皆さんこんばんは。なじょんしょばのanniです。
この記事はタイトルのとおり、第3回CRM講座のレポです。
今回の講座は会社でリーダやマネジメントを務める中年にはとても刺さる内容でした。
しかし、実は6/10に第4回が開催されたのでこの記事は周回遅れ。それでもよろしければどうぞ。
ちなみに第1回、第2回の内容は↓のリンクからどうぞ。
以下、第3回の概要です。
開催日時:5/27(土) 13:00~15:00
場所:Web
講師:現役機長のHideさんと副操縦士のMoriさん
テーマ:~チームワークに必要な個々の役割…機長が目指す最高のチームの作り方とは~
CRM=Crew Resource Managementとは「マネジメントをする立場として、様々な情報や部下などの能力を最大限に引き出し、最良の結果を出すために必要なスキル」です。
※ Morgenrot(モルゲンロート)さんのHPより
それでは僭越ながら、私の視点から今回の講座の感想を書いてみたいと思います。
尚、文字ばかりだとアレなので、箸休め的に適当に過去or最新の写真を貼りますが、講座の内容とは全く関係がない点は悪しからず。
1. 前回のおさらいと導入
講義はいつもどおりまずはCRMの説明から。
続いてCRMの構成要素の説明も。
・コミュニケーション ⇒ 前回
・チーム形成・維持 ⇒ 今回
・ワークロードマネジメント ⇒ 次回
・状況認識マネジメント
・意思決定
前回はコミュニケーション、今回はチーム形成・維持なので繋がりの深い話です。
写真:2014年のドイツ出張。今では信じがたい小松⇔羽田のANA Boeing 767。
2. リーダー像の今昔
私のような中年は叱られて「なにくそ!!」と反骨精神で育った世代だと思います。
なので頭の中で描くリーダー像は、
・激励しながら引っ張っていくタイプ
というイメージが強いです。
なので、リーダーはなんでもできて、メンバーが憧れる存在を理想としがち。
それに対し、現在の理想のリーダー像とは、
・一人ひとりの価値を認めてメンバーと一緒にチームを作り上げ、感謝型とも言われるタイプ
とのこと。
いわゆる褒めて伸ばす(指摘もしっかりする)というヤツで、叱られて育った世代にはなかなか難しいやり方です(汗)
また、昔は仕事中はボロクソに言われても飲み二ケーションなどで上司の人間性が垣間見ることができ、
・この人はこんな風に考えて自分に厳しく接しているのか。
・この人もこんな苦労を抱えているのか。
・だったら、ここは一つ自分も協力しよう。
などと言った具合に、人間関係を保てていました。
しかし、若者のライフスタイルの変化やコロナ禍でそのような交流が激減。上司は職場でのやりとりのみで部下から評価されるという状況で、ホント怖い時代です。
確かに私自身、コロナ禍で職場での交流が減った結果、以前よりギスギスした雰囲気を感じるようになってきました。それが良いか悪いかは別として、こうしてみると職場の飲み会って重要な役割を果たしていたんだなーと。
ということで、この講座を受講してからは、
・仕事を依頼したら、労いの言葉を必ずかける。
・仕事の成果に対し、まずは良いところを伝える。
・続いて、要改善点を伝える。もちろん怒らず、飽きれた態度も見せない。
・私or他の人が出来るんだからあなたも出来るでしょ!?は御法度。
をこれまで以上に意識しながら仕事をするようにしています。
俺は昭和の人間だから・・・なんて頑なな態度を貫いていると、多分世の中から置いて行かれるんでしょうね。
写真:同ドイツ出張。この田舎町を訪問した日本人としては最多回数の部類だと思います。
3. フォロワーシップ
この言葉は初めて聞きました。
社内研修などでもリーダーシップという単語は良く聞くと思いますが、フォロワーシップはなかなか聞く機会も少ないのではないでしょうか?
昔のリーダー像は「引っ張っていくタイプ」だったので、メンバーはそれに従えば良く、フォロワーシップという考えはそれほど重要視されていなかったのかも、なんて思いました。
さて、そんなフォロワーシップとは、
・リーダーを補佐し組織やチームで目的を達成するためのスキル。
・リーダーが示すビジョンに対し、その手段を提案して実行する。
・リーダーの示すビジョンの共有、チームへの積極的関与・フォローに努める。
とのこと。
つまり、リーダーの指示に従っていればさえいればいいという訳ではなく、物事を先読みしながらチームの一員として積極的に活動・サポートする姿勢が求められるということです。
しかしこれもまたなかなか難しいスキルだなと。多くを与えられ、自ら思考して行動していなかった人にとっては大変だと思いました。
そしてリーダーも、明確で理解を得られやすいビジョン(目標)をメンバーに示す必要がある点もポイント。意外とこれが出来ていない人が多いような気がします。
写真:同ドイツ出張。金型工房の一コマ。この雰囲気が好きで良く遊びに行きました。
4. これからの時代のリーダーとは
高いスキルや洞察力を発揮してメンバーを引っ張っていくのが昔のスタイルだとすると、これからのリーダーはメンバーを信頼し、上手に頼り、メンバーの個々の能力を最大限に引き出すスタイルが求められるのだと理解しました。
そのための大事なポイントは、
・チームの目標・ビジョンを明確にし、共有する。
・仕事の途中経過については細かく指示しない。ただし、丸投げもしない。
・仕事の結果については、良い点も悪い点もしっかりコメントする。
・メンバーの失敗の責任はリーダーが負う。
です。
なかなかハードルの高い内容ですが、是非とも実践していきたいと思いました。
尚、講義の途中に「座席を譲ってください問題」を参加者で20分間ディスカッションする課題が与えられました。
初見の人とオンラインでディスカッション。表情が見えない中で進めるのはなかなか大変でしたが、上手く協力し合えたように思います。
写真:同ドイツ出張。まー良くぞこんな大きな金型を作ったもんだと我ながら思います。
5. Climate
普段Climateという英単語はあまり見聞きしませんが、直訳すると気候・風土・雰囲気といった意味だそうで、この講義ではチームの雰囲気を指す言葉として使われていました。
このClimateはチームのパフォーマンスに大きく影響するので、
・メンバーが積極的に参加できる雰囲気を作る。
・発言、質問、指摘がしやすい双方向型コミュニケーションで、指摘は真摯に受け入れる。そして責めない。
・お互いを認め、また認められるように努め、信頼関係を醸成する。
といったチーム作りをリーダは目指さなければならないとのこと。
これはリーダーの素養も大きく影響しそうで、元々の性格を治さなければならないケースもあるかと思います。ある意味、昔のリーダー像の方が楽に思えてしまうのは私だけでしょうか。
写真:5/17撮影。久しぶりのCargolux撮影でした。やはりBoeing 747-8Fの大きさは別格です。
6. 意見相違の解決
チーム内で意見の相違があった場合は、リーダーはそれを解決しなければなりません。
この解決方法として、
・譲歩
・妥協
・協調
・強制
の4つのパターンがありますが、強制は感情対立の原因となる可能性があり、即墜落の危険があるような余程の緊急事態でない限り避けるべき。譲歩、妥協、協調は相手の意見も一部取り入れられるので双方が納得しやすく、良い手段だなと思います。
その他に大事な点として、
・意見の相違を感情の対立に発展させない。
・「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」
などを紹介されていました。
私は割と海外のサプライヤーさんと話すことが多いので、彼らの「意見の相違を感情の対立に発展させない」というスキルの高さに良く感心します。
まあ、慣れない頃は「アレだけ激論を交わしたのに、仕事が終わったらなんでこんなにケロっとしていられるんだろう?」と不思議に思いましたけど(苦笑)
しかし、日本人は割とこれが苦手なように思います。
あとは上の立場になると、
・意固地になる。
・プライドが邪魔をする。
・折れたりできない。
となりがちですが、これが出来るとカッコ良いですよと。
確かにそうなんですがなかなか難しいところで、現代は仕事においても人間性が強く問われるようになったんだなと、改めて思いました。
その後、HideさんとMoriさんによるブリーフィングの様子を披露してもらい、間違いの指摘の仕方、指摘を受けた時の対応を実演してもらいました。
最後にハドソン川の奇跡の着水までのコックピット内のやり取りを鑑賞し、リーダーの神髄を見て講義は終了しました。
写真:6/11撮影。2/26に我が家にやってきたコーヒーの木。葉っぱが立派になってきました。
7. その他
既に開催が終了してしまいましたが、第4回CRM講座は、
開催日時:6/10(土) 13:00~15:00(Web)、19:00~21:00(Web)
テーマ:~同時に複数のことをこなすパイロットがたどり着く究極の安全性への考え方:Workload Management~
です。
第3回から連続性のある内容で大変参考になりました。近日中にレポをアップしたいと思います。
ちなみに第5回は、
開催日時:7/8(土)
テーマ:~あなたは周りを見渡せていますか?:Situational Awareness~
これまた中年には刺さりそうな内容で、是非とも参加したいと思います。
おわり。