雑記 Vol.174 第2回CRM講座 | なじょんしょば

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ゆる~くまったりと日記を綴っていきます。

こんばんは。なじょんしょばのanniです。

 

ここのところ忙しくて記事を書く余裕が全くありませんでした。そんな訳で未だに1か月前の内容ですがご容赦を。

 

今回の記事はタイトルのとおり、第2回CRM講座のレポです。

第1回の内容は↓のリンクからどうぞ。

 

 

以下、第2回の概要です。

 

開催日時:4/15(土) 13:00~15:00

場所:東京都大田区蒲田(私はWeb参加)

講師:現役機長のHideさんと副操縦士のMoriさん

テーマ:~パイロットの立場からコミュニケーションの重要性に迫る。パイロットが実践するコミュニケーション術~

 

CRM=Crew Resource Managementとは「マネジメントをする立場として、様々な情報や部下などの能力を最大限に引き出し、最良の結果を出すために必要なスキル」です。
※ Morgenrot(モルゲンロート)さんのHPより

 

それでは僭越ながら、私の視点から今回の講座の感想を書いてみたいと思います。

尚、文字ばかりだとアレなので、箸休め的に適当に最近撮った写真を貼りますが、講座の内容とは全く関係がない点は悪しからず。

 

1. 前回のおさらいと導入

講義はまずはCRMの説明から入り、

 

・一つの大きな目標を達成するために自分自身と他人、ハードウェア、環境を調和させる手法=CRMを学ぶ。

・個々がCRMを理解することで、短時間で最大のパフォーマンスを発揮し、目標を達成する。

 

と、目的を明確化。

意外と仕事でこれをしっかり出来ていない人っていませんか?

人を集めて何となく打合せが始まって何となく終わる生産性の低いアレです。言わなくても分かっているでしょ的な「なあなあ」なコミュニケーションはCRMとは対極のもの。今回の講義のテーマでもあります。

 

そして以下の内容をサラッと復習しました。

 

・m-SHEL Model

・TEM (Threat and Error Management)

・Human Factor

 

次にCRMの構成要素の説明が。

 

・状況認識マネジメント ⇒ これの喪失で航空事故が起こっていることが多い。

・意思決定

・ワークロードマネジメント

・チーム形成・維持 ⇒ 次回のテーマ

・コミュニケーション ⇒ 今日のテーマ

 

ちなみにワークロードでは忙しいのも問題だけど、暇で脳が待機状態になるのも問題とのこと。そう言えば航空管制でトラフィックが過密でない閑散期もインシデントを誘発しやすく、緊張が緩んでいる時が危険と聞いたことがあるような。

 

写真:4/23小松にて。お手振りよりも前輪のエグイ切れ角にビビりました。

 

2. Ccommunication

CRMにおいて、一方的に情報を伝達するだけの片方向のコミュニケーションはNG。相手が理解したことを確認し、受け手も自分の理解が正しいか確認する双方向のコミュニケーションが大事とのこと。

 

ここで思ったのはメールでの仕事の指示はやむを得ない場合を除いて避けるべきだと思いました。

その場で双方の理解を確認できないですし、受け手は分からないことがあったら指示側に改めて確認しなければならないので、生産性も悪すぎますよね。

ちなみに私は仕事のやりとりは口頭もしくは電話する派。メールはあくまで補助的な手段として使っています。

 

そしてコミュニケーションのポイントとしては、

 

・相手が話を十分に聞ける余裕のあるタイミングで。

・聞き取りやすい、音量と早さ。

・情報を省略するのも、多すぎるのもダメ。

・受け手が理解しているか確認する。受け手自身も理解したことを示す。

・受け手の話もしっかり聞く。

 

と言ったことを説明されていました。

全て当たり前の事のように思いますが、いざ実践するとなると意外と難しいような。それでも私も今後はこれらを意識しようと思いました。

 

写真:4/29小松にて。意気揚々と旅行に出かける後輩写真を盗撮 ⇒ 後ほど本人に写真を寄贈。

 

3. Briefing

コミュニケーションの実例として、成田へのアプローチにおけるラインディングブリーフィングの様子を紹介していました。

まずはチャートが最新なのか確認するとことから始まり、これにはなるほど!!と感心。

いつもとは違う部分を強調したり、副操縦士さんに前回のVectorを敢えて聞いて状況を認識させるといったコツも教えていただきました。

私は日頃からチャートを見る人なのでとても面白かったのですが、チャートを見たことがない人にはどこまで伝わったのかな?と少し心配になりましたが、参加されている方は割と飛行機と縁がある人ばかりなので、概ね理解できていたような気もします。

ただ、Final approach FIXとか、Missed approach courseなどの用語は流石に難しかったかもしれません。

 

更に羽田⇒福岡便のWeatherブリーフィングの実演がありました。

フライトお天というサイト↓

 

 

の地上天気図を見ながら「西から低気圧が東進・発達して9時に福岡上空到達するのね」とか、衛星画像から「前線に伴う雲が多くて揺れそう」だとか、高層天気図を見ながら「上昇中は紀伊半島を過ぎるまではシートベルトを外せなさそうだね」などと、実際のパイロットさんのやり取りを生で見ることが出来ました。

その際に、相手の意見をしっかりと聞き、時折質問して相手の理解を確認していたりと、まさに講義されていたコミュニケーションの仕方そのものでした。

 

写真:4/30近所の田んぼにて。今年は水田水鏡写真が撮れませんでした(涙)

 

4.Assertion

アサーション(Assertion)を直訳は主張です。

CRMにおいて、他のメンバーからこのアサーションを上手く引き出すことがとても大事で、機長の重要な役割とのことです。

このアサーションに関して人は以下の3つのタイプに分類できるそうで、

 

・アグレッシブ型:声が大きく、勝ち負けにこだわるジャイアンタイプ

・ノン・アサーティブ型:自己主張が控えめで言い訳が多く、のび太タイプ

・アサーティブ型:バランスが良く、しずかちゃんタイプ

 

15の設問に応えて自己分析したところ、私はアグレッシブ寄りのアサーティブ型でした。ん~納得(笑)

大事なことはお互いを尊重し、相手を傷つけないように上手くコミュニケーションするということで、

 

・ハッキリとした確証がなくとも、疑問に思ったことを聞く。

・受けた側は邪険せず、誠意をもって対応する。

 

と言った具合にやっていきましょうという話です。

今や「俺は機長だ。お前らは俺の言う事を黙って聞いていれば良い」なんて世界は安全運航の妨げ以外の何物でもないですよということですね。

 

会社にも無駄に偉そうな人がいますよね(苦笑)

そんな人が陥る最大の窮地は誰もアドバイスしてくれなくなること。人間は「この人を助けようと思わない」と思われたら最後です。

 

そしてコックピットにおけるアサーションの実践を実演していただきました。

シチュエーションは航空管制官から「MORGEN001, Descend and maintain FL330. Fly heading 320.」と言われたのに、機長がFL320、方位330°と聞き間違えている状況です。
ちなみにMoriさんが「MORGEN001, Descend and maintain FL330. Fly heading 320.」をスラスラと言われているのを生で見て、やはりエアバンドよりリアル感があって良いなと思った私はマニアでしょうか!?

 

写真:5/14ひまわり村にて。クリムゾンクローバーは多分来週には伐採されるのでお早めに。

 

5. 雑談

講義の最後はCRMとは関係のない雑談・質問タイムも。

私は小松で良く見られるVisual approachを質問。普段なかなか聞けないことなので、貴重な回答をいただきありがとうございました。

 

ということで、今回はコミュニケーションの重要性に迫る講義でした。

このスキルは航空運航だけでなく広く応用の利くものではないかと思います。こういった良好なコミュニケーションが成り立っている職場や環境というのは本当に素敵だなと思いました。

 

ちなみに第3回CRM講座は、

 

開催日時:5/27(土) 13:00~15:00(現地およびWeb)、19:00~21:00(Web)
場所:東京都蒲田周辺 or Web

テーマ:~チームワークに必要な個々の役割…機長が目指す最高のチームの作り方とは~

 

 

です。

 

第3回のテーマであるチームビルディングは今回のコミュニケーションと合わせ、30代中盤から必要となってくるスキルではないでしょうか。悩めるリーダやマネージメント職の方々には打ってつけの内容だと思います。

 

おわり。