個人農場として独立開業して今年で2年目、まだまだ新参者であり、胸を張って上手くいっているとはいいがたい状況ではありますが、アクアポニックスをメイン事業とした個人農場はまだまだ珍しく、たまにではありますが「新規就農するにはどうすればいいか?」という相談を受けたりします。そこで自分の経験談(ほぼ失敗談)をこのブログでまとめることで、同じことを考えている方々の参考になればと思い、書いていきます。
そもそも「農業」、つまり何らかの作物を育てて販売することで収入を得る行為をするにあたっては特別な資格も申請も必要なく、自分が栽培に使用できる土地があれば誰でも、何時からでも始めることができます。
しかし、通常は事業としての農業をするにあたってはある程度の面積(栽培する作物で異なる)の「農地」が必要になり、市町村ごとに設置されている「農業委員会」から借りることになりますが、何の準備もなしに行ってもすぐには貸してくれません。そこでまずは市の農政課に新規就農の相談に行きました。
2021年2月、最初の相談。農政課の担当は若い男性、ここではA氏としましょう。新規就農を考えるならまずは「認定新規就農者」に認められるよう、「青年等就農計画認定申請書」を作成しましょうと提案されました。
この「認定新規就農者」になると様々な行政からの支援を受けられるようになりますが、特に目を引くのが「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」という補助金で、最長5年間で年間最大150万円の用途自由の資金を得られるという支援です。
A氏は申請書の作成方法やその他の準備に関して丁寧に説明してくれました。また、こちらがアクアポニックスという新しい農法で挑戦したいという希望を伝えたところ、前向きに協力してくれると約束してくれました。
農政課での相談の後、その足で農業委員会に向かいました。農政課での相談のアポを事前を取った際、引き続き農業委員会に出向くということで事前に話が通していました。担当の方との話を色々したところ、以下の2点を確認できました。
①「農業次世代人材投資資金」を得る条件として「農地の所有権または利用権を確保していること」とあるが、先に「認定新規就農者」になるための申請書にある「収入計画」で必要な農地面積が計算されるので、その申請書の作成過程の中で必要面積が確定したらまた相談に来る。
②農地の貸与については地域ごとに下限面積が設定されているが(当地は50a)、新規の1年目から適用されるわけではない。ただし、営農計画を普通に考えれば自然とその面積以上が必要になるだろう。
こちらの担当の方も丁寧な扱いをしてくれて、地域担当の方にこちらの希望について情報共有してくれることになりました。
このような感じで初回の相談は終わりました。正直言ってこちらの希望を言っても怪訝な顔をされて適当に扱われることも覚悟していたのですが、予想外に丁寧な扱いを受けて「幸先の良いスタート」と思ってしまった訳ですが、この後は高いハードルに躓いてしまうのでした……