日本銀行に預けられている国庫金の源泉は、基本的には、税収である。副次的なものとして、社会保険料収入、各種の手数料収入、政府出資に対する、利益の配当収入や剰余金の分配収入、国有資産の売却による収益などがある。
国債は、国庫金の源泉ではない。「国債による本年度の収入」の源泉は、将来における税収である。だから、国債発行による収入は、その場しのぎに過ぎない。
大地震が発生する前である2月10日に、当ブログにおいて、「通貨は、公器である。寡占が進めば、弊害が出る」と、書かせていただいた。「共同体の構成員が、分業しながら、全体として協業する。通貨は、そのための道具に過ぎない」とも、書かせていただいた。
会社が利益を追求する活動に対しては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(いわゆる独占禁止法)があり、少数の会社が、全体を制御できる状態、つまり、寡占状態が起きないようにするための仕組みが、60年以上存在している。では、個人が利益を追求する活動に対しては、どうか。
所得税法や相続税法があり、所得の再分配が行われることになっているが、実際には、金融資産や、土地建物などの固定資産などの個人資産の上限規制はなく、結果として、米国経済隔週刊誌フォーブズの"世界の富豪リスト"(個人資産の番付)に、主に日本で収益活動を行っている人々も、名を連ねている。
今は、所得税や消費税を、増税すべき時期ではない。今は、通貨を再定義し、通貨に対する財産権を再定義し、富裕税法(個人金融資産税法)を、復活させるべき時期である。
神奈川県にて
佐藤 政則