詳しいことは、よく覚えていないのですが、3年ほど前に、有名人の謝罪会見が続いた時期があったのでしょうか。3年前の4月に、謝罪について思うところを、政治的な要素抜きで、書かせていただきました。
「あー、今思えば、申し訳ないことをした、すまない」と、心の中で思う。若気の至りで、謝りもしなかった。好機逸(いっ)すべからず。謝るのに適した時期、好機というのは、本当に短い。今となっては、只々、「謝らなかったことを忘れず、日々、ほんの少しでも『有縁を度す(うえんをどす)』ことができれば」という気持ちで過ごす。
旧暦の六月は水無月(みなづき)、水無しの月ですが、新暦の六月は、日本の多くの地域で、入梅し、湿気多く、じめじめとする頃でしょうか。梅雨時で増水した玉川上水に入水(じゅすい)した太宰の遺体が発見されたのが、71年前の6月19日。今年の6月19日は、太宰の生誕110年の日でもあります。
太宰の「生れて、すみません。」という言葉に関して、青木雨彦さんは、たしか、『優しくなければ・・・』の中で、「わたしに言わせれば、そう思う心が優しさなのである」と、書かれた。今、「たしか」という語を挿入したのは、自宅アパートの火災で、この本が半焼し、開くとページがぼろぼろと崩れるかも知れなくて、よっぽどのことがない限り、開けないからです。
あと10日ほどで、桜桃忌。僕は、50歳を、とっくに過ぎてはいるのですが、優しさとは何か、なお、難しい。いや、この歳になったからこそ、優しさとは何か、いよいよ、難しい。そう思う今日この頃です。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則
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