真空管ラジオ『 コロムビア COLUMBIA 1510 』の修復 - Part.4 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
先のPart.1Part.3 の結果より、現状の問題点は次の通り:
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<現状の問題点まとめ> ※は解決済み。
※①短波は受信できるが、中波が受信できない。
 ②受信中、VOLUMEツマミの位置に関係なく常に最大音量?で鳴る。
 ③VOLUMEツマミを動かすと、かなり頻繁に「ガリガリ」『バリバリ』と
  最大音量?の雑音が出る。
※④局部発振回路の中波用バリコンの配線が取り外されている事が判明!
  これが①の原因になっている可能性が大である。
 ⑤コンデンサ、抵抗などの部品劣化の懸念有り。
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◆①と④は解決済み。
◆②と③はVOLUMEの可変抵抗器の故障が原因と思われるので、
 部品を入手して 交換する予定。
◆⑤は更に詳細に調査する予定。

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このPart.4では、先ず②と③を解決するために、VOLUME用可変抵抗器を
入手する事にしました。

ネット上でパーツショップや部品メーカーのサイトを探しても、オリジナル品
と全く同じ仕様の物は見つからず、某ネットオークションの『ストア出品』の
中から辛うじてそれに近い商品を見つけて落札しました。

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入手した『 NOBLE 単投単極スイッチ付 可変抵抗 500KΩ 』です。
メーカーはオリジナル品と同じ『帝国通信工業(株)』(NOBLEブランド)。

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シャフトを引っ張ってスイッチをオン状態にしました。

オリジナル品のスイッチはシャフトを反時計方向に最後まで回し切ると接点が
開き、その状態から時計方向に僅かに回転すると接点が閉じるタイプだけど、
この製品のスイッチはシャフトを引っ張ると接点が閉じ、押し込むと接点が
開くタイプです。

それは許容できるとしても、シャフトの長さがオリジナル品より相当短くて
パネル面からシャフトが全く出ないので、ツマミを取り付ける事ができない
という致命的な問題があります。

スイッチの構成(単投単極)と可変抵抗器の特性(500kΩ Aカーブ)は
オリジナル品と同じです。

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背面(手前)の端子がスイッチの端子です。
この一方の端子にAC100V電源ラインを接続し、他方の端子に電源トランスの
一次巻線のリードを接続して、ラジオの電源をオン/オフします。

d04

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ケースの金属部分に『 A500kΩ 125V5A 』と刻印されています。
“125V5A”はスイッチの定格電圧・電流で、使用条件に合っています。

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現状では、問題点⑤の“部品劣化の懸念”があるので可変抵抗器だけを交換
しても無意味と考えて、その前にPart.1Part.3で確認できなかった箇所を
中心に、使用されている部品の状態を更に詳細に調べる事にしました。
(シャフト長の問題を解決する時間稼ぎの意味もあります)

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ダイヤル指針の背面パネルが邪魔で、シャーシ前面に実装されている抵抗や
コンデンサの全てを見る事が出来ません。

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2本のビスを緩めてプラスチック製の背面パネルを取り外しました。

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シャーシ前面のほとんど全ての部品が見えるようになりました。

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前面の左側部分です(実装状態では下部に相当)。
可変抵抗器やロータリースイッチのシャフト、そしてダイヤル駆動機構、
パネルのパイロットランプ類などが見えます。

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前面の右側部分です(実装状態では上部に相当)。
抵抗やコンデンサが高密度に実装されています。
古い製品なので部品の汚れや劣化が激しいようです。

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とりあえず、可動部分に速乾性潤滑スプレー『CRC ドライファストルブ』を
施しました。

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Part.2Part.3ではロータリースイッチの接点に『CRC コンタクトスプレー』
という接点復活剤を使用したけど、これは主に“自動車/オートバイ用”を
想定した製品だったようなので、今回は改めて『ケイグ デオキシット 5%液
スプレー DN5 』という電子機器用の接点復活・保護剤を使用します。

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『中波-短波 バンド切り換え』ロータリースイッチの接点にスプレーしました。

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『モード選択(SELECTOR)』ロータリースイッチの接点にもスプレーしました。

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電源を入れたときに点灯しなかった2個のパイロットランプを取り外しました。

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軽く清掃してソケットに戻しました。

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電源を入れてみたけど、パイロットランプ(黄円内)はやはり点灯しません!
本来は、中波受信中は左の透明ランプが点灯し、短波受信中は右の赤ランプが
点灯するようになっているものと思われます。

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『モード選択(SELECTOR)』スイッチを時計方向に1段ずつ回転したら、
それに応じて“DX”“HIFI”“REMOTE”“PHONO”のランプ(緑円内)が順に
点灯しました。 こちらのランプはOKです。

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電源部の状態もチェックしておきます。

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取り外したヒューズです。
電源が入るので当然切れていないけど、一応新しい物に交換する事にします。

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整流管『5M-K9』も取り外しました。
Part.3で清掃済みです。

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電源シャーシの取付ビスを緩めて電源トランスから取り外しました。
何か見たくない物を見てしまったような気が・・・・!

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ズームイン。

汚過ぎます!!
このラジオの中で一番汚いところを見てしまったような気がします。

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シャーシの裏側(内側)です。
ヒューズホルダー、真空管ソケット、給電コネクタソケットは古めかしい
けど、取り付け状態は良好なようです。

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クリーナーシートなどで丁寧に拭いたら、見違えるように綺麗になりました。

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シャーシの裏側も、それなりに綺麗になりました。

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シャーシを元に戻しました。

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新しいヒューズを入手。

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ヒューズをホルダーにセットし、整流管と給電ケーブルのプラグをソケットに
差し込みました。
半世紀前の製品とは思えないほど綺麗になりました!?

他の部分も丹精込めて清掃すれば同じように綺麗になりそうです。
『玉磨かざれば光なし』

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<現状の問題点まとめ> ※は解決済み。
※①短波は受信できるが、中波が受信できない。
 ②受信中、VOLUMEツマミの位置に関係なく常に最大音量?で鳴る。
 ③VOLUMEツマミを動かすと、かなり頻繁に「ガリガリ」『バリバリ』と
  最大音量?の雑音が出る。
※④局部発振回路の中波用バリコンの配線が取り外されている事が判明!
  これが①の原因になっている可能性が大である。
 ⑤コンデンサ、抵抗などの部品劣化の懸念有り。
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◆①と④は解決済み。
◆②と③はVOLUMEの可変抵抗器の故障が原因と思われるので、部品を入手した。
 後日交換する予定。 
◆⑤は更に詳細に調査する予定。

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