実録外伝大阪電撃作戦(十三)民主主義 | 俺の命はウルトラ・アイ

実録外伝大阪電撃作戦(十三)民主主義

 『実録外伝 大阪電撃作戦』

 映画 92分 トーキー 

 カラー 白黒静止映像あり

 昭和五十一年(1976年)一月三十一日公開

 製作国 日本

 製作   東映京都

 企画   日下部五朗

       田岡満 

       橋本慶一

       奈村協

 脚本   高田宏治

 

 撮影   増田敏雄

 音楽   津島利章

  照明   北口光三郎

 録音   荒川輝彦

 美術   佐野義和

 音楽   津島利章

 監督補佐  牧口雄二

 

 編集  堀池幸三

 記録  石田照

 装飾  柴田澄臣

 背景  西村三郎

 装置  温井弘司

 助監督 萩原将司

 

 擬斗  上野隆司

 美粧  田中利男

 結髪  明田多美枝

 スチール 中山健司

 衣裳  高安彦司

 演技事務 森村英次

 進行主任 俵坂孝宏 

 

 

 

 出演者

 

松方弘樹(安田寿行)

 

渡瀬恒彦(高山敬)

 

三上寛(真田一郎)

室田日出男(趙宗源) 

野口貴史(前田茂)

大前均(催浩哲)

 

監督 中島貞夫

 

 

 

 ☆☆☆

 平成十二年(2000年)一月二十六日

 十三東映にて鑑賞

 画像・台詞出典 『実録外伝 大阪電撃作戦』

 日本映画専門チャンネル放送版

☆☆☆

  台詞の引用・シークエンスの考察は、研究・

 学習の為です。 
 東映様にはおかれましては、ご理解・ご寛

恕を賜りますようお願い申し上げます。

 引用文・筋の紹介で暴力描写・暴力シーン

について言及します。ご了承下さい。

 ☆☆☆

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  双竜会幹部と趙会長は安田の暴れ方に手を

焼く。

 安田の店に泥酔した高山が来ていた。夕べから

飲みっぱなしであったという。安田は探しとったん

やぞと声をかけるが、高山は酷い酔い方である。

牛乳を要求しては捨て次にはビールを求める。

 

 

    安田「お前。組放り出されたんやて?さっき事務

      所に電話したらえらい冷たい返事やった。

      山地の事で南原のおっさん、ビビりおった

      んちゃうか?極道の親分なんて口先だけ

      はかっこつけとるが腹の中で己の事しか

      考えとらへんのや。双竜会はちゃうで。自

     由で民主主義や。どや、双竜会入らへんか?

      もっぺん二人で山地殺ろやないけ?お前

      道路の真ん中で山地の車に食らいついた

      そやないけ。ええとこあっで。」

 

     高山「山地?山地の事なんかどうでもええ

        ね。阿呆らしてやっとれっか!」

   

     安田「今夜一晩だけ儂に付きあえや。」

 

 

 ☆自由で民主主義☆

 

  松方弘樹と渡瀬恒彦が組に弾かれる暴れ者

の関わりを鮮やかに見せる。泥酔している高山

には、優しくいたわってくれる安田の言葉はあま

り染みず、自暴自棄の在り方には変わりない。

 南原は安田が見る通り、山地の存在を恐れて

ビビッて高山を捨てた。口先だけはカッコをつける

が己の事しか考えず保身に長けている。豊か

な生活を失うのを恐れて強大な川田組との闘い

を回避して双竜会を守ろうとする趙も、安田に

は冷酷な存在だ。

 親分は組織維持を現実的に考えて、武闘派

の子分は斬り捨てられる。

 中島貞夫の洞察は鋭い。

 

 安田は高山にほれ込み、山地襲撃第二弾

を提案するが酔った高山は荒れている。

 一晩だけ儂に付きあえやと安田は提案する。

 

 松方弘樹の包摂力と渡瀬恒彦の自棄が

男と男の心の対応を示す。

 

 保身ばっかり考えとる親分たちと違い、自由

で民主主義で行くんや。

 

 中島貞夫は暴れん坊達の豪快な弾け方に

民主主義の躍動を確かめている。

 

 

                       合掌