K's SHOPのブログ -10ページ目

ペスト − カミュ

・美しい行為に過大の重要さを認めることは、結局、間接の力強い賛美を悪にささげることになると、信じたいのである。なぜなら、そうなると、美しい行為がそれほどの価値をもつのは、それがまれであり、そして悪意と冷淡こそ人間の行為においてはるかに頻繁な原動力であるためにほかならぬと推測することも許される。


・世間に存在する悪は、ほとんど無知に由来するものであり、善き意志も、豊かな知識がなければ、悪意と同じくらい多くの被害を与えることがありうる。人間は邪悪であるよりもむしろ善良であり、そして真実のところ、そのことは問題ではない。しかし、彼らは多少なりとも無知であり、そしてそれがすなわち美徳あるいは悪徳と呼ばれるところのものなのであって、最も救いのない悪徳とは、みずからすべてを知っていると信じ、そこでみずから人を殺す権利を認めるような無知の、悪徳にほかならないのである。殺人者の魂は盲目なのであり、ありゆるかぎりの明識なくしては、真の善良さも美しい愛も存在しない。


・人間は、あんまり待っていると、もう待たなくなるものである。


・人間が意気地なしになるような時刻が、昼夜ともに必ずあるものだし、自分が恐れているのはそういう時刻だけだ。


・希望なくして心の平和はない。

シーシュポスの神話 − カミュ

・人生は生きるに値しないからひとは自殺するのだ、なるほどこれは真理かもしれない、---だが、これは自明の理なのだから、真理とはいっても不毛の真理である。

若きウェルテルの悩み − ゲーテ

・奸計や悪意なんかよりも、誤解や怠惰のほうがよっぽどいざこざの基になるんだね。すくなくとも前の二つのほうがたしかに珍しいんだ。


・大概の人は生きんがために一生の大部分を使ってしまう。それでもいくらか手によどんだ自由な時間があると、さあ心配でたまらなくなって、なんとかしてこいつを埋めようとして大騒ぎだ。まったく奇妙なものさ、人間というやつは。


・移り気な虚栄心の与える空疎な京楽なんかはまだ全然知らないおぼこなんだから、目的に向ってまっしぐらに進んで行って、その男の妻になりたい、永遠の結合の中に自に欠けてるいっさいの幸福を見つけ出そう、そうしてこれまであこがれていたいっさいのよろこびの束を見いだそうとしたのだ。


・第一印象というものは受け入れやすいし、人間はどんなに現実離れしたことでも信じる気になるものだ。ところがそいつはいったん頭に入ってしまったらこびりついてなかなか離れるものじゃないから、それをあとからかき落とそうとしたり削りとろうとしないほうが賢明なのだ。