自己分析をする力
Sunny English 英語教室では半期に一度 "Lesson Report"なるものを生徒さんたちにお渡ししています。Lesson Reportとは、ふだんのレッスンの評価記録のようなものです。内容は、4技能別に提示した学習目標について、生徒さん自身が自己評価をします。先生からは数値などでの評価は示しません。これは、生徒さんたちに何を目標に学べばよいのかを理解してもらい、その学習に対して自分で責任を持ってほしいという思いから、先生からの評価ではなく自己評価をしてもらっています。また今後の自分自身の目標(低学年の子どもたちには「何ができるようになりたい?」のように聞いています。)も記入します。そして、講師からは、日頃のレッスンでの様子やできるようになったことなどを詳細なメッセージで記しています。さて、このレッスンレポートを子どもたちに渡した時の子どもたちの様子は?レッスンレポートの自己評価欄には4技能別(Listening, Reading, Speaking, Writing)に自分ができるようになったかどうかを自分自身で考え、よくできた(◎)、できた(〇)、もう少し(△)を記入するようになっています。たとえば、「5文程度で自己紹介のスピーチができた」などを自分で評価していきます。この「自己評価」を子どもたちにしてもらっていると、色々な発見があります。自分をよく観察できていて、できているのかできていないのかがしっかり自分で分かっている子。「だいたいできているから◎でいいや~」と甘めの評価をしている子。辛めの評価をしているので、もう少し自己肯定感をもたせてあげたいな、と思わせる子。「◎を10個つけることができた!」と、評価内容はともかく自分のつけた◎の数に喜んでいる子。中には、△がついていると家でしかられるからという理由で、△は絶対につけない子もいました。本当に色々な子がいます。それぞれがそれぞれの個性や考え方の特徴を自己評価で表現しているのですね。ただ、気になったのは最後のケース。△がついていると家でしかられるから△はつけないと言った子。。。この教室では、△は「できなかった」という評価ではなく、「もう少しがんばろう」という自分自身に向けた励ましの意味合いをもたせています。しかし、親御さんご自身が学校の5段階(または10段階)評価や偏差値などの数値に一喜一憂されていると、子どもたちは自己評価をする時にこのような行動を取るようになってしまいます。つまり、子どもたちは親御さんの自分に対するネガティブな感情を回避するために、素直な自己評価ができなくなってしまい、ひいては自己分析をする力を伸ばしていくことができなくなってしまうのです。自己分析する力はとても大事です。どんな人にも得意な事、苦手な事、好きな事、嫌いな事はありますよね。自分のネガティブな部分も冷静に分析することができ、それを自分自身の特徴として捉えていけることで自己肯定感を高めていくことができるのです。今の日本では、どこへ行っても他者から評価されることが多いのが常です。でも、この教室では自己分析ができる力を育んでいってほしい。英語の力だけではなく、自分を見つめる力をつけ、自分を好きになってほしい。そんなことを願いながら子どもたちに渡したレッスンレポートでした。