死ぬまでにしておきたこと10個っていったらなに?
腕を組んで、う~んといったまま首を傾ける私に、
10個でなくてもいいから、とつけたして、つい数日前、妻のサマンサにきかれました。
二人とも別に余命をいい渡されたわけでもありませんが、
旅や車や住まいや身体などについて、
ここ1、2年バケットリストの中から取り出すように、二人ですることを選んできました。
その過程でサマンサは、
自分のリストからばかりとりあげられていて、
私のリストに削除の横線がひかれていないのではないかと懸念したようです。
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サマンサにそう言われても、すぐ思い浮かびません。
どうしてもやりたい個別のアクションやどうしても欲しいモノが、もともと少ないせいもあります。
それでも数年前までは、少し長めに滞在したいところとしてキングストン(ジャマイカ)、ハバナ(キューバ)、パリ(フランス)を挙げていました。音楽・ダンス、人間関係、異なる価値観・宗教観などを体感したかったのです。
それが、カリブ海に浮かぶ2か所はサマンサがまったく興味を示さず、しばし海外旅行を見合わせることにしているうちに、私の必須リストから自然消滅しました。
そう言えば、若い時に何かの折に私が書くことになったバケットリストをみたサマンサが言っていました。
「欲しい"モノ"がないのね」
そう言われて気づくと、こうなりたいという"状態"ばかり10個を挙げていました。もういまではその内容は覚えていませんが。
いまを語るとしたら、むしろ、そうした"状態"の実現に既に着手して、半ば実現しているといった方が正確かもしれません。
サマンサにもそんな説明をしましたが、彼女はいまひとつ腑に落ちない面持ちです。
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実際に挙げて示したのはこんなことです。
本をゆっくり読む時間のある暮らし
眠くなったら床に就き、目が覚めら起きる日々
心配性のサマンサが安心してしている日々
高齢になって例え足もとが覚束なくても歩ける身体
日々美味しく食べる食卓
友と四方山話で言葉を交わすひと時
毎日少しずつの音楽にひたるとき
毎日少しずつのぼうとした時間
このブログでもよく登場することばかりです。
もともと子どもの自分からなりたい職業があるわけでもなく、
思春期になってもとくだんの夢や志が芽生えることもありませんでした。
小学校時代、担任が夢は何ととい、総理大臣、プロ野球選手、先生など次々と挙げられ、目を細めていたところ、
成績がそこそこよくても夢らしい内容を挙げない私に、若い担任は「つまらない子ね」という言葉を吐きました。
教師の思い描くものと重ならない内容や、回答を急がずに留保する姿勢が受け入れらないことに(当時は漠然とした不満で、こういう言語化はできませんでしたが)理不尽な関係を感じたものでした。
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来月になったら、またサマンサと二人で相談してバケットリストを見直そうとしています。
いまのリストに残されているサマンサが訪れたい場所の他に、
挙げられる項目がうまれるのではないかと楽しみにしています。
なにか次のコトが生まれようとしている兆しを感じています。
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