前回、ルネッサンス期の銅版画「メランコリア l 」を取り上げました。
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「メランコリア l 」 アルブレヒト・デューラー作
この絵を「憂鬱の擬人化」と説明しましたが、この「憂鬱」とは、古代医学「四体液説」における人間の4つの性格のうちの1つをいうのだそうです。
「四体液説」とは「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」の4種類を人間の基本体液とし、そのバランスが崩れると病気になるとする体液病理説です。
古代インドやギリシャで唱えられました。
そして人間の気質も、この4体液のバランスから決まるとされているのです。
このうち「黒胆汁」が過剰な人は「憂鬱質」になることから、古代ギリシャ語の「黒い=メラーネ」と「胆汁=コリア」を合わせて、憂鬱を意味する「メランコリア」という言葉が生まれました。
黒胆汁多いんだよネ!
この「憂鬱」という言葉、ロシア語では「トスカ」といいます。
そしてロシアでは、鬱状態になることを「トスカに噛まれた」というそうです。
「私たちは、生まれた時から心の中に「トスカ」が棲んでいて、「トスカ」に噛まれたら元気がなくなってしまう」
「そんな時はじっとして「トスカ」が治まるのを待てばいい」
・・ロシアのお母さんは子どもにそう教えるのだそうです。
(憂鬱=トスカ= 生き物? (・Д・)))
この「トスカ」はロシアのマクシム・ゴーリキーの小説のタイトルになっていますが、小説家・二葉亭四迷はこれを「ふさぎの虫」と訳しました。
人間は生まれてくる時、魂の中に一匹の厄介な虫を宿している。
普段はおとなしくしているけれど、何かのときにハートにちくっと噛み付く。
そこから注ぎ込まれた「毒液」が、黒いインクのように広がり、
心の中は「憂鬱」に満たされてしまうのだ。
(「黒い毒液」とはまるで「黒胆汁」のようですね! ( ゚д゚))
この「ふさぎの虫」とは一般的に、気分が晴れないことを、体内にいる虫のしわざとする比喩的な表現ですよね。
でももしかしたら、比喩じゃなく、本当にそんな虫がいたりして? (((;゚Д゚)))
「憂鬱」とは、ふさぎの虫の毒液が、体内で広がること?
・・だったりして? ( ゚д゚)?
毒液を注入じゃ!
そしてその「ふさぎの虫」とは、もしかしたら「三尸(さんし)」のことなのではないでしょうか・・? (・Д・)
(三尸(さんし)=人体に棲み、宿主の寿命を縮める虫)
またまた登場 ハロー♪
・・いろいろ掘ってもやっぱりここに着地・・? (゚∀゚)
オマケ・・♪ (^。^)
「ふさぎ虫」発見! ( ´▽`)
歌川芳虎「諸病諸薬の戦ひの図」の一部分
擬人化した薬「錦袋円」が「ふさぎ虫」を持ち上げている