チェコ


1965 チェコスロヴァキア


1942年親ナチ政権下、貧しい農民トーノは、警察に所属する義兄の世話により、ユダヤの老女が経営する裁縫店の管理権を譲り受ける。老女は耳が悪い上に本当の状況を判断していなかった。やがて、ナチスは現地の警察を使って住民の収容所送りをしはじめる・・。

1965年のアカデミー外国語映画賞受賞作。


本当のやさしさって何だったっけ。 と考えさせられる映画。


主人公トーノの奥さんの両極端の反応が頭から離れない。

ごちそうをお腹いっぱい食べ、香水までプレゼントしてもらった奥さんはにこにこしていて、とってもやさしい。

でもそのときだけ。いつもの貧しい暮らしに戻ると、叫びちらし、別人のように豹変する。


自分にも似ている要素があるんじゃないかと思ってこわくなった。

恵まれた国で、当然のようにおいしいものを食べている私はにこにこしている。

でも、過酷な環境で、貧困を目の当たりにした時、私はにこにこしているだろうか。

そう思うと怖くなる。 はっとさせられる。


トーノは奥さんよりも、やさしい心をもった老女を選んだ。

善人って一体何なんだろう。少なくとも、生暖かい世界にずっと浸されてたら、見えてこない気がする。


老女の言葉からはやさしさがにじみでている。


「世の悪の根は全部恐れからきているの。

だから、こわがることないのよ。」


夢物語のようなラストシーンは、いつまでも頭の片隅に残っている。



この作品は日本未公開らしく、画像がありませんでした・・

だから先日ともだちがくれたチェコの絵葉書のせます。

とってもきれいだったので。


プロデューサーズ


アメリカ 2005


あれ。今までどこいってたのかな。


と思えるくらいのめりこんでしまった!

私の周りはお腹をかかえて笑うたのしい人ばかりだったから、心地よい一体感につつまれてしあわせでした。 何だか劇をみたような気分。


ついつい冷めた感じで観てしまうミュージカルが苦手な人でも、これならきっと大丈夫。 

とゆうのも、コメディとミュージカルが絶妙な具合に混ざり合ってて、一気に映画の世界に入り込めちゃうから。冷めてるひまなんて、ないです。


テレビもゲームもない大昔、ミュージカルが大衆娯楽だった時は、ドラマティックというよりコメディに近いものだったらしい。 だから、ある意味原点に戻ったのかもなぁ。


もういやー ギャー 

と、自暴自棄におちいりかけてる人ほど、効果テキメン。 あたしも含めて・・


夏休みのレモネード

2002 アメリカ

監督:ピート・ジョーンズ 

エイダン・クイン/ボニー・ハント

1976年、シカゴ。カトリックの家庭に育つ8歳のピートは夏休みの前にシスターから“悪魔の道を選ぶか神の道を行くかは今年の夏の行ないで決まります”と言われる。そんな時、兄から、異教徒をカトリックに改宗させれば聖人になって天国に行ける、と聞き、早速ユダヤ教の教会堂へ通い始める。やがて、教会のラビと顔馴染みになったピートは、ある出来事をきっかけにラビの息子ダニーとも仲良くなるのだったが…。 ベン・アフレックとマット・デイモンが新人発掘のために発案したオンライン脚本コンテスト「プロジェクト・グリーンライト」によって1万2千本の中から選ばれた作品を映画化した作品。


「あそこまで5歩で歩けたら、絶対OOが出来る!!」

何の根拠もないのに、一生懸命。 ちいさいころよくやったなぁ。

今思えば、「なんだこんなこと。」と思えるようなものも、ちいさい時のわたしにとっては生死に関わる一大事だったりする。

ちょっとそこらの原っぱにいくのも映画並みの「探検」だったりする。

小学校の運動場ながめて「いいな~たのしそうで。」と感じても、子供達の頭の中は悩みや考え事でごった返しだったりする。

だからこの主人公の男の子が人生について、悩ましげに一生懸命かんがえる気持ちがよーく分かる。

ただ、宗教色が鈍い国で育った自分にとっては新鮮で特殊なこともいっぱい感じたけど。

とっても悲しいエピソードなんだけど、やさしくそっと、大事なことを教えてもらった気分になる。

甘酸っぱいレモネードのようにほんのりさみしくて温かい映画。


鴛鴦歌合戦


1939 日活

マキノ正博監督 片岡千恵蔵とディック・ミネ 


日本初のオペレッタ映画。


貧乏長屋で父親と暮らすお春は、浪人・礼三郎とは恋仲だったが、ライバルのおとみや藤尾とは礼三郎を巡ってけんかが耐えない。そんなある日、お春にひと目ぼれしたお殿様が、お春を屋敷へ差し出すように父親に申し付ける。


ただ、ただ、うれしかった。

なぜなら、

まっくらにしか感じられない日本の戦時中に、こんなにすてきな映画があったことを知れたから。


この映画の公開時は非常に特殊な時期。


ドイツではナチスがプロパガンダ映画(事実をねじまげたものを映画にして、大衆をコントロールするのに悪用した。)をつくってて、日本でも映画に検閲が入り始めている時期。


そして数年後にはジャズが敵性音楽として禁じられることになる時期。


今の映画づくりの環境とは全く異なる暗い時期に、こんなにたのしい映画をつくってくれたマキノさん。すばらしすぎです。


ジャズと日本がうまく融合したユニークな曲と、底抜けにたのしそうにスキップする殿さまの笑顔につられてわたしの顔も始終ゆるみっぱなし。



前の席の夫婦は、劇場の中が待ち合わせ場所だった。

仕事帰りの背広の男性と、少しめかしこんだ女性。とっておきのディナーを楽しむように映画を観に来てた。なんだかいいな。


サイドウェイ2


 アメリカ 2004

 「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督がワインを題材に人生の奥深さと素晴らしさを語るロード・ムービー。ワイン好きの冴えないバツイチ中年男が、結婚を目前に控えた親友のため、カリフォルニアのワイン・カントリーへの旅を計画、対照的な性格の中年独身男2人によるワインと女性を巡る珍道中がユーモラスかつしみじみとしたタッチで綴られてゆく。


「たいくつだね」 といいながらも、きっちり130分完食してしまった映画。


何でこの映画が数え切れないほどの賞をいただいたのか! どうかはよくわからないけども、なんだかゆるーくて、独特な音楽が心地よくて、浜辺にいるよう。


結局、 人生寄り道してもいいんだよ  ということなのか。


ワインは生き物らしい。味の差わからないけど、詳しくなりたいな と思った。


主人公は独身男ふたり。マイナス思考のさえない男と、自信過剰で俳優のさえてるのかよくわからない男。

さえない男のほうが、実は、世に認められてないけど文才があって、

別にソムリエとして認められてないけどワインに詳しくて、なんだか深い。だけどマイナス思考。


そのさえない男が出版社に自書の出版の話を白紙にされたときの言葉


「内容はすばらしいんだけど、時代にあってない。」

この言葉にショックを受けて、さえない男は更に小さくなる。


「内容はすばらしい!時代も今にぴったりだ!」

といわれたら、さえない男は一気に自信を取り戻すんだろうなぁ。


しかたのないことだけど、なんだかいや。

easter parade


1948年アメリカ


今年もイースターがきました。おめでたい。


この映画は私にとって宝箱のような映画。


だってフレッドアステアとジュディガーランド!それだけでお腹いっぱい。


使われてる曲はぜんぶ大好物。


ミュージカルを見るとき、女優のプライベートな生活と重ね合わせていちいち考えてしまう。


アステアは満足いけるダンスシーンを撮るため9回やりなおした。


ジュディは薬中の療養所から出てきたばっかりでふらふら不安定。


あ~ミュージカルってあんまり語るものじゃあないね。にっこり笑ってる本人達もそう思って欲しくないだろうし。感じたままでいいのかもな。

チキンリトル


ディズニー初となる3DCGアニメーション

2005 アメリカ

監督 マーク・ディンダル

出演 ザック・ブラフ  ジョン・キューザック

配給 ブエナビスタ


これはぜったいに、吹き替え版でみましょう・・。


字幕版のチキン・リトルの声が、あまりのだみ声で悲しかったから。

「チキンリトル」というより「チキン野郎」て感じだった・・泣


「地球を救う」というテーマのスケールも大きく、大人から子供まで楽しめる映画。

チキン・リトルもふわふわしててかわいい。


かわいいんだけど、かわいいんだけれども・・・・


ストーリーがちょこっと雑な印象を受けた。

予告編を観た印象では「親子愛を掘り下げた感動系でもあるのかな。」と思ってたので、あまりのあっさりした展開にがっかり。。

恋愛ものも、最後の方で突然入り込んできて、何でもつめこんじゃえ~て感じがした・・。


モンスターズインクのような感動や繊細さがもう少し欲しかったな。

男たちの大和



2005

監督 佐藤純彌

出演 反町隆史 中村獅童 渡哲也 鈴木京香

    仲代達矢  松山ケンイチ 蒼井優 寺島しのぶ

配給 東映


「お父さん、泣いてたのよ。」


父と一緒に観ていた母の言葉だ。


私は今まで父の泣いた姿を一度も見たことがない。


滅多にレコード店に足を運ばない父が、一枚のCDを買ってきた。

この映画のテーマソングとして使われている曲が入った長渕剛のCDである。

父は閉め切った部屋から、まるで私にも聴いて欲しいかのように大音量で流す。

同じ曲を何度も何度も。

「お父さん、大和どうだった?」と聴いても「よかったよ。」の一言だけ。


私も観てみることにした。


これほど、「多くの人に観てほしい」と素直に思える映画は珍しい。


そして、実際に、多くの人が観ている。

小さな子供ずれのお父さん、若いカップル、 高校生、 おばさん達、 団塊の世代っぽい人 年配の夫婦 ・・・

年齢層のあまりの幅広さに驚かされた。


物語は大和について語る年配の男性と、30代後半の女性、10代の若者の3人で構成される。言い換えると戦争体験者と、未経験者である子供と孫の世代の3人だ。つまり観客は、この3人のうちの誰かと照らし合わせて観ることができる。幅広い年齢層向けに、つくられているのだ。


心に残ったのは、長島一茂演じる臼淵大尉のセリフ。


「日本は今まで進歩を軽く見ていた。負けることによって得るものがある。

自分たちがここで死ぬことで、日本は進歩し、大きなものを得るのだ。」


橋の話を思い出した。私達が当たり前のように橋の上を渡れるのは、過去に崩れ落ちたいくつもの橋のおかげなのだと。 

私達は橋を渡るとき、感謝をしているだろうか。崩れて犠牲になった人たちのことを、考えたことなどあっただろうか。


エンディングテーマは父が何度も流していたあの曲。


場内が明るくなって、隣の見知らぬ人と、ふと眼があった。


知り合いのようにお互い微笑みあった。



靴に恋して


2002 スペイン

監督 : ラモン・サラサール

出演 : アントニア・サン・ファン ナイワ・ニムリ 

ビッキーペニャ アンヘラ・モニーナ

配給 : エレファント・ピクチャー

「盗んだ靴をはく女」、「偏平足の女」、「スリッパをはく女」、「スニーカーをはく女」、「小さな靴をはく女」

孤独、親子愛、恋愛に悩み、懸命に生きていく女性5人の物語を、靴を軸につなげたオムニバス映画。

シャルルジョルダンや、プラダなど、高級ブランドの靴が300足もでてくるため、ファッション面でも注目された。

公開時コピーは、「靴の数だけ、人生がある」


「おしゃれな映画をみたいな。」

と思って、手にとってみた。

この映画はよくファッション雑誌で紹介されてた。


くつろぎながら気軽に観てたら、どんどんどんどん ひきこまれていった。

始まりは地味なミニシアター系で、横で観てた姉は途中でどっかいっちゃったけど、観ていく内にはまっていく。


5人の生き方はさまざまだけど、ふとしたところに共感できる部分がいっぱいある。


「君は夢をもっていた。でも何かが足りなくなったんだ。」

「時間よ。」

「いや、情熱だ。」


思わず書き留めておきたくなるほど、どきっとさせられるセリフの数々。


靴がテーマの映画といえば、「イン・ハー・シューズ」が記憶に新しいけど、こっちの方が断然いい。あの映画はキャメロンというスターが出ていたせいか、主人公の性格が極端だったせいか、無意識に「自分とは別の世界」と線引きをしていた。

でもこの映画は、素人感が強いせいか、自分自身と重なる部分もあるせいか、共感しやすい。

セレブもドラッグづけの引きこもりも未亡人も体験したことないけど、深い部分は結局みんな同じことで悩んでるんだなぁ。


この映画、原題はpiedoras (スペイン語で「石」って意味。) 

こんな題名だったら、おしゃれ映画だと思って手に取らなかったかも・・・。

でも実際はおしゃれ、かつ、人生をテーマにした深い映画で、思わぬ収穫だった。

ポスターもぜんぜんちがう。(左が日本。右がスペイン)


くつにこいして  靴にこいして

いや~ またまたいい意味でだまされた。




ロード オブ ドッグタウン


2004   アメリカ

監督 : キャサリン・ハードウィック
脚本 : ステイシー・ペラルタ

出演 : エミール・ハーシュ ヴィクター・ラサック ジョン・ロビンソン

配給 : ソニー・ピクチャーズエンターテインメント

70年代アメリカ西海岸、ヴェニスビーチ周辺の見捨てられた街、通称ドッグタウン。
この街で育った3人の少年たちは、崩壊寸前の家庭を抜け出し、サーフィンとスケートボードに明け暮れる毎日を送っていた。やがて彼らの溜まり場となっていたサーフ・ショップを中心にスケートチームZ-BOYSが結成される。

「20年後も僕たちの夏休みは続くんだ。」と誓い合った3人だったが・・・。


「好きなことをして生きていきたい。」

というのは世間知らずでむりな願いなのだろうか。

最初は無邪気にスケボーを楽しんでただけなのに、ビッグビジネスの対象となり、大衆の目にさらされるようになってから何かが変わり始める。

「消費された感」が残るやるせなさは、仕方のないことかな。


「好きなことをしているだけ。お金とは関係ない」と否定する者。

「チャンスだ!」と喜ぶ者。

よく分からないけれど、どこかで線引きが必要なのだろう。

その線引きがひとりひとり違うから、うまくいかないんだろうな。


「スケボー? したことない。よくわからない。」

て人こそ、観てもらいたい映画。

滑ってる視点で撮影されていて、まるで自分もスケボーを楽しんでる気分になるから。

まるで自分もこのチームの一員になったみたい。


「たった2時間弱で、滑った気分を堪能できます!」

ていう宣伝もありかなぁ 笑


偶然にも先日みた
エレファントのジョン・ロビンソンがでてた。髪の毛でこんなにかわるのか・・。