花ニ嵐ノタトヘモアルゾ。井伏、太宰、そして、雨彦 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 唐詩選に収められている五言絶句の中に、『勧酒』という題の詩があるそうです。

勧酒(作者・于武陵)
 勧君金屈卮
 満酌不須辞
 花発多風雨
 人生足別離

この詩を、小説家の井伏鱒二は、次のように訳されたそうです。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 井伏鱒二がそう訳したことを、小説家の太宰治は、未完の小説『グッド・バイ作者の言葉で、紹介しています。太宰治が、小説『グッド・バイ』の「作者の言葉」で、『勧酒』の井伏鱒二訳を採り上げていることを、僕は、コラムニストの青木雨彦さんの文章を読んで、知りました。

 日本人にとって、花と言えば、桜でしょう。先年、他界された島倉千代子さんの『東京だョおっ母さん』という歌には、桜が出てくる箇所がございます。うーん、これを書き進めると長くなるので、今回はここまでと、させてください。花開き、風雨多し。さよならだけが人生か。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則