NHK音楽祭2014~イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ズービン・メータ~ | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成26年10月29日(水)、
「NHK音楽祭2014~イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ズービン・メータ~」
(in NHKホール)を聴きに行く。

数日前、イスラエル・フィルのコンサートに行って感動したばかり。
 →参考記事『ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 2014年日本公演
そんな興奮冷めやらぬ中、再びイスラエル・フィルを聴きにやってきた私。

いやー、こちらの方が先にチケット販売が行われたんですよ~。
曲目も、シューベルトとマーラーってんで、張り切ってお高い席じゃなくていいや、と
少し悪い席を1人分おこづかいから買っていたのであります。

そしたらなんと、しばらくしておチャイコさんプログラムが出た。。。。

こっちを買えばよかったーーーーーー!!!!!
と死ぬほど後悔。

少し悪い席とはいえ、普通の倍以上高い。
2日行くような金を、私は持っていない。
すっからかんたろう。
これ以上の金は捻出できん、と汗かき夫(通称ATM(アトム))に相談したのであります☆
そして前回記事のイスラエル・フィルでの感動コンサートとなったわけ。

アトムよ、ありがとう!!



はあはあ。なんとか間に合ったーーーー!!
原宿から走ってきてよかったよ。

今回は遅刻ではなく、直前まで用事があったのです。



あくまでも今日はイスラエルフィルコンサート、ではなく、
NHK音楽祭の中のコンサート。



ズービンさん、ちょっと痩せてる。。。
それはいつの写真・・・?
それとも加工・・・?

着席すると、奥田佳道さんのプレトークが終わるところであった。
ギリギリに来たため、プレトークは聴くことができなかったーーー!
残念。
なお、今回のコンサートの様子はEテレのクラシック音楽館で放送される模様。
そこでプレトークが流れるといいんだけど。

前回同様、満席になったところで開演のお時間です!

◇◆




イスラエル・フィル、マーラーは苦手??

ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

(曲目)
シューベルト 交響曲第6番ハ長調
マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調

(アンコール)
マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲


まずは最初のシューベルト。
弦のあまりの美しさに、私の周囲のおじいちゃんおばあちゃん、居眠り続出!!
みんなが舟を漕いでいた。
カックンカックン。

でも気持ちはよくわかる。
あまり有名な曲でもないじゃん?
知らない人もいるかもしれない。←そうか?
スルスルと心地よい音楽が耳を通り抜け、頭で理解する前に心に響いて、そして安眠。
わかるわ~。
みんな幸せそうに寝ていた。
そんな私もあぶなく寝そうになった。
さすがに寝ることはなかったが、釣り糸がクイクイ引っ張られるように眠気が徐々に・・・

美しい調べであったが、特徴的な演奏ではなかった。
私がシューベルトがあまり好きじゃないというのも大きいだろうが、
シューベルトってとにかくメリハリのない曲が多い。
ピアノ曲でどんだけ悩まされたことか。
どう弾いたらいいのかわからないのよーーー!!!!
ひたすら歌い続けるメロディに私はいつも困惑していた。
それは交響曲にも同じことが言える。
構造がよくわからないのだ。
1本の線がひたすら流れて行く感じ。

そんな美しい1本の線を、
世界一の弦が美しく香り豊かに演奏し、それを舟を漕ぎながら(私は漕いでないけど!)
堪能していた贅沢な時間であった。

休憩~



シューベルトに襲われた眠気を打破すべく、珈琲を1杯。

うーん、まずい!←青汁CM風に。

NHKホールって安らがないんだよねー。
暗いしー。
汚いしー。
喫煙場所と休憩場所が近いしー。
けむいしー。
売り場も簡易すぎるしー。
おいしくないしー。
あもちゃん、文句しか出ないお年頃。

けれども上品なマダムが、
珈琲を持ってウロウロする(←休憩場所を探し中)私に声をかけてくださった。
「お嬢さん、こちらの席へいらっしゃい。」
とテーブルをシェアしてくれた。

私(おっっ、お嬢さん!?!?)←どうしても言いたい!お嬢さんですってよ!!

マダムのおかげで、文句しか出ないNHKホールにひとすじの光。
マダム、ご親切に(お世辞も)ありがとう!!

まずい珈琲と温かなマダムの親切に体と心が温まったところで、
マーラーのお時間です。

1楽章の葬送行進曲が大変よかった。
管楽器と弦楽器のバランスもよく、聴くものを惹き付けるダイナミックさ。
しなやかな弦はここにも健在。

しかーし。
それ以降はなんか締まりがなかったんだよな~。
あの日曜の宝石のような煌めきはどこへ?
同じイスラエル・フィルのメンバーとは思えないまとまりのなさ。
いや、まとまってはいたんだけど、メリハリがないというか、
ひたすらとにかく音符は追いかけてます、みたいな疲労感にじみ出ていた。
毎晩飲み明かしてたんじゃないの~?

しかし演奏終了直後、
ブラボーおじさんたちが張り切ってあちこちからブラボーを飛ばしていた。。。

いやいや、そうでもなかったんじゃね?
私の期待値が高過ぎたのをさっぴいても、ブラボーと言えるかどうか・・・
あ、でも1時間半近い長時間演奏ご苦労さんという意味なら・・・←ひでぇ。

この日の演奏でいちばんよかったのは、
アンコールのマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」(間奏曲)であった。
あま~いあま~い弦の匂いがホール全体に薫って、じーんときたよ。
ここで(←マーラーの後で)この曲弾くか!と、激しいギャップに悶えた。

しかしマーラーがねえ。
ひたすら残念だったよ・・・。

全く人の意見は見ない私だが
(←人の意見を読んだりすると、自分の意見がすぐ揺らぐもんで。
  あとは人の意見に興味がない、というのもある・・・)
他の公演はどうだったのかしら・・・とちょこっと見てみると・・・

どうやら私が大絶賛だった日曜日の公演の翌日の池袋公演が最悪だったらしい。
(あくまでも人の意見だが、みんなそう言ってるということはそうなんだろう。)

よかったーーーーーー!!!!!
この池袋公演も、候補日の一つだったんだよね~。
でも時間と予定が合わなくて、やめたんだわさ。
あっぶねーーーーー!!!!

それに比べたら、今回は最悪というほどでもなかったので、まあよかったのか。
しかしわかったのは、イスラエル・フィルはマーラーは苦手、ということ。
次回来日時の参考にしておこう。

でもでも、こんな酷評に懲りず、また来てね、ズービンさん&イスラエル・フィルさん!
日曜日のような演奏をお待ちしております☆
熱烈大歓迎!!!

こんなに酷評ながらも、サイン会があるならぜひサインをしてもらおう!!!
と意気込んでいた私だったが、残念ながらこの日はサイン会がなかった・・・
やっぱり日曜日に頑張って並んでサインをもらっておけばよかったー><

そんな意気消沈気味な私を慰めんばかりに、
その日のプログラムがとても美しい曲目解説をしてくれていた。

「そもそも交響曲とは何だろうか。(略)
 また音楽史ではウィーン古典派の3人の作曲家、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンによって、確立され、完成され、円熟を迎えたと説明される。(略)
 そしてそのベート-ベンによって、次の19世紀ロマンはへ扉が開かれたのだった。ベートーベンは交響曲を音の建造物であると同時に、第5番「運命」で苦悩の果ての歓喜を、第9番「合唱つき」で人類への愛を歌い上げることで、作曲家の人生観なり世界観なりを表現するものに変えてしまった。あらゆる面で「ベートーベン以降」と評されるロマン派の交響曲は、偉大なるベートーベンを理想とし、それを越えることを目指さねばならなかった。だからこそリストは交響詩を創始し、ブラームスは21年の歳月をかけて交響曲第1番を完成させたのであり、さらにロマン派の後半には国民楽派の作曲家たち、とりわけチャイコフスキーとドボルザークによって、交響曲に豊かな民族性がもたらされた、
 本日演奏されるシューベルトとマーラーは、ロマン派の入口と出口となった作曲家である。ベートーベンとほぼ同じ時代のウィーンを生きたシューベルト。そしてマーラーが去った後のウィーンでは、シェーンベルクとその仲間たちが無調、そして12音技法へと歩み出し、交響曲は過去の遺産となっていったのである。」

このプログラムが読めたのが、この日のコンサートにおける1番の収穫かも。
(書いたのは、石川亮子さんという方だそうです。)

石川さんは音楽学の准教授だそうだが、そういうの、私、全く知らないからなあ。
一度勉強したほうがいいような気がするが、齢すでに不惑にして、遅過ぎる気もする。

今回、マーラーの曲をもう一度聴いてみようと動画をあたった際、
この演奏がいいんじゃない?と思ったのでご紹介~。
イスラエル・フィルのマーラーよりすばらしい演奏をしております。



レヴァイン指揮
フィラデルフィア管弦楽団
マーラー交響曲第5番


それでも、私はイスラエル・フィルが大好き。
これは永遠に変わらない。