『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ短編が四作収められています。
図書館に、『夜の底は柔らかな幻』の下巻を借りにいったら、隣に並んでたので、ついでに借りて帰りました。
並べるなんて、図書館の職員さん、グッジョブ。
既読だけど、前回の感想読んでも、思い出せないところがあったので、下巻の前に再読してみました。
結果、これはナイス判断でした。
で、今回は、『夜の底~』関連で改めて気づいたところを特化して、自分用にφ(..)メモメモ。
両方の本のネタバレになりますので、未読の方はスルーお願いします。
初読の時の感想は、こちら。 ↓
『砂の夜』
勇司とみつきが、アフリカ北部の紛争地で、医療活動中に遭遇した連続殺人事件。
『ブルボン』のナポリタンで、お互いが途鎖の出身だと判明。
一向は、砂嵐に閉じ込められるのですが、『夜の底~ 上』のラスト近くで、黒塚と葛城が小学校の校庭で、イロを使って繰り広げるバトルが砂まみれなんです。
ストーリィ的に繋がりはないけど、上巻読んだすぐ後だったので、その遊び心が おもしろくて、一人でニヤニヤ。
そして、こちらのラストで明かされるアジア系の護衛の青年の名前が「ルカス」。
おーっ、青柳だったのかぁ。
こっちを先に読むと、こういうとこワカランよなぁ。
もっとも、忘れっぽい私は、それ以前に気づかない可能性もありますが。。。
そして、気になるみつきがルカスに感じたイメージの黒っぽい水面。
これ、『夜の底~ 下』に出てくるのか要注意。
『夜のふたつの貌』
医学生:勇司の目を通して語られる大学生時代の葛城。
孤独で無口な葛城、なんかイメージ違うな。
でも、やられたらやり返す一匹狼感は、紛うことなき葛城です。
ハードな勉強に追われる学生たちの間に出回るアッパー系のクスリ。
反対に、ダウナー系の「イロ」を消すクスリの噂も。
山でソクが牛耳ってるというクスリと関係あるのかな。
この点も、『夜の底~ 下』で、確認しなくっちゃ。
そして、葛城と藤代家の関係の嚆矢がここに。
『夜間飛行』
葛城が、入国管理局のスカウトを受け、キャンプに参加。
山の中の王国:フチに君臨する闇の王:ソクに対抗できる”すごい奴”
確保のため、葛城ら五人が声をかけられていました。
キャンプ最終日に姿を現したそのうちの一人が、神山。
残りの三人は、初日にリタイア。
青柳と二人は、かつて山から一緒に下山した仲間?
青柳は、ヨーロッパへ渡り、傭兵に。
葛城は、入国管理官に。
そして、神山は、ソク?
タイトルは、神山の母の香水の名前でした。
ゲランやね。
『終りなき世に生まれつく』
神山がダークな世界で生きるきっかけとなった連続殺人事件。
神山が殺したのは、実は一人だけ。
否、二人か。
そして、十四カ月後、最初のテロ事件を起こす。
このテロは、下巻で語られるのでしょうか。
神山と一緒にくらしている女性って……。
もしかして実邦?
そして、神山がラストにみた昏い湖とは、みつきがルカス(青柳)の中に見た、黒っぽい水面と同じなのかなぁ。
息を殺すように静かに生きていた神山だったのに、これはイタイ。
週刊誌の契約記者:岩切和男との遭遇さえなければ……。
というか、なんかムカつくなぁ。
まぁ、岩切も余計なことしなきゃ、殺されることもなかったと悔やんでることでしょうが。
ここに来て、ウイリアム・ブレイクの詩「罪無き者の予言」が、胸に迫ります。
さて下巻は、どんな展開が待っているのでしょう。
大きな期待と一抹の不安を抱いて、進みますよぉ。
「夜毎に朝毎に
みじめに生まれつく人あり
朝毎に夜毎に
歓びに生まれつく人あり
歓びに生まれつく人あり
終りなき世に生まれつく人あり」