『DOGMAN(2023)』"神の名において"~愛を与えられなかった男の人生 | 日本と芸能事が大好きな Ameyuje のブログ

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米合衆国領土グアム島と仏領ポリネシアのタヒチ島とボラボラ島しか訪れた他国無し。比較対象が少ないのに「僕に一番合うのは日本」と思う。反日国に侮辱されても毅然とした態度をとらない現在の母国には「いやんなっちゃうな~」と立腹するけど、やっぱり日本が大好き。

直前のブログ冒頭にも書きましたが、この作品を3月10日の日曜日、映画館まで観に行くことにしたのは、ronin様のブログ『roninの最新映画レビュー&けっこう当たる興行成績予想ブログ』で高評価がなされていたのを読ませて頂いたことが大きなモチベーションとなっております。

 

大好きなビリヤニを食べてほどなく 阪急西宮ガーデンズのルーフフロアにある「TOHOシネマズ西宮」のスクリーン4で、13時5分上映の回を鑑賞いたしました。

で、いつものように「わけわからんことばかり書いてしまう」その前に、まず言いたいことを書いておくならば、「主人公の人生に心を寄り添わせることができたし、映画館で観て良かった」ということです。

 

【物語のはじまり】

ニュージャージー州で、警察が道路封鎖をしているシーンから映画は始まります。

検問する警察関係者たちが捜索しているのは、武装した30代の男性。

そこに大きなトラックが近づいて来て、取締りをしていた警官が車を停止させると、それは捜索中の容疑者自身が運転する車でした。

 

男性は女装して金髪のかつらを被って化粧をしているものの、身体は随分負傷し、化粧は汚れてはげ落ち、破れたピンクのシルクドレスを着ています。さらには男性は両足が不自由で車いすが必要な人物でもあります。異様だったのは、トラックの後部荷台部分には十数匹の様々な犬種や大きさの犬の群れが載せられていたことでした。

運転席のドアを開けて質問してくる警察官に、指名手配されている男性は「あなたが私を傷つけない限り、犬たちがあなたを傷つけることはありません」と警告しました。

 

この女装で運転していた男性は結局拘置所に収監され、得体のしれない彼を持て余した警察は生後9か月の赤ん坊を育てている離婚したばかりのシングルマザーである精神科医のエヴリン(ジョジョ・T・ギブス)を呼び出します。

エヴリンに自分と同じ”痛み”を感じる男性は彼女の聴取に応じ、自分の名前はダグ、「ダグラス」であることを明かします。

自分の現在の姿、この有様については「私は病気ではない、ただ疲れているだけだ」と彼は言い、エヴリンにとっては素直な患者と言っていい人物でした。
エヴリンが彼の子供時代からの話を聞いていく中で、この男性の凄まじい過去が追憶の情景として描かれます。

 

ダグは暴力的な父親のマイク・マンロウと、その父親にすべて付き従う兄リッチーとに虐待されつづけていました。

彼の父親は「闘犬試合」に参加させるためにわざと犬を飢えさせるような人間で、ダグラスが犬たちを憐れんで餌を与えていることをリッチーから告げ口されると息子を殴りつけ、ダグラスが「家族よりも犬を愛している」というと、汚い犬小屋に放り込んで犬たちと一緒に生活させるような男でした。

閉じ込められた犬小屋の板壁の隣に、家出した母親が自分自身の慰めのために保存していた雑誌の束があるのを壁に空いた穴から見つけたダグは、その雑誌を教科書代わりに犬小屋の外の世界を学んでいました。

しかし、ある日 犬小屋の中で誕生した子犬を父親から守ろうとしたダグは銃で撃たれて左掌の指を失うとともに、跳ね返った銃弾によって脊椎を損傷して立てなくなってしまいます。

その時にダグは飛ばされた自分の指をビニル袋に入れて、家族よりも信頼する犬にパトカーの写真を見せてそこに自分の指を届けるように指示を出します。

 

その犬が見事にダグの与えた仕事を果たしてパトカーの警察官たちを連れてきたことにより、マイクは家宅捜索を受け、ダグラスは監禁を逃れ、傷ついた体の手術を受けることになりますが、足は自由に歩行できることは無く、車いすでの移動を余儀なくされます。

 

このような犬小屋で育てられて暴力が全てだった少年時代のトラウマを抱えながらも、犬たちに救われ成長していく中で女優を目指すサルマ・ベイリーに恋をし、世間にも馴染もうと努力しますが、やはり裏切られ、苦しめられ、深く傷ついていきます。

 

その後の彼は動物保護施設を運営して暮らすようになりますが、国からの助成金がなくなり、施設を閉鎖しなければならなくなったことをきっかけに彼自身と仲間の犬たちのために秘密の「犬の住処」を作りました。

彼は廃校を使った本部形式の動物居住区を作り、裕福な家に犬たちを送り込んで大胆な窃盗行為を続けました。

 

そんな彼の過去を聴取したエヴリンは「それは犯罪行為」だと諭しますが、ダグラスは「私は富の再分配を信じている」と何度も繰り返して言うばかりでした。

 

犬たちの愛に何度も助けられてきたダグラスは、人間には愛されなかった絶望的な人生を受け入れて、それでも生きていくために犬たちと共に犯罪に手を染めて行きます。

 

しかし、「ドッグマン」として知られていく彼の行動はやがて“死刑執行人”と呼ばれるギャングに目を付けられることになり、最後には激しい血みどろの戦いの中に突入していくことになります。

 


Crew

 

Directed , written by Luc Besson
監督・脚本 … リュック・ベッソン

 

Produced by Virginie Besson-Silla
制作 … ヴィルジニー・ベッソン=シラ

Music by Éric Serra
音楽 … エリック・セラ

Cinematography by Colin Wandersman
撮影 … コリン・ワンダースマン

Editing by Julien Rey
編集 … ジュリアン・レイ


Cast

 

Caleb Landry Jones … Douglas Munrow
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ … ダグラス・マンロウ


※Rinkān Paueru … (Teenager Doug)
 リンカーン・パウエル … 十代の頃のダグラス 。

:家族の中でただ一人優しかった母親と接する時間は いつも父親の暴力で妨害されていました。


Jojo T. Gibbs … Evelyn
ジョジョ・T・ギブス … エヴリン

:ダグラスのセラピーと事情聴取を担当する精神科医。離婚したばかりのシングルマザーで生後9か月の赤ん坊を育てている。母親とも同居していて、彼女との会話の内容からエヴリンの家庭にもダグの家庭と同じような暴力的な父が居て、その父と母が離婚したのと同じ理由でエヴリンも夫と離婚したことが分かります。その夫には裁判所から彼女への接近禁止命令が出ているようです。

 

Grace Palma … Salma Bailey
グレース・パルマ … サルマ・ベイリー

:暴力的な父親の束縛から逃れ出て施設に入ったダグラスに、変身することや演劇の楽しさを先生の立場で教え、導く。ダグラスにとって心を焦がすほど恋する女性だった。施設を出てプロの演劇の道へ進み、何年も経って立派な女優となった彼女は、ダグラスが会いに行ったときには同じ演劇の道に生きる男性と結婚して妊娠していた。


Christopher Denham … Ackerman
クリストファー・デナム … アッカーマン
:保険会社の調査員。ダグラスが犬を使って窃盗行為を繰り返している事実を突き止める。



Clemens Schick … Mike Munrow
クレメンス・シック … マイク・マンロウ
:ダグラスの父親で、闘犬試合に出す為に犬を飼っているが、試合のために犬を飢えさせており、犬をかわいがるダグラスを憎々しく思っている。暴力的で酷薄な人物。

 

Alexander Settineri … Richie Munrow

アレクサンダー・セティネリ … リッチー・マンロウ

:ダグラスの兄。父への絶対服従心だけで生きていて、常にダグラスを罪びとのように観ている。父がダグラスを閉じ込めた犬小屋の上に「神の名において」という横断幕を掲げた。

この横断幕「IN THE NAME OF GODの裏に透けた文字が DOGMAN という名称に繋がる。

 

Iris Bry … Douglas' Mother
アイリス・ブライ … ダグラスの母
:夫の暴力にずっと耐えていたが、ダグラスが夫から犬小屋に閉じ込められたことを機会に家族を置いて家出した。



John Charles Aguilar … El Verdugo
ジョン・チャールズ・アギラール … エル・ベルドゥゴ
:ダグラスの知人を恐喝しているエル・ベルドゥゴ 「死刑執行人」 と呼ばれる地元のギャング。最終的にDOGMAN「ダグラス」と死闘を演じることになる。



Marisa Berenson … Aristocrat Woman
マリサ・ベレンソン … 貴族の女性
:眠っている間にDOGMANの犬たちに宝石を盗まれる。
 


 

上矢印映画のラスト、拘置所からダグラスが出ていけるように、気絶させた刑務官が持っていた牢の鍵を届けて来るわんちゃん。(なんてお利口さんなんだ!笑い泣き

 

「犬の唯一の欠点は 人間を信頼する事」と語るDOGMANこと、ダグラス。

 

 

映画のクライマックスとなる戦いのシーンでは、沢山の犬たちと一緒に撮影をする俳優も、スタッフもすごく大変だったろうと想像させました。

 

 


【音楽の聴きどころ】

私たち日本人には「ゴッドファーザー愛のテーマ」として印象に残っているこの曲が、

イイシーンで流れます。

 

フランスで世紀の女性歌手と言えばエディット・ピアフ。大歌手と呼ばれたのに反して、彼女の芸名 La Môme Piaf 小さなすずめ ~ の由縁となった非常に小柄な体で歌い続けた女性でした。

彼女の「水に流して」という歌が DOGMAN のラストシーンで印象的に使われています。

 

 

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