中国が変わることを権力層は心底恐れており、
また、
民主化の変革が中国の人々の生活が悪化すると考えているようだ。

実際、中国だけではなく、
自由主義世界にとって最大の課題は富の再分配だろう。

中国だけでなく、
ケイマン諸島やマン島などのタックスヘイブン(非課税の特別地域)に富をおいて税金対策をしている富裕層は多く、
また、
日本でもほとんど税金を払っていない大企業があり、
三井住友フィナンシャルグループやソフトバンクは年間数百万円しか税金を払っていない。

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【参考】
「税金を払わない巨大企業」(文春新書)によると、税金負担率の低い大企業第1位の三井住友フィナンシャルグループは、税引前純利益1479億8500万円であるにもかかわらず、法人税等支払額は300万円。税負担率の低い大企業第2位のソフトバンクは、税引前純利益788億8500万円をあげながら、法人税等支払額は500万円。大手企業の幹部クラスや中小・零細企業でもこの程度の税金を払っていだろう。
なお、3位以降は、3位:みずほフィナンシャルグループ、4位:三菱UFJフィナンシャル・グループ、5位:みずほコーポレート銀行と大手銀行がずらりと続く。今、大手銀行の利益は史上最高値になっているが…。大手銀行の場合は、厳しい世界的な自己資本規制の中で市場の血液であるお金を市場に流すという社会的な意義から歴代政府は各種の優遇政策を取っている。通常、メーカー等の企業は税引後利益から設備投資資金を捻出するが…ソフトバンクの場合は1円でも自社のために使い切るというグレーゾーン、脱税ぎりぎりの節税対策をしているのだろう。
大手企業は、節税のための専門部門をかかえ、外部に公認会計士やコンサル部隊をおいて節税に熱心だが中小・零細企業にはそのようなゆとりはない。上場企業の内部留保が日本の歴史上最大といえる巨額(200兆円超)になっている理由もこうした優遇・節税対策にあるのだろう。


資本主義化政策で生まれた中国の富裕層の半数が中国国外での生活を望んでいると言う。
アンケート的な調査で「半数」ならば、実際はもっと多いだろう。

海外移住先としてもっとも人気があるのが香港で、
3割超の富裕層が香港で生活したいと考えているという。
ちなみに第二位はカナダで、アメリカと続く。

中国本土の人々にとって香港は外国であり、
自由世界なのだろう。

99年間にわたるイギリスの統治下で、
自由世界の一員だった香港では、
世界標準的な市民層が生まれている。

中国本土では人々は「人民」と言われるが、
香港では「市民」が存在しているのだろう。

中国における人民とは、
「人」(共産党・軍等の特権層)が「民」を支配するという意味で、
市民とは、
民主主義社会での構成員、参政権等の権利を行使できる人民を意味する。

世界の多くの先進諸国では、
富裕層の多くは「市民」として国内にとどまり、
経済的豊かさや知見を社会と共有して社会を支える礎となっている。

社会と密接につながっていると考える多くの富裕層は、
今の自分の豊かさの源は、
自分の力だけに起因するものでなく、
顧客、従業員、身近な社会=郷土、安定した国の制度等のおかげだと認識している。

しかし、
中国の富裕層には「市民」としての自覚がなく、
社会との連帯感を喪失している方々が半数以上もいるようだ。

資本主義を積極的に導入した当時の中国のトップ、国家主席・鄧小平は、
「先富論」を説いたがそれは半分は実現し、
半分は絵に描いた餅だった。

「先富論」は、
先に豊かになったものが富を分配して公平な社会をつくるというものだが、
現実は、
先に豊かになったもの=富裕層は生まれたが、
その富を社会に分配せず、富を独り占めしている。

古代から中国で儒教などで君子論が盛んに説かれた理由は、
尊敬すべき君子=為政者・政治家がほとんどいなかったからだと言われるが、
今もそうなのだろう。

中国が民主化できない最大の理由は、
中国共産党や軍・警察の強権だけでなく、
こうした強権を抑制し牽制すべき「市民」層の未熟さ、
社会性のなさにも問題があるのだろう。

国際政治は権力層同士のやり取りだが、
メディアや知識人などの日本の市民層に啓蒙的な視点があるならば、
中国で健全な市民層を育てるような支援や取り組みをすべきだろう。

隣国の心配よりも日本を心配すべきか…
税金を合法的にごまかし、非正規雇用で人件費を浮かして巨額の内部留保を積み上げている、
日本の大手企業に喝を入れないといけない。





香港の「雨傘革命」〜ネット遮断は中国の傘

現在、中国では、
フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなどの外国産ソーシャルメディア(SNS)は利用できない。

香港での非民主的な選挙方法に反対する都心部占拠・デモが激化した先月9月27日以降、
写真共有サイトのインスタグラム(Instagram)が中国政府によって遮断された。

その他、遮断されているウエッブサイトの数は史上最多になっているようで、
削除されているブログ数も多くなっている。


上記の写真は、ズボンの裾をあげて自分で傘をさしている中国国家主席・習近平氏で、庶民派を強調する写真だと言われている。

今回の香港の市民らによる抵抗運動は「雨傘革命」と呼ばれている。
香港の市民らにとって傘は中国本土の反民主主義的な強権から守る象徴だが、
香港で降っているこの民主化の雨を中国はネット遮断という傘で対抗しているようだ。



今年3月18日、
中国と台湾が昨年2013年6月に締結した中国化政策=「サービス貿易協定」の撤回を求めて、
学生らが約300人が台湾の国会議事堂にあたる立法院を占拠し、
4月10日まで占拠し続けた。

この模様はリアルタイムでニコニコ動画で24時間配信され、
日本でもネット上では大きな話題になった。

しかし、
今回の香港での街頭占拠やデモの動きは、
中国政府のネット規制によって情報が遮断され、
リアルタイムで草の根的な情報が世界に出てこない。