「松の内」もすぎ、正月気分もなくなってきたところではありますが、おくればせながら、明けましておめでとうございます。
さて年の初めというと、「年頭所感」といったかたちで各層、各組織等のリーダーからのビジョン・メッセージというものがメディアを賑わすのですが、今最も注目されているビジョン・メッセージは、一週間後の1月20日に迫った米国第44代バラク・オバマ大統領の就任演説でしょうか。
報道によると、今回の大統領就任式典の観衆は史上最多の200万人を超える人が集まる見込みだそうです。
(近年の就任式で最多は1965年のジョンソン大統領の約120万人。因みにブッシュ大統領2期目の2005年は約30万人だったそうです。
ただ、人口せいぜい60万人程度のワシントンにこんなに人が集まって大丈夫なのかしらと、余計なお世話でしょうが心配になります。)
演説内容は未だ不明ですが、式典のテーマは、リンカーンの「ゲティスバーグ演説」(1863年)の一節から取った「自由の新たなる誕生」“A New Birth of Freedom”となっています。
オバマ氏は17日には、独立宣言が起草されたフィラデルフィアから鉄道でワシントン入りするとのこと。
これもリンカーン元大統領(因みに共和党ですが)が1861年の就任式に際し、鉄道でワシントン入りした史実を踏まえたものになっているとのことです。
(しかしまあ、こんなにリンカーンを真似てて大丈夫なんでしょうか)
まあ、とはいえリンカーン生誕200周年に当る今年、果たして如何なる内容の演説となるのかは注目されます。
多くの人々が、「何か」を「期待」しているのでしょうが、まあ何はともあれ、70年前の忌まわしき歴史のきっかけともなった「保護主義」への傾斜だけは避けてもらいたいと切に願うものです。
さて、よその国のことはともかく、翻って、わが国日本のリーダーによるビジョンの提示とメッセージとは一体いかなるものなのでしょうか。
(全文は官邸HP御参照http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/01/01syokan.html
「景気対策に全力を尽くす」「世界で最も早く不況から脱出する」云々という、相変わらず根拠の薄いただの精神論としての言葉だけが発せられている感がぬぐえずビジョンと呼べるものが見当たりません。
一国のリーダーとしてのメッセージとしてはいかがなものでしょうか。
(この点、一国のリーダーではございませんが、1月6日付日経新聞「経済教室」に“希望再興へビジョン描け”と題して寄稿されていた作家の村上龍氏が指摘されているポイントは、非常に共感できるものでした。)
一方、当地シンガポールでもリー・シェンロン第三代首相(リー・クアンユー初代首相の長男です)による年頭メッセージがありました。
(全文は首相府HP御参照http://www.pmo.gov.sg/News/Messages/New+Year+Message+2009.htm
当地ではもともと年頭メッセージよりも通常2月に行われる(今年は1月22日に前倒しで発表されます)来年度予算(シンガポールの会計年度は4月-3月です)発表時のメッセージと8月9日の独立記念日メッセージが注目されるのですが、今年の年頭メッセージにおいても相変わらず簡潔にわかり易くシンガポールが置かれている現状の認識と取るべき方向性が示されています。
詳しくは上記HPご参照下さい。
又、この年頭メッセージとは別に1月3日に首相が発した(かような経済危機時においても、なおのこと/だからこそ)
”No Compromise on Education"という「教育」を重視する姿勢(及びその裏付けたる具体的な政策)というのが、いかにもシンガポールの首相らしいメッセージとして印象深かったと共にシンガポールを知るキーワードの一つだなあと思った次第です。