「鏡の国のアリス」について、最近よく調べることがあるのですが、そうしたら面白いことがわかりました。
実は「鏡の国のアリス」には、削除された章 が存在していたのです。
作者の死後80年ほど後の1974年、この削除部分の校正刷りが、サザビーズのオークションに出品されたことで、初めてこの章が世に出たそうです。
失われた章は、「かつらをかぶった雀蜂(すずめばち)」
本来「白の騎士」と「女王アリス」の間に挿入されるはずだった場面です。
そこにはアリスと年老いたスズメバチとの対話が描かれています。
前回、トゥィードルダムの「ガラガラ」が、「頭蓋骨」の比喩ではないかというふうに書いたのですが・・・(トンデモ説です^_^;)
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この章でも、スズメバチが、自分がかぶっている「かつら」について説明する部分があり、「頭にかぶっているもの」ということで、共通点があるように思えるんです。
以下、この章の中から二人の会話の気になる部分をあげてみます。
「おかげんがお悪いのね」
「何かしてあげましょうか?」
「かつらがろくでもないからじゃよ」
「かつらがろくでもないから?」
「おまえだって不機嫌になろうさ、わしみたいなかつらをかぶっておればな」
「皆が笑いものにしよる。
そしてごじょごじょいいよる。
するとわしは不機嫌になってきよる。
そしてわしは寒くなってきよる。
そしてわしは木の下にやってきよる。
そしてわしは黄色いハンカチを取り出しよる。
そしてわしはこの顔をしばりよる・・いましとるようにな」
スズメバチは自分の話を詩にします。
「若かりしわしの巻毛は波打って 髪は豊かにふさふさと
すると皆が口をそろえ 『髪それば黄色いかつらが似合うぞよ』
ところが皆の忠告どおりに やってみせたわしを見て
なんじゃさほど似合わない 思ったほどによくはない。
どうもしっくりおさまらん まるで見映えがせんではないか、
そういわれたもののどうしよう? 巻毛は二度とはえはせぬ。
かくていまや老いたるわが身 髪の毛なぞはどこかへ消え失せ
それでも皆はわしのかつらを引ったくり
『よくもまあ、こんながらくたかぶりおる!』
さらにはわしの姿を見ようものなら 野次りまくって『豚!』と呼ぶ
それというのも、なあ、おまえ わしの黄色のかつらのせいじゃ」
「お気の毒ですこと」
「そのかつらがもう少しぴったりなら、そんなにからかわれないですむんでしょうけれど」
「そういえば、おまえさんのかつらは実にぴったりしとる」
「なにせその頭の恰好がいいからな。
しかし顎の恰好はあまりいただけん・・・
うまいこと噛めんじゃろが」
「これでもなんだって噛めるんです」
「そんな小づくりの口じゃ、そうはいかん」
「もしおまえさんが取っくみ合いをしているとしてだ、いいかな・・ そやつの首筋にくらいついてやれるかね?」
「できません」
「じゃろ、その顎が短かすぎるからじゃよ」
「しかしおまえさんの頭のてっぺんは実にまるっこい」
「それからおまえさんの目じゃが・・
前に出っぱりすぎておるな、まったく。
ひとつで足りるんじゃなかろうかね、ふたつともそんなにくっついていなくちゃならんのなら・・」
(「かつらをかぶった雀蜂」柳瀬尚紀訳)
・・相変わらず、わけのわからない、意味不明な内容のように思えます・・^_^;
これを前回と同じように、「かつら」→「頭蓋骨」→「脳コンピューター搭載VRヘッドセット」と、(ムリヤリ)解釈してみると・・・
「かつらが ろくでもない から 」
「ろくでもないかつらを付けているから不機嫌になっている 」
=「難易度の高いゲームで、苦戦している」
・・ということかもしれません?? ( ゚д゚)
(人気のあるゲームほど難易度が高く、そしてホラーが多いですよね(^。^))
「目が前に出っぱりすぎている」
・・っていうのも、奥に「第三の眼」が隠れていることを言っているのかも??
(いろいろ妄想を繰り広げてしまいます・・(^。^))
削除され、正規版のアリスには存在しない、
「 幻のアリスの物語」
他の章と同じように、全く意味不明なストーリーに思えますが、その中に隠された真理が詰め込まれているような気がしています・・ ^ ^