心のケアは禅タロット、
身体のケアはアロマで癒す
緩和アロマセラピストの松浦智恵美です
緩和ケア病棟のボランティア活動を始めて
あれは何回目だっただろうか。
週に一回、活動に入ってたんだけど、
活動１ヶ月が経った頃だったような気がする。
早かった記憶が残っている。
看護師さんに声をかけられた。
「松浦さん、
今、手が空いてる？
○号室の Aさんに、軽くでいいので
少しの時間、
脚を擦ってもらえないかしら？」
「はい、勿論いいですが、
（ボランティアの）私でも良いんですか？」
末期がんの患者さんのお身体に
一介のボランティアが、
触れてもいいのだろうか...
一瞬、ためらいながらも
頼まれた以上は、断りたくなかった。
だって、その為に来ているのだから。
その為というのは、
ほんの少しでも助けになれば、
という思いで来ているからね。
頼まれた以上、断りたくない(^.^)
「衣服の上から、
軽く撫でるだけでいいんだけど、
嫌だったら、、、」
「あ、大丈夫です、大丈夫です！
やります」と私。
「何かあったら、すぐナースコールを
押してくださいね」
看護師のお仕事は
多岐に渡ってキリがない。
辛さを訴えていると分かっていても
一人の患者さんに付きっきりで
長くいられないのだ。
こういう時こそ、
ボランティアは有難い存在なんだな...
自分が頼られ、
病院側の人間として
受け入れられているようで
自尊心がくすぐられた。
末期になると、こんな感じで（写真↓）
クッションを挟まれている患者さんも多い。
（この写真は、実技講座用に撮ったもの）
患者さんの個室に伺った。
もう20年前のことで、
記憶は朧げだけども、
病室だけは
今でもはっきりと覚えている。
パジャマを着ている７０代くらいの
男性が、ベッドに横たわってらした。
「看護師に言われて、脚を擦りにきました。」
「ああ、お願いするよ。
脚が、だるいんですよ」
最初は緊張したけども、
パジャマの上から、
膝から足首辺りまでを、
優しくスリスリするように
しばらく撫でさすりました。
その時、脚を擦りながら、
何か話もしたような気がするけど
もう忘れちゃった。^^;;
話の内容よりも、
始めて、末期癌患者さんの痛み、
というか辛さの一つに、
夜も眠れないほど、
脚の重だるさがある
ということを、
その時初めて知りました。
うちは、癌家系ではなくて、
身近にもあまりいなくて、
がんについて、全く無知でした。
初めてやったとき、
マッサージとはとても言えない
ものだったと思うけど
子猫ちゃんの背中をナデナデするように、
優しく何度も何度も撫でさする。
それだけでも
充分に辛さや痛みが
和らぐものなのだ
と知った体験でもありました。
痛みには、強さや種類（？）がある、
がんの痛みを「疼痛」と言うけれど、
「疼痛」は、同じ強さの痛みが
ずっと持続する痛み。
角に思いきり向こう脛を
ぶつけたら、超痛いけど
時間が経てば、だんだん痛みは薄らぐ。
がんの痛みは、そうではないのだ。
痛みは、皮膚を触ると
触覚の方が意識しやすいので、
痛みが和らぐ効果があると聞いたことがある。
だから、優しく撫でさすると
痛みが和らいだ感じがする。
「痛いの痛いの飛んでいけー」は、
実は、科学的根拠があるのである。
とても喜ばれたのは
言うまでもありません。
本当は、看護師さんだって
そういうケアこそ
やって差し上げたいだろうに。
多忙で出来ないからこそ
時間に融通のきくボランティアに
託してくださったんだと思った。
看護師さんからも、
「患者さんが、
とても喜んでくださってたわよ
ありがとう」
と、後で感謝された。
自分のちょっとした行動が、
役に立っている感じがして、
とても嬉しかったのを覚えている。
それからと言うもの、
ボランティアによる、
ナデナデの依頼が増えていきました。
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