シャルル・リシャール=アムラン ピアノリサイタル | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成28年5月23日(月)、
『シャルル・リシャール=アムラン ピアノリサイタル』(in 東京オペラシティ)
を聴きに行く。

以前、NHKだかで第17回ショパンコンクールの様子が放送された。
その際優勝した、チョソンジンっつー韓国人青年の演奏は私の好みではなかったのだが、
第2位とベストソナタ賞を同時受賞したアムランというおじさん(←コラッ。当時26歳)の
演奏が妙に気に入った私。
(しかもアムランさんは華やかな音で定評のあるスタンウェイのピアノではなく、
 YAMAHAのピアノを選んだのだ。YAMAHAのピアノがとうとう初優勝か?!と思ったが、
 残念ながら2位であった~。)

そしてその名前をなんとなーく覚えていたところに、
このたびアムランさんが来日!という情報を小耳に挟んだ私。
これはなんとしてでも行かねばならぬ、と、
あまりよくない席ではあったが、心をときめかして初台に向かったのでありました。

◇◆



開演まで時間があったので、一度入ってみたかったお店でモグモグ。
オペラシティでの演奏会はたいてい時間ギリギリだったりすることが多くて
あまり食べたり飲んだりしたことないんだよね~。

プルルル~♪

私「もしもし~」
汗「オペラシティってどこ。新国立劇場ってとこに降ろされたんだけど。」

汗かき夫、いきなりの不機嫌であります。

私「同じ建物なんだけど、オペラシティは国立劇場の逆にあるんだよ。」
汗「あ?逆?意味わかんないんだけど。」
私「看板見て行けばわかるって。」
汗「とりあえず行ってみる。」

何で不機嫌なんだ、あいつは。と思ってたら、数分後、仏頂面でやって来た。

ははーん、不機嫌の理由はすぐわかった。

暑い。以上。

汗かき夫、名前のとおり汗をすぐかく。→デブではないが・・。
暑いと不快らしい。

・・って知るかっつーの。

私「ちょっと~暑いからって私にあたるのやめてくんない。グーで殴るよ。」
汗「あたってないよ。タクシーの運転手がオペラシティだっつってんのに、
  新国立劇場の前で降ろされて、歩いてすぐそこです、とか言って行っちゃったんだよ。
  全然すぐじゃないし!!」

なんてひどい運転手。
でもそれも私のせいではない。

私「暑いのもタクシーも私が悪いわけじゃないんだから、
  イライラをぶつけないでよね。マジでコ◎スよ。」
汗「こわいー><」

ショパンコンクールの番組を見た際、隣には汗かき夫もおり、
アムランさんの演奏を聴いてみたい~
というので一緒に聴くことになったのであった。

◇◆



やっぱり使用されたピアノはYAMAHA!

[出演]シャルル・リシャール=アムラン(Pf)
[曲目]ショパン・プログラム
・ノクターン ロ長調 op.62-1
・バラード第3番変イ長調 op.47
・幻想ポロネーズ変イ長調 op.61
・序奏とロンド変ホ長調 op.16
(休憩)
・4つのマズルカ op.33
・ピアノソナタ第3番ロ短調 op.58

[アンコール曲]
ショパン 英雄ポロネーズ変イ長調 op.53
エネスコ パヴァーヌ(『組曲第2番op.2』より)


アムランさん、とにかく前半の選曲が渋くて私の趣味とどうも合わなくて困った。
そして選曲も渋いが、演奏もなかなかの渋さ。
ベテランかよ、的なおだやかな演奏を披露してくれた。
ただとても楽譜に誠実で、1音1音を大事に弾いていて好感のもてる演奏であった。
日本人が好きそうな感じ。

そして休憩。
CD販売所には黒山の人だかり。
CD販売に慣れていなさそうなスタッフ1人があたふたと売りさばいていた。
そんな様子を2階から眺める私と汗かき夫。

汗「アムランさん、演奏どう・・?」
私「悪くないけど、とにかく渋い!」
汗「ショパンって好きな人多いでしょ?
  だからすごく期待してたんだけど、どうして人気があるのかわかんなかった。」
私「あはは。でしょ?だから私はショパンが好きじゃないんだって~。
  でも後半のピアノソナタ第3番はわかりやすいし、素敵だからご安心ください。
  私も大学生の時弾いたんだよ、懐かしい。」

そして後半・・・。

アムランさんの演奏するピアノソナタ第3番は圧巻であった。
ポスターの写真を見ると、ピアニストにしては(&体格と比べて)さほど大きな手ではない。
そんなハンデをもろともしないダイナミックな演奏であった。
前日は岡山シンフォニーホールでの演奏会だったようだが、
そんな疲労も感じさせない演奏(笑)。
(名古屋、大阪、横浜、東京、と演奏会開催場所として主要都市が連なる中、
 なぜ1つだけ岡山が入ったのかしら?YAMAHAが強いとか?)

汗かき夫もピアノソナタ第3番の演奏でようやくショパンに興味がもてたそうです笑

演奏会の感想としては、
まだまだこれから、ではあるが、
アムランさんはこれからきっと日本で人気が出るだろうなあ~。
と思われた。

そしてこのたびの演奏会はショパン・プログラムと銘打った演奏会であったが、
アンコールのエネスコのパヴァーヌが一番よかったです(笑)。

あとどうでもいいが、オペラシティの2階席も悪くなかったが、
天井だかどこかの空調がガタピシ鳴るのがものすごーく気になった。
(前半の開始10分くらいと後半開始10分くらいそれぞれ。空調が入ると音が鳴るっぽい。
 そしてある程度の温度になると止まるようだ。と勝手に想像。)
私が気にし過ぎなのかなあ、と思ったが、他の人も数人気にしてる様子の人がいたので
気のせいではなかった。
ぜひメンテナンスしてください。


そして帰宅後・・・。
マルタアルゲリッチ(1965年版)のピアノソナタを聴いていると

汗「え?それズラタンの演奏?すごいじゃん!!今日の演奏と全然違う!すごい音がする!」
私「は?ツッコミどころ満載だけど、まずズラタンって誰よ。それサッカー選手じゃね?」
 →ズラタン・イブラヒモヴィッチ

私「アムランさんでしょ!あと、この演奏はマルタ・アルゲリッチです!」
汗「マルタの演奏はすごいなあ。
  アリスなんて全然だめだね。→前日のアリスさんの演奏に飛び火!
  マルタの演奏を一度聴いてみたいなあ。」
私「私は一度聴いたことあるよ~。すごくよかったよ~。じ~ん。
  ・・というか、ラフォルジュルネで聴いたじゃん。ソロじゃないけど。」
汗「ソロで聴きたいの!!」

(私かアルゲリッチかのどっちかが)死ぬ前に一度は行ってみたい別府アルゲリッチ祭。
近いうちに行くかもしれません・・・。
ついでに温泉に入ったりなんかしたーい!!

→私が聴いたアルゲリッチの演奏会『マルタ・アルゲリッチセレブレーション2010
→ラフォルジュルネでのアルゲリッチたちの演奏会
  『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2014