ひたすらをとりもどす | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

先月、「本の次はCDです」というタイトルのブログを書いて、
「おや?」と思ったことがありました。

音楽だけに集中して聴いているときがないじゃないか。

仕事しながら、
読書しながら、
運転しながら・・・・・・

そう、いつも何かをしながら音楽をきいていました。
いつのまに、私は音楽をBGM専門にしてしまったのでしょう。


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音楽を聞きはじめたのは中学1年生のとき。
ラジオで洋楽のヒットチャートやリクエスト番組を聴き、
やがてシングル・レコードを何枚か買った後、LPを買うようになりました。

中学生の小遣いで1年に買える枚数など高が知れています。
それを埋め合わせるために、夕飯のあと、友人が聴かせたいレコードをもってうちに来たり、
私のもっていないレコードをもつ友人の部屋に聴きに行ったりしたものです。
(初回に玄関から入ったら友人から「おまえなぁ・・・・」と注文がつき、次回から友人の部屋の窓から出入りしました)
ラジオの公開音楽番組にいったりして、この時分は、ひたすら音源を求めて音楽に耳を傾けていました。

高校生になって以降、音楽の好みがシフトしても
レコードをかけるときは、ほかのことはしていませんでした。
音楽の聴き方に変化があらわれたのは、勤めはじめてから。
なにかにつけて「仕事がいそがしい」と
一人前の証しであるかのように口にするようになった時期です。


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そんなことを考えていたら、おとといの夜に読んでいた本で、こんな文に出会いました。

音楽になくてはならないものは、時間である。
(「時間の贈り物」『幼年の色、人生の色(長田 弘)』)

 

 

幼年の色、人生の色 / 長田 弘 (みすず書房)
2016年刊
お気にいりレベル★★★★★

本、音楽、旅、人との出会い etc.・・・・
人生を豊かにしてきたことをつづったエッセイに、
うしろからポンと肩をたたかれて気づかされました。

3年前に仕事を大幅に減らして時間に余裕ができてからも、
読書に時間をふりむけることばかりに気をとられて、
音楽をBGMにする習慣をひきずっていました。

ただひたすら好きなものに浸る。
わすれていました、ひたすら、を。

きょうは休日。

このあと、お気に入りの豆でコーヒーを淹れ、
ボロディンの弦楽四重奏でも聴きましょう。
30分ほどの休符です。



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