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私と息子と娘と孫の四人で、母を丘珠空港へ送ってきました。
丘珠空港は札幌市内にある小さな空港。
函館や女満別など、小さな飛行機が、小さな空港を行き来します。
年に数ヶ月だけ、本州への便も飛びますが、小さな飛行機よりも少しだけ大きな、それでもやっぱり小さな飛行機です。
母はそこから一人で静岡の叔母の家へと向かいます。
母の妹です。
そして母は春までそこで暮らす予定です。
88歳のプチ移住。
大冒険です。
ずっと昔。
私がまだ小学生だった頃に、静岡には祖父母が住んでいました。
母の両親です。
一度、家族総出で遊びにいきました。
母と姉と私。今は亡き母の姉と私の従姉妹。
そしてすでに当時から静岡に住んでいた、今回母がお世話になる母の妹とその娘の私の従姉妹。
狭い平家に10人で、暑い夏を過ごしました。
祖父は庭に池を作り、私たちは裏の小川でカエルを捕まえて池に放ちました。
家にも放ちました。
こっぴどく叱られました。
池で冷やしたスイカを皆で縁側で食べました。
北海道の家には縁側がないので、何だか特別な気がしました。
夜は蚊帳の中で眠りました。
楽しい夏休みの思い出です。
突然、母が「静岡のクミちゃんちに春まで行こうと思うの!」とはしゃいだ声で私に告げたのは、お盆を過ぎた頃だったでしょうか。
犬が一頭、猫が三匹いるという叔母の家。
今年、愛猫を相次いで亡くした母にとっては、それだけでも充分魅力的な話だったのだと思います。
「一日三回散歩するんだよ!」と、嬉しそうに話していました。
私の家から歩いて行ける距離とはいえ、たった一人で話し相手もなく暮らしている母。
冬が来て、氷に覆われた道では、今よりも歩く機会もなくなり、そのうちよちよち歩きになってしまうかもと心配もしていましたから、冬の間雪の降らない静岡で母が暮らせることは、私にとっても安心でした。
小さな空港のデッキからは、歩いて飛行機に乗り込む人々がよく見えました。
その中に見つけた母は、よちよちと歩いていました。
もうとっくに、こんなによちよち歩きだったんだと、小さくなっていく母を見送りました。
飛行機に乗り込む前、何かあったら迎えに行くからすぐ電話してねと何度もいうと、少し寂しそうに、すぐ帰りたくなるかもしれないと呟いた母。
春までいられるかしら。
寂しそうに、迎えに来てと電話が来るかもしれない。
もしもそうなったら、子供たちや孫も一緒に、静岡まで迎えに行くのも楽しそうだと、ちょっとわくわくしたりしましたが、
つい今しがた静岡に電話をしたら、母はとても嬉しそうにはしゃいでいました。
これは、ひょっとして、
春になっても帰らないというかも。
でもまあそれはそれで、母が楽しそうであればいいのです。
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