殿、ご乱心か。僕は、3年前の秋に、自宅アパートが全焼するという出来事があって以降、自分の居室にテレビ受像機を置いておらず、ほとんど、テレビ番組を見る機会がないのですが、昨日、
『菅義偉(すが・よしひで)官房長官は、20日午前の読売テレビ番組で、消費税率の10%への引き上げに関して、「7-9月期の国内総生産(GDP)改定値が出た上で(安倍晋三首相が)判断すると思う」と述べた』
という報道記事を目にし、思わず、そう叫びそうになりました。
GDPは増えた。消費税率は引き上げた。税収は減少している。ずばり、そういう題名で、一文を書かせていただいたのは、2012年6月11日。その4日後、6月15日の夜に、民自公の3党の実務者が、社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる修正で、合意に達しました(いわゆる3党合意)。
「これは、国家の一大事」と思い、早速、6月26日に、一自民党党員として、いや、一日本国民として、菅義偉衆議院議員の選挙区事務所に資料持参で伺い、「過去のデータを、よくご覧になってください。税収の対GDP比率が、下がり続けています。可処分所得の総額が減っているときに、消費税率を引き上げても、税収総額は増えません。このことを、菅先生に、お伝え願います」と、事務所職員に、申し伝えました。
その約5か月後、11月29日(衆院選公示の5日前)の夕刻に、JR横浜駅西口の高島屋前で、安倍晋三自民党総裁の街頭演説があり、その直前に、菅(すが)氏は、自民党神奈川県連会長(当時)として、"前座"演説を行い、その中で、消費税率の引き上げについても触れ、思いを語っておられた。その演説を聞いて、僕は、「僕が持参したした資料や拙文に、目を通していただいている」と、感じました。
そういう経緯があって、冒頭の言葉を、叫びそうになりました。国税である消費税の税率引き上げの目的は、税収を増やし、国家財政を再建することです。税率引き上げの目的は、GDPを増やすことでは、決してありません。消費税の税率を更に引き上げるべきかどうかは、消費税率が、今春、4%から6.3%になり、税収が増えているのか減っているのか、税収の状況を見て、判断すべきではないでしょうか。
くどいほど繰り返しますが、GDPと税収は、正比例の関係にはありません。税収の状況は、財務省のこのページから入っていけば、確認できます(この本文の左側にあるブックマーク欄にも、載せました)。ゆめゆめ、7-9月期のGDP改定値で、国家の一大事が決められることがないよう、願うばかりです。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則