n進数におけるn-1の倍数の美しさについて。 | おまじないコブラはじめました。

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河内美雪さんの『借金王キャッシュ』好きが昂じてこのようなタイトルをつけましたが、中身は数学オタク中年乙女のボヤキです。悪しからず御了承くださいませm(_ _)m

科学的考証とかできてないため、ウンチクは話半分で読んでください。

みなさんは九九を覚えるのは得意でしたか?

ワタクシは苦手でした。

なぜかというと

「2の段や5の段は覚えやすいのになんで7の段はこんなに覚えにくいのか」とか

「奇数を小さい方から足していくと足した個数の二乗になるのはなんでか相当(当時は奇数とか二乗なんて言葉は知らない)」とか

「9の段を縦に並べると、なんで1から9と9から1がきれいに並ぶのか」みたいなことばっかり考えて、覚える努力を忘れてしまう子供だったからです。

長々と書きつらねましたが、要するに「すぐに目的を見失うアホの子」だったわけです。

そんなアホの子が、四半世紀よりは半世紀に近い時を経て、改めて9の段の魅力を語る―本日はそういう企画です。


あ、待って、閉じないで!せめて実際に9の段だけ見ていって(懇願)!!


というわけで、9の段を書き出してみましょう。

  9 × 1 =     9
  9 × 2 =  8
  9 × 3 =  7
  9 × 4 =  6
  9 × 5 =  5
  9 × 6 =  4
  9 × 7 =  3
  9 × 8 =  2
  9 × 9 =  1

というように、段が進むごとに
一の位は9→8→7→6→5→4→3→2→1と減少していき、逆に、
十の位は(0)→1→2→3→4→5→6→7→8と増加していきます。

そして、かける数によらず、計算結果の一の位の数字と十の位の数字を足すと9になります。文章で書くと誤解が多そうなので数式を使用しますと

①任意の9の段の計算結果を 10a+とした場合、必ず a+b=9 となる

と言えます。

その他にも、9にかける数をc(cは1~9の整数)とすると

aは必ずcより1小さい(かける数が1なら計算結果の十の位は0、2なら1、3なら2…という程度の意味ですよ)
③必ずb+c=10(①②が成り立つなら当たり前なんだよね)

と、いろいろな法則性が見てとれるのです。

余談ですが、これはかける数を10まで拡張しても成り立ちます。

  9 × 10 = 0   について

①~③を計算すると
9+0=9
9-10=-1
0+10=10

てなもんです。そして、9×9の下に並べても、ちゃんと一の位、十の位それぞれの数の増減法則に従います。

「いや~、なんかようわからんけど美しいなぁ」

と、小学校低学年児童が当時なりのボキャブラリーで思っていたことは伝わりましたでしょうか。

実は、この美しさは、9という数が10より1だけ小さいことによってもたらされるものなのです。

言い換えれば、9が10になって次の位に上がる(別に偉くなるわけではないよ)には1を足す必要があるということです。

仮に今、ここに9が2セットあったとしましょう。

どちらかを10に位上げしようとすると、片方から1を引いてもう片方に足す必要があります。

9が3セットあったなら、1セットから2を引いて残り2セットの9に1ずつ足すことで最大数位上げができます。

という風に素朴に考えていけば、9の倍数が、かけた数より1少ない十の位と、9から十の位の数を引いた数で表せることがわかります(文章が分かりにくいタラー)

現在(たぶん将来的にも)世の中ではいわゆる10進数がデフォルトで使われているので、9の段がこの美しさを体現する地位にありますが、仮にこの世が8を位上げの単位にする=8進数で計算するような世界になったとすると、その地位は7に取って代わられます。

というわけで、10進数の1~21を8進数で書いてみましょう(右側緑色字が8進数表記になります)。

  1→1
  2→2
  3→3
  4→4
  5→5
  6→6
  7→7
  8→10(位上げ)
  9→11
  10→12
  11→13
  12→14
  13→15
  14→16
  15→17
  16→20(位上げ)
  17→21
  18→22
  19→23
  20→24
  21→25

これを使って、8進数での7の段を記述していきます。

  7 × 1 =    7
  7 × 2 = 1 6
  7 × 3 = 2 5
     :
てなあんばいです。

よろしければ、この先も計算してみてください。ちゃんと

・一の位は7→6→5→4・・・、十の位(10進数では8相当の数のカタマリのセット数)は(0)→1→2→3・・・となっていく
・一の位の数と十の位(前項同様条件)の数の和は7(位上げになるのに1足りない数)
・十の位(前項同様条件)の数はかける数より1小さい
・(最後のヤツは2,3番目が成り立てば成り立つので略)

となっております。

これを、記号を使って一般化すると

「n進数でn-1のm倍を10a+b(ただしnを10
と表記する)とした場合、a+b=n-1、a=m-1、b=n-mである」みたいな感じになりましょうか。


ああ、なんだか頭が痛いみたいなそこのあなた、もうちょっとだけ我慢してお付きあいください。


そんなわけで、もしもこの世界で標準的に使用されているのが8進数なら、かつてのワタクシのようなとっちらかった児童でもすぐに7の段を覚えられそうです。

が、それと引き換えに、比較的覚えやすかった3の段や5の段がさっぱり覚えられなくなりそうです(3×1=3,3×2=6,3×3=11,3×4=14 …Why Japanese people!? ですよ、多分)。

通常の10進数の九九で、2の段や5の段が覚えやすいのはそれらの数が10の約数だから、9の段が覚えやすいのは10より1少ない数のかけ算だから。そして3,4,6,8は2の倍数と9の約数になっており関連付けられるので比較的覚えやすいのです。

そういう事情で、位上げのためのユニットを10で括る10進数は実はけっこう便利なのですよ。たぶん。

そう思うと、1~9までの数の中で、7というのは孤独な数字なんだと感じます。でも、それが故に7には独特な魅力があるようです。今読んでいる本には、なんかようわからんけどとにかく凄い天才ラマヌジャンが7の素晴しさを語っている描写があります(はずですが、まだそこまで進んでない)。

とはいうものの、それはワタクシの知性の地平線のまだ向こう側。読書も、7の素晴しさの本質も、一体いつそこに辿り着けるんだか…


【オマケ】
今回解説してない「奇数を小さい方から云々」については、よろしければ次の過去記事をご参照下さい。