シンガポール通信 -26ページ目

シンガポール通信

Uniquely Singapore
with Global View

「松の内」もすぎ、正月気分もなくなってきたところではありますが、おくればせながら、明けましておめでとうございます。

さて年の初めというと、「年頭所感」といったかたちで各層、各組織等のリーダーからのビジョン・メッセージというものがメディアを賑わすのですが、今最も注目されているビジョン・メッセージは、一週間後の1月20日に迫った米国第44代バラク・オバマ大統領の就任演説でしょうか。

報道によると、今回の大統領就任式典の観衆は史上最多の200万人を超える人が集まる見込みだそうです。
(近年の就任式で最多は1965年のジョンソン大統領の約120万人。因みにブッシュ大統領2期目の2005年は約30万人だったそうです。
ただ、人口せいぜい60万人程度のワシントンにこんなに人が集まって大丈夫なのかしらと、余計なお世話でしょうが心配になります。)

演説内容は未だ不明ですが、式典のテーマは、リンカーンの「ゲティスバーグ演説」(1863年)の一節から取った「自由の新たなる誕生」“A New Birth of Freedom”となっています。

オバマ氏は17日には、独立宣言が起草されたフィラデルフィアから鉄道でワシントン入りするとのこと。
これもリンカーン元大統領(因みに共和党ですが)が1861年の就任式に際し、鉄道でワシントン入りした史実を踏まえたものになっているとのことです。
(しかしまあ、こんなにリンカーンを真似てて大丈夫なんでしょうか)

まあ、とはいえリンカーン生誕200周年に当る今年、果たして如何なる内容の演説となるのかは注目されます。
多くの人々が、「何か」を「期待」しているのでしょうが、まあ何はともあれ、70年前の忌まわしき歴史のきっかけともなった「保護主義」への傾斜だけは避けてもらいたいと切に願うものです。


さて、よその国のことはともかく、翻って、わが国日本のリーダーによるビジョンの提示とメッセージとは一体いかなるものなのでしょうか。
(全文は官邸HP御参照http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/01/01syokan.html

「景気対策に全力を尽くす」「世界で最も早く不況から脱出する」云々という、相変わらず根拠の薄いただの精神論としての言葉だけが発せられている感がぬぐえずビジョンと呼べるものが見当たりません。
一国のリーダーとしてのメッセージとしてはいかがなものでしょうか。
(この点、一国のリーダーではございませんが、1月6日付日経新聞「経済教室」に“希望再興へビジョン描け”と題して寄稿されていた作家の村上龍氏が指摘されているポイントは、非常に共感できるものでした。)


一方、当地シンガポールでもリー・シェンロン第三代首相(リー・クアンユー初代首相の長男です)による年頭メッセージがありました。
(全文は首相府HP御参照http://www.pmo.gov.sg/News/Messages/New+Year+Message+2009.htm

当地ではもともと年頭メッセージよりも通常2月に行われる(今年は1月22日に前倒しで発表されます)来年度予算(シンガポールの会計年度は4月-3月です)発表時のメッセージと8月9日の独立記念日メッセージが注目されるのですが、今年の年頭メッセージにおいても相変わらず簡潔にわかり易くシンガポールが置かれている現状の認識と取るべき方向性が示されています。
詳しくは上記HPご参照下さい。
又、この年頭メッセージとは別に1月3日に首相が発した(かような経済危機時においても、なおのこと/だからこそ)
No Compromise on Education"という「教育」を重視する姿勢(及びその裏付けたる具体的な政策)というのが、いかにもシンガポールの首相らしいメッセージとして印象深かったと共にシンガポールを知るキーワードの一つだなあと思った次第です。
いよいよ激動の西暦2008年(平成20年)も残りわずか。
間もなく正月なのですが、当地シンガポールにおりますと、グレゴリオ暦の1月1日というのは、単に祝日の一つという程度の位置づけでございまして、後述しますが、人口の大半を占める華人系の人々がお祝いする所謂「春節」(チャイニーズニューイヤー)が当地でいうところの正月です。

もっとも多様なエスニシティで構成されるシンガポールですので、各エスニックにより「新年」は違います。

そこで今回は新年についてお話します。

まずは、日本の正月。(以下、ウィキペディア「正月」からの抜粋)

"「正月」とは、本来1月の別名だが、現在は1月1日から1月3日まで(三が日=さんがにち)、または「松の内」(元々は1月15日まで、現在は一部地域を除き7日まで)を指すことが多い。また、1月20日までを正月とすることもあり、1月20日を二十日正月(骨正月)と呼ぶ。新暦の元日を軸とする「大正月」(おおしょうがつ)と旧暦の15日を軸とする小正月(こしょうがつ)と呼ぶものがある。大正月はまた大年(おおどし)、男の正月と呼ぶのに対して、小正月を小年(こどし)、女の正月と言うところもある。12月8日(関西では13日)を「正月事始め」と称して、正月準備が始まる。1月1日を元日、元日の朝を元旦(がんたん)と呼ぶ。"
次に、中国、東南アジアの正月。

"中国暦(太陰太陽暦):グレゴリオ暦1月21日~2月21日の間の新月の日が春節(正月) 。中国暦はグレゴリオ暦と異なり、天体の月の運行により天文学的に決められる為に約1か月の間で移動がある。 十干十二支の60年サイクルで各年に12種類の動物と10種類の要素の組み合わせ(干支)の名前が付けられる。
中国・韓国・台湾において重要なのは旧正月(春節)であるが、元日も法定休日になっており、中国・台湾では「元旦」と呼ばれ、1日の休日、韓国においては「新正」と呼ばれ、1日の休日となっている。香港やシンガポールなど中国系文化圏でも、旧暦の正月にお祝いをすることがほとんどであるベトナムの新年、Tet Nguyen Dan は中国暦と同じになることが多いが、経度の差から1ヶ月の違いがあることもある。
タイの新年はグレゴリオ暦4月13日~15日に、水を投げて祝う。(ソンクランと呼ばれる)"

ということで、シンガポールにおいては、1月1日(ニューイヤーズデイ)の祝日の次の祝日は春節(チャイニーズニューイヤー)となり、2009年ですと、1月26日(月)になります。

当地では、26日と翌日の27日の二日間が休みになります。

一方、お隣のマレーシアでは、1月1日(ニューイヤーズデイ)の祝日の次の祝日は、イスラム暦正月の(来年だと)1月10日で、その次が26日前後のチャイニーズニューイヤーの祝日となっており、1月に3種類の新年が祝日になっています。
こうなってくると、新年って一体何なのかしらと混乱してくるのですが、まあ休みが多くてよしとしましょうか。

いやー、それにしても今年はすごい年でした。(未だ終わっていませんが)
間違いなく歴史に残る「あの年」になりますね。

世の中、右も左も(上も下も)、暗い話題には事欠きませんが、それほど凄い(と言われている)、「めったにない」時代に遭遇しているっていうのも、まあ逆に考えてみると、同じく「めったにできない」経験とも言えますので、ある意味、ラッキーだと思うくらいの気持ちでもって、まあこれはこれとして淡々と受け入れた上で考え、行動するしかないということでしょうか。

それでは最後に今思い浮かぶ今年、そして来年に向けての言葉を二つほど。

「市場は、最高に見えるときに最も危険であり、最悪に見えるときに最も魅力がある」 ----1930年、フランク・J・ウイリアムス
「漢字で危機(クライシス)を意味する言葉は、二つの文字から成り立っている。第一の文字は、危険(デンジャー)を意味し、第二の文字は機会(オポチュニティー)を意味する」

では皆様、(月並みですが、)良いお年を。

前回、前々回と、夫々、「外国送金」「外貨両替」をテーマに、シンガポールから見た日本の金融サービスの特殊性の一端につきお話してきたのですが、今回は、日本でもどこでも御馴染みのATMについてお話します。

例えば急に現金が必要になったときは(別に急でなくてもいいのですが)、普通、自分の口座がある銀行のATMに駆け込むものと思うのですが、私は日本で夜中にそういう状況になったときに愕然とした覚えがあります。

なんと、ATMが24時間稼動していなかったのです。

別にシンガポールに限らず他のアジアの諸国や、私が知る限りの他の諸外国において24時間稼動していないATMなど、実は見たことが無かったので、その時は本当に不思議なものを見る気分で驚きでした。

一体、何故なのでしょうか?

更に、別のときに、夜ではあったもののそれほど遅くない時間でしたのでATMが稼動していたのですが、現金を引き出して明細を見てみて再び愕然。

「時間外利用手数料」なるものを取られていたのです。

「時間外利用手数料」って一体何なんでしょうか?(動いているのに時間外?)


ついでにもう一つ。以上は日本の銀行発行のキャッシュカードでのお話ですが、私が持っているシンガポールの銀行(DBSですが)のキャッシュカードで自分のSGD口座からの引き落としで日本円を引き出そうとしたことがあったのですが、いくつかのATMを探しても、なんと受け付けてくれるATMが全く身近に見当たらなかったのです。
よくみると、どこにもPlusとかCirrusとかの国際ネットワークを示すステッカーがないんですよね。(正確に言うと「ないところの方が多い」ということで、あるところにはあるようですが、見つけにくいというのが実際です。)

シンガポール外への、ほぼどんな国への出張や旅行において、現金両替をしていない際に現地通貨現金が必要なときは、その国のその辺のATMで国際キャッシングするのが普通なもので(これは別に私に限った話ではなく皆さん同様だと思います)、どこの国でも普通のATM自体が普通に国際ネットワーク対応のものですから、日本でこういった状況に陥ったその時は本当にどうしようかと途方にくれた覚えがあります。

ということで、日本における一般的なATMなるものは、日本においてのみ「普通」なのであって、外から見たら「不思議」というか「変」なんですよね。

で、このATMのありようそのものの特殊性に加え、更に不思議なのがATMを使った振込み支払いに「手数料」なるものが課せられる事です。

他行宛支払いであれば百歩譲ってしょうがないにせよ(もっとも、シンガポールにおいては、どこの銀行宛ての支払いだろうが、ATMあるいはネットバンキング系由であればシンガポール内の送金は全て無料です。)同行宛の支払いにおいてすら、その支払い指示自体をユーザー自らがインプットし行っているにもかかわらず、一体何の「手数料」を取られているのでしょうか?

現金預け入れ、引き出し、あるいは電子データとしてのCredit/Debit (Incoming/Outgoing)なんてものは、凡そ経済活動の基本中の基本であって、経済活動が活発になるということは、こういった取引のトラフィックが増えるということなのでしょうが、日本の現状をみていると、上記のATMのあり方、「手数料」のあり方(以前指摘した「外貨両替」「外国送金」も含め)どれをとっても、ユーザーの視点に立っていないどころか、なんか故意にトラフィック自体を下げようとしているかと思わせるほど、相変わらず既得権益の都合でしか動いていないと感じるのは私だけでしょうか……。


■振り込み手数料の不思議

先程の振り込み手数料なんですが、金額で3万円を境に手数料が上がるのが一般的なようですね。でも一体何故に?もしかして収入印紙としての税金200円をのせているから?だったら200円だけあがればいいものの、何故か出来上がりはこの200円の税金にも更に消費税相当がのっかっていて、つまり現時点では210円追加で上がるようなのですが、不思議ですねえ。

もっとも、印紙税の納付義務は書類(この場合は領収書)作成者側(=銀行)にあるわけであって、そもそも何故それがユーザーに転嫁されるのかのきちっとしたロジックは整理されていませんよね。

口座開く際の預金通帳の200円は転嫁されないのに……。