11月29日の夕刻にJR横浜駅西口の高島屋前で行われた、安倍晋三自民党総裁の街頭演説。安倍氏が到着する直前までは、自民党神奈川県連会長の菅義偉(すが・よしひで)氏が演説を行い、安倍氏到着と同時に、マイクを安倍氏に渡した。
菅(すが)氏は、その演説の中で、後期高齢者医療制度について語り、そして、消費税率の引き上げについても、語った。どちらも、大衆受けしない言葉であるが、この国の財政の現状を語る上で、そこだけ避けるのもおかしい、そんな風に感じる言葉である。敢えて、後期高齢者医療制度にも触れた菅氏に、男気を感じた。
世の中の人の約半分は、女性である。それを承知で、男気などという時代遅れの言葉を使わせていただいた。
もちろん、私は、「業務外及び通勤外の疾病、負傷」に関する保険制度を、被保険者の職域や年齢階層ごとに、幾つも乱立させることに、意義は全くない、つまり「健康保険制度はこの国に一つあれば充分である」と、確信している。また、消費税率を上げ下げしても、一般会計税収の対名目GDP比率の長期低下傾向に歯止めすら掛けられないと、確信している。
ただ、JR横浜駅の駅頭で演説を聴いて、菅(すが)氏は、そう簡単に官僚に懐柔されない、数少ない国会議員のうちの一人だと、感じた。
大きな組織の中にあって、どんどんやって来る現実に対応し、しかも政治信念を忘れないことは、大変難しい。
今朝、米国ハワイ州選出の民主党上院議員、ダニエル・イノウエ氏(Sen. Daniel Inouye)の訃報に接し、信念という言葉が、頭の中で浮かびました。氏のご冥福を、お祈り申し上げます。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則