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１１月生まれのせいか夏が苦手な山崎は
東京オフィスの涼しい地下室が気に入っている
この季節・・・
外に仕事に出かける度に
暑さに年々弱くなっている自分に気付くのだ
『そりゃあ。こんな暑かったら
お年寄りの方も身体弱んで～
』と
毎度同じ事をクドクド笑夢に話しかけている。
しかし。
夏に山崎がうきうきした気分になる２つのこと。
そのひとつが・・・
自然の中でのバーベキュー
娘・マリアが小さい頃
エセ・キャンパーだった山崎。
『やっぱ。子供は自然と戯れる場所に連れていかな～
』と
コールマングッズをしこたま買い込んだ
タープもテントも張れる
もちろん炭をおこすのも着火剤を使えば楽勝である
気乗りしないような娘を強引に車に乗せ
『楽しいやろ～マリアあ～』と・・・言いながら
自己満足の世界に浸っていた
エセ・キャンパーをして２年ほど。
ふと気付いた事・・・それは・・・
山崎は虫が大嫌いだということである
蜂。
あり。
とんぼ。
蝶チョ。
（蝶（チョウ）は蛾（ガ）だと未だに思っている
）
名前の知らない固そうな昆虫、ぬるぬる系の蛇・ミミズと
カシャカシャ固い昆虫なら迷わずミミズを選ぶ。
トイレも水洗でなくては恐い。
どっぽん便所の便器のまわりの板が
ひどく古くてキシキシいった時なんか命の危険も感じた
うん〇まみれになって死にたくはないので
水洗トイレのあるキャンプ場を選んでいたのである
テントの床は土なので固い
固いからエアーベッドを購入した・・・・
えっ
私。ほんまのキャンパーちゃうやん。と・・・遅いが気付き
あっさりとキャンプをやめたのである。
あの頃の記憶を娘に聞くと・・・
『ああ・・・なんかちょっと覚えてる～』
『ちょっと～って！！？？』・・・・愕然とする山崎。
いや。それでもいい。
三つ子の魂なんちゃらと・・・
娘の脳にインプットされていれば充分だ。
自然の中のバーべキューは
男子がいいところを女子に見せれる
絶好の場所でもある
エセ・キャンパーだった山崎は
あらゆるカップルを観察していた
暗くなっても火をおこせないために
夕食になかなかありつけないカップル
最初は笑顔だった女子も
あまりの段取りの悪さにお腹が空いたせいもあり
段々と不機嫌になってくる。
『早く火を起こしてよ～っ
』
女子の苛立ちと
男子の焦りが伝わる
やっとこさ・・・夜の九時頃に
しらけながら焼き肉を食べていた。
そもそも。キャンプや野外バーベキューをするとなれば
火をおこす事ぐらい勉強してくるのが当然ではないか
自然の中での生活能力や生きる力。
オスっぽさを誇示できるいいチャンス
女子は『自然の中で生きる力』を目の当たりにすると
その男子をちと見直し尊敬してしまう
あの女優の川島なおみさんも
結婚の決め手になったのが
このバーベキューだったとおっしゃる
川島さん：『カレって・・・火も簡単におこせて
小枝を拾い集め、ひき肉を巻きつけて
ちゃっちゃとシシカバブを作ったんです。
あっ。この人なら・・・何かあっても私を守れるって思いました～
』
ん～。すんごい良くわかる。川島さんっ。
どんなに強気の女子であっても、
誰かに守って欲しいと心の底では願っているのが女子である
そこでカレ選び。お婿さん選びのひとつの考え方として・・・
地震や津波など何か天災に遭遇したときに、
自分を命がけで守る男なのかどうか胸に手をあて考えて欲しい
過去の山崎ダメ男手帳に記された
やはりそこんとこの信頼性に欠けるモト〇〇
『なんか・・・地震きたりしたらどうする？？』
『ん～・・・パニくるなあ・・・・』
『パニくったら他の人助けられへん？』
『・・・そんな間ないやろな・・・・・・・・』
やはりそう来た。
『あんな・・・もし地震きたら・・・・
私。娘を助けなあかんから自分で逃げてな。』
『わかった』
『ひとつだけお願いあんねん。』
『・・・・何？・・・・』
『娘を抱っこして逃げるときに申し訳ないけど、
何かにはさまれて逃げられへんかっても
私の足を掴んだりすんのんやめてな。
娘を非難させたら助けに行くから
それだけは勘弁してな～
』
『うん。わかった。自力で頑張る』
『ふうぅ・・・「子供と二人で逃げろ～っ」って言うタイプちゃうもんな～ははっ。』
たらればのあくまで推測・予測だが、そんな事が起こらなくても
相手から伝わる『男力』というものがあるということだ
当然。即・お別れしたが・・・
『この人は何かあったら命がけで助けてくれる』という
お互いのこの信頼感が
結婚の決め手・離婚の決め手にしてもいいと山崎は思う
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