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ニュージーランドから
国際電話が鳴った。
『もしもし～～』
可愛いウグイスのような声の
エンジェルスタッフ
『は～っはっは～
はじめましてっ。レインボーです。』
『うふふっ。はじめまして。』
『ボクの本名は谷口です。
今、お昼休憩なのかな？』
『そーですぅ。なんだか緊張してます。』
『何ーにもこんなおじさんに緊張しなくていいよ。
ふぁ～ふぁっは～』
そんな事は百も承知。
豪快な冒険家らしいレインボー谷口
『谷口さんは再来週、日本に来られるんですよねっ？
いつごろなんですか～～？』
『そうだね。再来週の火曜日に関空着で
日本に入るんだよ。合間みて会おうか？』
出た。さり気な強引さ。
『え～～でも・・・なんだかこんなの初めてだから・・・
いいのかな～って思って・・・・』
恥じらいをみせるミキちゃん。
実は４１歳。
『人間何事も経験だよ。人生のね。』
遠くを見てつぶやく様な渋めの声で
さとす様にミキちゃんに言う
『・・・そうなら・・・一度会っちゃおうかな～』
『よし。きまりっ！ボクの日本での予定を
ミキのメールに入れるから確認ください。
ではっ。』
大人の口ぶりのレインボーさん。
翌日・・・・
事細かく書き上げた・・・
日本でのレインボーさんの
予定表が送られてきた。
「関空到着・ＰＭ５：３０前後
翌日より京都・嵐山の旅２泊３日
友人と同行・・・なんちゃらかんちゃら・・・」
冒険家・レインボーさんは
大阪に滞在している間に
会いたいとスケジュールを教えてくれていた
公衆電話からの一方通行になるので
先に日にちを決めてくれたら
助かる・・・なんちゃらかんちゃら・・・
山崎たちは日程を決めることにしたのである
だいたいの段取りが出来て
依頼者・Ａさんへ連絡した
『はいっ。ちょうど・・・
京都旅行の詳細も分かりましたんで
是非。打ち合わせしたいんです。
で・・・奴らは・・・京都へツアーバスで行くみたいなんです。
山崎さん・・・このバスツアーに
調査員を同行させることは出来ますか？』
『勿論。ＯＫですっ。是非打ち合わせをしましょう！』
その翌日のお昼過ぎ
依頼者・Ａさんとの再打ち合わせ当日
沢山の資料と共に
エンジェルオフィスにやってこられた・・・
Ａさんは京都ツアーの詳細を
山崎に手渡しす・・・
＊京都・嵐山 二泊三日バスツアー
・朝・夕食事つき
・添乗員同行
・保津川下り
・嵯峨野トロッコ列車
・各オプションあり
こんな内容のプチ旅行である。
冒険家・レインボーさんならぬ
ほのぼのまったりとした
日本の旅・・・・
激流大好きレインボーさんが
子供のようにはしゃぎながら
トロッコ列車に乗り込む・・・
渡し舟にちょこんと座り
保津川の渓流をゆっくり下る。
ゆるやかな川の流れに興奮して
立ち上がるレインボーおっさん・・・・
『ファイヤーッ！！』・・・・こぶしを振り上げると・・・
『あっ。お客さんっ。危ないですから座ってください～』と
冷ややかに注意を受け・・・・静かに着席する・・・
山崎のたられば話であるが・・・
どう考えても
女子向き、
もしくは年配夫婦の旅ではないか！？
『日本で大暴れする冒険家』のイメージには
ほど遠い・・・・
こんな場合の同行調査は
旅先なので
がんがんビデオをまわすこともできるし
写真もビシバシ撮る事もできる
調査員１名でも充分であるが
ひとりだと目立つため
結婚している調査員に
奥様お付き添いということで
この京都のバスツアーに
参加していただく段取りを組んだ
ほんまの夫婦は超・自然である
『それと・・・山崎さん。
嫁が奴のために日本滞在中の
宿泊先を予約していました。』
『そーでしたかっ！そんな情報は有難いですっ！』
差し出されたコピーに目を通すと・・・・
なんとまた。
Ａ氏自宅最寄り駅にある
ウィークリーマンションを予約していた
大胆な嫁のマユさんであった
明日に続く
はこち
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