WRX S4インプレッション | アイドルは電気ヒツジの夢を見たか?

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他愛もない日々の記録です。
娘の闘病が終了し、新たな気持ちで前に向かってます。

中国出張も今日でちょうど1週間目。

ちょっと時間が出来たので、昨年10月に納車された車のインプレッションなど纏めてみたいと思う。

 

かなりの長文になりますので、興味の無い方は遠慮なくスルーしてください。

 

 

納車されてからもう9ヶ月も経つのだが、先月に漸く慣らし期間が終了し、通常運転に切り替える事が出来た。

まだそれほど走り込んではいないが、取り合えず現時点で感じたことを纏めておく。

 


◆概要

さてWRX S4とは、WRXの雰囲気を残しつつほどほどのスポーツ性能を備えた一般向け4ドアセダンである。
どうも勘違いしている人間が多い様で、未だにMTが無いからと駄目出しをしてくる者も多い。
S4はATだから良いのである。
自分は同じ様なコンセプトのWRX STI A_Line(GVF)からの乗り継ぎだが、性能の向上に素直に驚いておりとても満足している。

 


車の好みは人それぞれ。
自分の価値観を押し付けるのは止めて欲しい物だ。
前モデルまではWRX STIと言う、S4とは別物のハードなパッケージがあった。
恐らくだが、このモデルがあったおかげで全く同じデザインのS4も人気があったのではないかと思っている。
今回はWRX STIが存在せずおとなしいS4だけになってしまった為、誰が見てもS4しかないモデルは今一つ人気が出ないのではないだろうか?
つまりミッションだけMTにしても所詮WRX STIにはなれないので意味が無いのだ。
因みに海外ではMTモデルが存在する。
以前乗ってたGVFにもMTが存在した。
タイムはMTだろうがATだろうが殆ど変わらないか、ATモデルの方が若干早いのが実態だ。


◆動力性能について
前モデルのVAGと比較して25psパワーダウンしている。
ここに突っ込みを入れて、試乗してもパワーが無いとか、先代より遅いとか言いたい放題言う評論家が多い。
しかし、同じドライバーで筑波を走らせると1秒早かったし、0-100Kmタイムを比較しても同等か新型の方が若干早い。
どうも先入観に左右されているような気がしてならない。
勿論エンジン単体で計測すればVAGの方がパワーがあるのだろうが、新型は車のパッケージとしてかなり頑張ったのだろうと推測する。

因みに以前乗ってたGVFは300psだったが、明らかに今回のVBHの方がパワー感があり早く感じる。
しかし、実際に筑波を走らせるとGVFの方が約2秒早いのだ。
不思議な物だ。
(参考だが、STIのMTモデルはさらに3秒以上早かった)

今回の目玉はドライブモードの選択が可能な事。
エンジン特性に加えて、主にサスペンションとステアリング特性及びSPT(CVT)の制御が変化する。
これがまた実に面白い。
これを組み合わせて自分好みの特性をプリセット出来る。
先日、なんとなくではあるが自分好みの組み合わせを見つける事が出来た。
内容は内緒である。


◆ミッション
30年近くFRのMT車を乗り継いで来たが、もろもろの事情により前のモデルからついに4WDのAT車を乗る事となった。
以前乗ってたGVFでは昔ながらのステップATだったが今回からは初のCVTである。
CVTに拒否反応を示す車好きも多く、ラバーバンドフィールと言う言葉を使いたいだけなのか知らないがとにかく評判が悪い。
伝達ロスは確かにあるし市販車では必ずトルコンも介されている。
今回はそう言った細かい事は考えず、スバルが頑張ったSPTの出来について感じたままを書いて見る。


 

まずエンジンモードに合わせてCVTの特性も変わるが、Iモード時でDレンジの時にのみ通常のCVTの動作にセットされる。
70Km/h前後のクルージングでは1200rpm程度で固定され燃費の良さがとても実感できる。
5速程度のステップATではここまでギア比は高くならなかった。
一方このモードで激しいアクセル操作をするとプーリー比がバタバタし始め、さすがの私もイラっとしてしまう。
そもそもこのモードはその様な乗り方は想定していないし、まったりと乗るにはとても良く出来たミッションなのだと痛感する。

そしてマニュアルモードにするとCVTはステップ制御となる。
パドルシフト操作に対するレスポンスはとても早く、トルコンの介入感もほとんど感じないしアクセルを踏み込んでもギアは変わらない。
個人的にはかなり満足しているのだが、気になる所が無い訳では無い。
まず全くMTと同様な使い勝手は実現で来ていない。(ま、その必要も無いのだが)
本気で加速している時などはとても気持ちのいい操作性を味わえる。
しかし、2000~4000rpm程度で流している時のギアチェンジは早すぎて逆に不自然だ。
MTの様にトルクが切れる事が無く、いきなりトルクが変化する為一瞬エンジンブレーキがかかった様な感じになる。
DCTがどの様な処理をしてるのかは不明だが恐らく同じだろうと想像する。
実際はアクセルを戻してゆっくりクラッチをつなぐ事になると思う。
その辺りはプーリー制御で何とかなると思うので今後に期待したい。
むしろDCTより特性が設定しやすいのでは、とも感じている。
そして最大の違和感と感じるのは、今どのギアで走ってるのか解らない事。
MTでは手が覚えていた。
もちろんパネルには表示されているのだがそういうのと違うんだな・・
DCTも同じだと思われるが、MTとはやはり別物なのだ。

因みにこの車では、ローンチコントロールモードでDレンジで加速すると0-100Kmで約5.7秒(因みにWRX STIは5秒を切る)だが、パドルシフトの疑似マニュアルモードにすると0.5秒程度遅くなる。
CVTは本当は速いのだ。
以前F1に搭載を検討された事もあるらしいが、もろもろの理由で開発中止になったようだ。
(マクラーレンやウィリアムズがテストしたらしい)

とは言え、本音を言うとチェーンとプーリーではなく、シンプルにギアで伝達してほしいな・・とは思っているのだが・・。


◆エクステリアについて
今回のデザインにはとても満足している。
評判の悪かった樹脂フェンダーも、ボディー色を黒にしたおかげで殆ど気にならなかった。
オプションでフロントスポイラーとエキゾーストフィニッシャーを付けたらさらに好みのデザインとなった。
唯一不満だったのは大型スポイラーの設定が無かった事。
やはりWRXと言ったら大型スポイラーでしょう。
元々大型スポイラー無しでも十分行けるデザインなのだが、昨今のセダン不人気も背景にあり、通常のセダンと区別する為に無理して社外品を付けて見た。
結果大満足である。
この大型スポイラーの取り付けはディーラーにお願いした。
本来片側3カ所、合計6カ所のビス止めで固定するのだが、水漏れの恐れがあるとの事で、今回は4カ所のビス止めとテープによる取り付けとなった。
ディーラーでは、部品の保証は当然行わないが、取り付けに関してはしっかりと保証してくれるらしい。
車両受取の際に、取り付けの時の写真を収めた記録資料を見せてもらい、とても安心した。

唯一の不満はブレーキキャリパーが片押しのままな事かな。
対向ピストンのキャリパーはオプションでも用意されていないので、そのうち社外品に変更しようと思っている。
性能云々ではなく、あくまで見栄えだけの問題である。


◆インテリアについて
元々11.6インチタッチパネルが売りの操作パネルだったが、TVを映した際の画面サイズが7インチ程度になってしまうのが嫌だった。
また、メーターパネルもすべてデジタルになってしまう為、あえてオーディオレス仕様とした。
アイサイトXが通常のアイサイトになってしまうが、使うつもりはさらさらないのでちょうどよかった。
後付けしたナビはKenwoodの彩速ナビで、横向き9インチの画面は見ごたえ十分である。
ただここで問題が発生した。
Kenwoodではディーラーオプションのナビを設定している為、通常売りのナビには接続キットが存在しない。
現時点でも、ハンドルコントローラーとアンテナへの接続が出来ていない。
また、11.6インチパネルは静電パネルであるが、レス仕様になると小さな5インチ程度の抵抗感圧式タッチパネル装着される。
ナビの静電パネルと抵抗感圧パネルの使い分けはとても違和感がある。
パネルのSWを操作後、画面を閉じようとすると、右上の小さな[×]を押さなければならず、これが走行中だとなかなか画面を閉じる事が出来ずフラストレーションが溜まってしまう。
何よりも、操作する為に画面をよく見てしっかり押し込まないと反応しないので、走行中の操作はとても危険である。
交通事故を無くそうとしているのにこの操作性はとても頂けない。
手探りで操作が出来る様に、大きな[HOME]ボタンでも設置するのが正しい方法ではなかったのではないだろうか?。

ついでにもう一点、これは不満ではないのだが、ETCを後付けにしたせいで付ける場所にかなり苦労した。
そもそもフラットな場所が無い為、しょうがなくセンターコンソールの脇に張り付ける事にした。
しかしどうしても足に当たる為、結局純正の取り付けパネルを取り寄せ、ヒューズボックスの位置に移動する事となった。
(出張前に部品は貰ったがまだ取り付けは行っていない。次回レポート予定)


◆その他
あまり不満の無い車だが、1点だけ声を大にして文句を言いたい。
アイドリングストップをデフォルトで入れるのだけは勘弁してほしい。


やっとならしを終えたとはいえ、まだ5,000Kmも走っていない。
速く帰国してもっともっと乗り回りたい所である。


ではでは。