さようなら、上野山功一さん

　まただ。またしても訃報だ。
　それも自分が、たいへんお世話になった方が。

　上野山功一さん。享年89歳。

 

 

　上野山さんは数年前からご病気で倒れられた奥さまの介護をしておられましたが、最近では介護とご自身の療養を兼ねて福島市内の施設へ入所されている、という情報は伺っておりました。
　しかし、その後の近況についてはなかなか入ってこなかったため、実際のところどうされていらっしゃるのかはわからなかったのです。

　2021年7月まではブログの更新をされてます。ちょうどそのころ、伴大介さんのツイキャスへゲストとして電話出演されましたが、それを最後に情報が途絶えてしまったのです。
　それまでは奥さまの塩梅のほうが心配だったのですが(私は奥さまとも面識がある)、上野山さんご自身がそんなに悪くなさっていたとは思っていなかっただけに、非常にショックなことで。
　･･･いや、まったく心配してなかったわけではありません。例えば年賀状。私に年賀状をくださる方といえば上野山さんと伴大介さんのお二人くらい。“イナズマンF(フラッシュ)”コンビから。1年おきくらいで石森史郎さんからいただくこともありますけど･･･ずいぶん平均年齢が高いです。

　基本的に私は年賀状は出さないのですが、くださる方へはお返しすることにしています。伴さんからは今年も来ました。しかし上野山さんは去年からそれが止まっていたのです。
　さすがに今年は気になったので、こちらから年賀状を出してみたんです。ご自宅宛てに出したので、はたして上野山さんのもとまで届いたのかはわかりません。

 

 

　いっぽう東映チャンネルでは2月1日まで、かつて上野山さんがレギュラーで出演していた特撮ドラマ『イナズマンF』が放送されていました。知人がこの番組を見たがっていたので、録画して見せてあげようと思いながら編集してたんですよ。
　その作業をしつつも、つい手が止まり、見入ってしまう回がありました。ナチスの臭いがプンプンしてくるような回。久しぶりに見たけど、かなり胸にくるエピソードでした。

 


　上野山さんがお亡くなりになったのは、ちょうどこのツイートをした日だったようです。1月22日。かつて上野山さんは『夜の虫』というレコードをお出しになったことがありましたけど、この日の私は虫の知らせを聞かされていたのかもしれません。つい1ヵ月前にも虫の知らせを聞いた気がしたという記事を書いたばかりなのに、こんなハイペースで聞かされるのはカンベンしてくださいよ。

 

 

　長らくご覧の読者さんならご存知かと思いますが、初期の当ブログは特撮ネタが多く、上野山さんとお会いした際はその都度、レポートとして記事を書いてきました。
　上野山さんの息子さんいわく、そういう記事はここが「いちばん多い」と言って見てくださってるそうなんです(笑)。

●『超神ビビューン』で共演した荒木しげるさんを紹介してくださったときの話。

 


●荒木しげるさんのイベントへ出演なさる際、その行きと帰りを同行。なんと楽屋にまで入らせていただき、左隣に上野山さん、右隣にニコニコしながらお弁当を食べてる平山亨さんに挟まれるというカオスな体験をしたときの話。

 


●新宿のヒルトンホテルでおこなわれる歓談会＝通称“ヒルトン会”へお招きいただいたときのレポート。


●伴大介さんの集いへゲストで2度目の出席をされた際のレポート。


●仲がよかったという快楽亭ブラックさんの落語を聴きに、浅草の木馬亭へご一緒したときの話。


●“ヒルトン会”へお招きいただいたときのレポート2016年版。


●ヒルトンホテルにて、ごく少人数だけでおこなわれたお茶会でのレポート。


●NHK放送博物館での「減点パパ＋減点ファミリー展」開催中におこなわれたトークイベント＋“ヒルトン会”2018年版。このとき遭遇した桑原幸子さんも昨年、お亡くなりになられた。


●結果的に、これが最後となってしまった“ヒルトン会”2019年版。


　ご高齢とはいえブログを書き、まったく衰えを感じない声。しかも考え方が柔軟でウィットに富んだトークもできる。
　そんな姿しか私は知らない。そんな姿を、こないだ見たばかりという感覚しか私にはない。だから死因が胃がんだったと聞き、あまりにも意外で･･･。

　ツイッターでも、上野山さんを偲ぶ声がたくさん聞こえてきました。

　一部ですが拾ってみましょう。
 

 
　さて。
　最後に上野山さんとお会いした“ヒルトン会”。お開きになるときだったと思うのですが、参加者へ封書が配られました。上野山さんが福島で経営されていた居酒屋「つぅきゃっと」と「上野山功一事務所」を兼ねたスタンプが押してあります。真ん中に直筆で「御礼状」と書かれてある。
　これが出てきたのでご紹介いたします。画像を撮ろうと思い、いまこれを書いているPCを買った際、その隣にあったハードオフで初めて買った中古のデジカメを使おうと思いました。
　ところがこのカメラ、そのとき部屋のなかで30分ほどいじっただけで放置。いっぺんも使ったことがありません。使い方がわからないのです。
　撮影のやり方だけはわかりました。問題はその先。もう写真なんて長いこと撮ってないので、最近の写真事情のところからわからないのです。撮ったものをDPEへ出したら、どれくらいで出来上がるのか？　現像にかかる値段の相場も知りません。
　さらに、出来上がった写真をPCへ取り込んだりネットへ流す方法もわからない。みんなどうしてるの？
　ああ、出来た写真をPCについてるカメラに映せばいいのか。でもPCのカメラ越しに自分の顔を映しても、暗いし、あんまりキレイに映らないんだけどなぁ。
　･･･結局、カメラは発見されませんでした。仕方ないので書き起こしいたします。誤字や脱字があってもそのまんまに。
　封書の中身にA4サイズの紙。私が上野山さんからいただいた、最後のメッセージです。
 

　本日は「ヒルトン歓談会」に御参加頂きまして、誠に有難う御座いました。

　五輪前年、外国人団体客で満杯！と一度は断られましたが、毎年の事で･･と言う事で開催出来良かったです。
　来年は五輪当年で通常の部屋でも30万とか50万とか、それでも全く空室が無く開催不能です。
　再来年、可也先の話で、誰が笑うのかは判りませんが小生「米寿」、何とか「記念会」をと考えております。
　同封数枚内容の小史を暖めており、その折にお配りしようと考えてております。
　2021年に再びお目もじすべく健康に配慮し生活致しますので、皆々様も御元気で御過ごし頂く事をお祈り致しております。
本日は本当に有り難う御座いました。先ずは御礼まで。
　令和元年8月3日

上野山　功一

 

御参加者皆々様

 

　そう、このときは「2年かぁ、ずいぶん先になるなぁ」って思ってました。でもそのときは東京で、石森史郎さん脚本の公演をするつもりだとぶち上げておられましたので、ものすごく楽しみにしてたんですよね。
　だけど奥さまが倒れられて、世はコロナ禍へ突入し、さらには上野山さんご自身の体調も崩されておられたのか。公演どころじゃなくなってるのは、なんとなくわかってはいたのですが･･･何もかも、負の連鎖へと飲み込まれてしまっていたのですね。

　封書には、あと2枚、入っていました。A3サイズに大文字で。
　最初は何のことかと思ったのですが、どうやら本をお出しになる計画があったようなのです。

 

お主の様な小心者が・・・・
　　よくぞ生きたな芸能界５０年！

懐かしの共演者・御世話になった方々

裏切り嵌められた事件！

芸能界はこんな所！
芸能人で良かった事、悪かった事

実名で綴る！
三文悪役俳優　上野山功一　の
昭和・平成史！

 

始めに・・・どうして書く気になったのか？

平成最後の年２０１８年、初めてのNHKでトークショウをさせて頂いた折、色取と言っては語弊があるがTV「プレイガール」で度々共演した女優さんお二人に来て頂いた。
　その折に何かギコチナイ会話が有り思い付いた事柄が有った。
４０数年前前年前後述の事件が未だに尾を引いている様な感じがし、この事件の真実を書き記し、汚名返上誤解を解かなければ、後々何かの場面で一般社会で働く拙息達に迷惑が掛る事を恐れ、実名で述べさせて頂く事にした。単なる暴露記事ではなく事実を。
　それだけでは本にならんので御世話になった有名俳優・著名人とのとの交遊や御人柄、エピソードも書く事にする次第です。

※出来うる限り「写真」を承諾頂いてて使用させて頂きます。

 

内容
〇日活映画時代、〇大映映画時代
　勝新太郎さん。市川雷蔵さん。成田三樹夫さん。江波杏子さん。
内田良平さん。藤田まことさん。里身浩太郎さん。淡島千景さん。
淡路恵子さん。他、悲喜交交共演者のエピソード。
　例：(故人)勝新さん　嵐山の大邸宅を無償で貸して頂いた事。
　　　成田さん　最後の食事は松竹京都撮影所で。
　　　藤田さん　大阪のタニマチが同じでよく御一緒した事。
　　　淡島さん　山陰へ蟹食事の事。　　等々。
〇TVドラマ
　「ザ・ガードマン」「キーハンター」での立ち回りは「千葉真一」
　「藤巻潤」さん以外は・・・。
　「太陽にほえろ！」「水戸黄門」「必殺仕事人」「プレイガール」等々
　　共演者のエピソード・事件簿。
　※特に「プレイガール」で嵌められた事件は本書の重要問題。
〇初レコーディングは「大映レコード」作曲家・曽根幸明との関係。
〇フランク永井、春日八郎、三波春夫さん等と映画共演。

 

〇特撮作品
「イナズマンF」「仮面ライダー」「超人ビビューン」等々で共演の方々や、裏方さんとして「殺陣師」「着ぐるみ」に汗した方々。

〇小劇団「野の会」旗揚げ公演で店舗消失の事。

〇区議会銀選挙立候補経験で政治家の裏の薄汚い顔を見た事。
〇警察権力の横暴で仕事に支障をきたした事。
〇著名人とのお付き合い
　　佐川急便会長「佐川清」さんの自宅・店舗招待の事。
　　令和元年7月現在話題の人「吉本興業会長」に御世話になった事。
〇著名作曲家・作詞家とのお付き合いは「かちんこ」。
〇大相撲力士、プロレスラーとのお付き合い。
〇両親（洋画家・上野山清貢～日展で3年連続特選受賞）。

◎そして現在福島での生活、企画している事柄等々。

 

　ううむ～。何やら各業界の闇に触れるような内容っぽくて興味津々でありますな。無事、出版までにたどり着くのだろうかと少々心配にはなりますね(笑)。
　ですが裏話というのは個人的に大好物ですので。一般販売まで行かなくても買わせていただきたいと思いますし、上野山さんが世に知ってほしいと願っておられるなら拡散のお手伝いも喜んでいたしましょう。
　ですが、こういったものも、もう出せないのかしら。途中までは書かれてたのかな？
　そういえば、いつかのヒルトン会で、出席者のみなさんに笑顔で話しておられたんですよ。「･･･だからボクは美人嫌いなんですよ」って。
　私が途中から入ったので、その話は断片的にしか聞けなかったんですけど、おそらく、これまでに共演してきた多くの女優さんたちを見てきて、キレイどころと言われるような方々には悪い印象をお持ちのことが多かったんだろうなーと推察いたします。
　実際、昭和に活躍した某大女優さんについてもそう話しておられたことがありましたからね。細かいことまでは聞きませんでしたが「あまりいい印象がない」と･･･。
　そういったことも含めて、もっといろいろ聞いておけばよかったです。

 

●林美樹さんはどうだったんだろう？

『超人ビビューン』にて共演でした。

 

　公演の予定も本の出版もそうだけど、上野山さんはあの年齢にして、やろうとしてることがどっさりあったんですね。ものすごくパワフルな方だったんだと思います。それだけに、これらが叶わなかったことは本当に無念だったろうと思われます。

 

 

　上野山さんは人を楽しませることが大好きな方でした。サービス精神が旺盛。だから私のような、どこの馬の骨かもわからぬ者にも本当にご親切にしてくださった。いまにして思えば、とてもとてもおそれ多いことだったのかもしれない。
　そして上野山さんとお会いした日は、かならず楽しい時間と思い出を提供してくださいました。夢のようでした。本当に感謝しております。
　だけど、そんな上野山さんに私は何もお返しができていない。奥さんはご病気、息子さんらの連絡先はわからない。どうしたらいいのやらと途方に暮れてた矢先、さいわいにもツイッターのDMを通じて息子さんとの連絡がとれたのです。
　それによると、お墓の場所が、うちの家からそんなに離れていない場所の霊園になるとのこと。もしかすると歩いてでも行ける距離かもしれません。それなら都合のいい日にいつでもお墓参りができそうです。お話でもしてきたいですね。
　そうだ、私でもできることがあった。このようにブログで記事にすることなら私にもできる。「こういう人がいたんですよ」と記録に残すことなら私にもできる。そしたら誰かが見にきてくれる。
　みなさん、どうか上野山功一という俳優さんがおられたことを忘れないでください。機会があれば、上野山さんの出演作をご覧になってみてください。そうそう、いまYouTubeで『イナズマン』の配信が始まっています。やがては『F(フラッシュ)』編に突入する可能性が高いです。まだ見たことのない方は要チェック。

 

 

　上野山さん、またそのうち、何か思い出すようなことがあったら書きますよ。

会ったことのある芸能人

同じネタで投稿する

他の投稿ネタを確認する