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朝、娘からのLINE。
ベランダに見知らぬ蝉が不時着したとのこと。
ひっくり返ってジージー鳴きながらバタバタしているそう。
虫に触れない娘と孫は、気になりながらも見守るしかないと。
夕方、仕入れたばかりのお野菜を届けにいくと、
ベランダにはひっくり返ったまま、まったく動かなくなった蝉ちゃん。
もう死んじゃった、と呟くお孫。
近付いて、ツンツンしてみると、もにょもにょっとちょっとだけ動く足。
まだ生きてる。
わたしも虫は苦手。
でも、どうせ死んでしまうとしても、せめて土の上に返してあげたい。
そっとつまんで体制を戻してあげたら、意外と元気よく歩き出した蝉ちゃん。
これは、いけるかも。
ベランダから外に出してあげよう。
中層階の家だけど、地面に落としてあげよう。
まさか骨折なんてしないよね?蝉だもの。
全身冷や汗かきながら、恐々と蝉ちゃんを摘む。
しっかり踏ん張ってる足が抜けたり折れたりしないように、そっと摘んで持ち上げた。
ベランダから外に手を伸ばして、そっと離すと、蝉ちゃんは落ちてゆくどころか、元気に羽ばたいて真っ直ぐに力強く飛んでいった。
遠くのマンションの上まで、真っ直ぐに。
まるで奇跡を見たような気持ちだった。
命が輝いていた。
娘も孫も大喜びで、蝉ちゃんの命に拍手をおくった。
蝉ちゃんを代弁するかのように、娘がありがとうを連呼していた。
セミの寿命は7日だというけれど、もう少し長いらしい。
グッドラック、蝉ちゃん。
命を謳歌しておくれ。
青い空の下、飛んだり歌ったりしておくれ。
どこまでも懸命に、生きておくれ。
そういえばずっと前、明治神宮の境内でもひっくり返ったカマキリを見つけて、元に戻してあげたんだった。
虫は苦手。
蝿にでもゾゾゾっと毛が逆立つ。
でも命。
美しい命。
毛は逆立つけど、愛がないわけじゃない。
真っ直ぐに飛んでいく蝉ちゃんは美しかった。
そんな夏休み最後の日。
今日もいい日。
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